「オンラインで教える塾なら、教室を借りずに始められるのではないか」「映像授業の塾と、オンラインの個別指導の塾は、加盟したあと何が違うのか」。どちらも「オンライン」という同じ言葉で紹介されていると、同じ種類の事業に見えて、比べる手がかりをつかみにくいものです。
オンラインの塾フランチャイズは、ひとつの業態ではありません。授業が録画なのか、先生と生きたやりとりをするのか、生徒が家で受けるのか教室で受けるのかで、オーナーの仕事も、初期費用も、毎月出ていくお金も変わります。「オンラインだから教室も人も要らない」とは限りません。
この記事では、映像授業、オンライン完結、教室で受ける1対1のライブ指導の3つの形を、授業の届け方と生徒が受ける場所で分けて説明します。後半では、講師を教室に置かずに教室だけはつくる形を例に、そうする理由と、そのぶん費用に何が加わるかを扱います。始めるときのお金は、教室を持たない形のほうが抑えやすくなります。この差も、加盟の前に確かめる項目として金額で扱います。
読み終えたら、検討している本部がどの形に当たるかを書き分け、個別説明会で聞く質問を決められます。加盟金や毎月の支払いの数字を並べるのは、形をそろえてからで間に合います。
オンラインの塾フランチャイズは、授業の届け方と生徒が受ける場所で3つに分かれます

オンラインの塾フランチャイズを見分けるときは、「授業は録画か、生きたやりとりか」と「生徒は家で受けるか、教室で受けるか」の2点を聞きます。この組み合わせで、教室に要るものと、オーナーが受け持つ仕事がおおよそ決まります。
映像授業の形では、録画された授業を生徒が教室の席で見て進めます
映像授業は、あらかじめ収録した授業を、生徒が自分の進み具合に合わせて見る形です。教室には視聴用の席が並び、生徒は決まった時間に通って、画面の授業と問題演習を進めます。同じ授業を何度でも見直せることが、この形の強みです。
例えば、「授業は映像が教えてくれるので、教室には席があればよい」と考えると、見ている途中の質問に誰が答えるか、進み具合を誰が確かめるかが抜けます。教室によっては、質問の対応や学習の管理をする人を置いています。
ただし、どこまでを教室の人が受け持つかは本部によって違います。映像授業の本部を検討するなら、教室に置く人の役割と人数を、募集ページか説明会で確かめておくと、人件費の見積もりがずれにくくなります。
オンライン完結の形では、生徒が家で受け、オーナーは教室を持たずに運営します
オンライン完結の形では、生徒は自宅のパソコンやタブレットで授業を受けます。教室を借りないので、物件の取得費や内装、毎月の家賃がかかりません。3つの形の中では、初期費用と固定費を小さくしやすい形です。
例えば、今の仕事を続けながら小さく始めたい場合、教室の場所を探す手間がないことは大きな利点になります。生徒の住む地域も、教室からの距離に縛られにくくなります。
一方で、生徒が授業を受ける環境は家庭ごとに違います。部屋や机の有無、きょうだいの声、手元のスマホといった指導の外側の条件は、オーナーも先生も直接は整えられません。
教室で受ける1対1のライブ指導は、先生は遠くに、生徒は町の教室にいる形です
3つ目は、生徒が町の教室に通い、教室のパソコンの前で、オンラインでつながった先生から1対1の指導をその場で受ける形です。録画を見るのではなく先生と話しながら進めるので、質問にはその場で答え、書いたものを画面で一緒に直せます。
例えば、志望理由書の下書きを先生に見せ、「この一文はなぜそう考えたのか」と聞き返されて書き直す場面では、やりとりの速さが指導の中身を左右します。録画か生きたやりとりかの差は、こうした書類や面接の指導で出やすくなります。
その代わり、この形は教室を持つので、物件の費用がかかります。場所代のかからない間借り(今ある教室や事務所の空き部屋など、自宅とは別の場所)を除けば、オンライン完結の形より、始めるときのお金は大きくなります。
講師を教室に置かないのは、人件費を削るためより、先生の選び方を広げるためです
教室で受けるライブ指導の形では、先生を教室の近くで探さず、オンラインで遠くの先生とつなぎます。講師の人件費がかからないことは結果のひとつで、狙いは、生徒の志望に合う先生を、住む場所に関係なく選ぶことにあります。
近くで探すと、志望する学部の分野を学んだ先生に出会いにくくなります
マナビライトに登録した先生で見ると、その分野を大学で学んだ先生が生徒と同じ県に1人でもいる確率は、映像で8%、海洋・水産で18%、音楽で28%、地球科学・地学で51%です(募集ページが例に挙げている分野。社内システム・2026年9月27日時点)。同じ県の先生だけで選ぶと、候補は登録の3%に減ります。
例えば、海洋の分野へ進みたい高校生の志望理由書を見るとき、その分野を学んだ先生が県内に見つからなければ、近い分野の講師が代わりに担当することになります。
ただし、これはマナビライトに登録した先生のデータで、地域や分野によって割合は変わります。先生の選び方を本部に聞くときは、何を手がかりに、どの範囲から選ぶのかを確かめてください。
オンラインでつなぐと、住む場所ではなく生徒の志望で先生を選べます
マナビライトでは、全国7,271人の応募から選んだ先生(2026年10月2日時点)の中から、志望大学・学部、使う入試方式、評定、部活動、性格など10項目のデータをもとに AI が候補を出し、本部の担当者が1人に決めます。指導中の組の88%は、先生が生徒と別の県に住んでいます(社内システム・2026年9月27日時点。生徒の高校と先生の住所の県が分かる346組)。
例えば、町の小さな教室に通う生徒でも、志望する学部の分野を学んだ先生が県外にいれば、その先生の指導を教室で受けられます。教室の場所によって、担当できる先生の範囲が決まらない形です。
広い範囲から選べることだけで、指導の質が決まるわけではありません。マナビライトでは毎回の指導を録画し、文字に起こして AI が全件を採点し、気になる指導だけを本部が確かめます。録画とカルテはご家庭にも届きます。
オンラインで先生を選べても、生徒が家で落ち着いて受けられるとは限りません

オンラインの指導は、受ける場所によって、生徒が画面に向かう時間の質が変わります。教室で受ける形がわざわざ教室をつくるのは、先生とつないだあとに残る「どこで受けるか」の問題に答えるためです。
高校生のインターネットの利用は、平日1日に平均で約6時間44分です
こども家庭庁の「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)」(2026年3月)では、インターネットを使っている高校生の平均利用時間は、平日1日あたり約6時間44分でした。中学生は約5時間24分、小学生(10歳以上)は約3時間54分です。使っている機器の時間を合わせた数字で、勉強に使う時間も含みます。青少年全体の目的ごとの時間では、趣味・娯楽が約3時間1分で最も長く、勉強・学習・知育は約1時間6分です。
例えば、家で受けるオンライン指導では、指導に使うパソコンや手元のスマホに、動画やメッセージの通知が届く状態で机に向かうこともあります。同じ機器で勉強と息抜きの両方をする場合は、いつ切り替えるかを生徒が自分で決めることになります。
ただし、利用時間が長いこと自体が悪いわけではありません。家で集中して受けられる生徒もいるので、どの形が合うかは、生徒と家庭の環境で変わります。
家で集中しにくい生徒には、通える教室があることが指導を受ける前提になります
マナビライトの募集ページは、教室をつくる1つ目の理由として、家では集中しきれない生徒を挙げています。スマホ、きょうだい、自分の机がないといった事情は、どれほど合う先生に出会えても、家の中では変えにくいものです。保護者からは、子供がちゃんとやっているかも見えません。
例えば、夜にリビングのテーブルで指導を受ける家庭では、家族の会話やテレビの音が、指導の時間にそのまま入ってきます。町に教室があれば、生徒はそこへ通ってパソコンの前で1対1の指導を受け、自習もそこで進められます。
もちろん、教室に通えば誰もが集中できるわけではありません。教室を開けている間は、オーナーご自身かスタッフが1人いる必要があり、その人が自習の様子にどこまで目を配るかは、教室ごとに決めることになります。
対策が必要だと気づいていない家庭にも、町の教室は相談の入口になります
2つ目の理由は、必要な対策に気づいていない生徒に届けることです。総合型選抜や学校推薦型選抜では、出願の書類や面接の準備を、ひとりで進めている生徒もいます。町に相談できる場所があることが、何が必要かを知るきっかけになります。
例えば、評定も部活動の記録もそろっているのに、一般入試の勉強だけを考えていた家庭が、教室の前を通って相談に来る場面です。面談では合格までに何が要るかを伝え、本部の先生と709単元のカリキュラムで対策を組みます(単元数は2026年10月時点)。
ただし、相談が来るかどうかは、教室の場所や地域で変わります。マナビライトに届いた生徒・保護者からの問い合わせは、2025年10月1日〜2026年9月30日の1年で1万件超、47都道府県すべてからですが、生徒数を保証するものではありません。
「3つの形の違いは分かったけれど、教室を持つ費用に見合うだけの生徒が来るのか」。この迷いは、物件の家賃、今ある教室を使えるかどうか、生徒を自分で集めるかで答えが変わるため、募集ページを読むだけでは決めにくいところです。物件を探し始める前に、家賃を置き換えた試算で見当をつけておくと、探す範囲を絞れます。
個別説明会で確かめられること
- 教室を借りる場合と、今の教室に間借りする場合の収支の試算を、その場でお出しします。
- 教室の持ち方や開業までの順番を含めて、始め方をご一緒に決めます。
- 加盟金や物件・什器の分割、融資の相談の進め方をお話しします。
個別説明会はオンラインで30〜60分で、お一人でも、ご家族とご一緒でも受けられます。試算は保証するものではなく、実際の収支は地域・物件・入会の状況で変わります。分割と融資には審査があり、融資を保証するものではありません。
教室で受ける形は、オンライン完結の形より始めるときのお金がかかります

生徒が教室で受ける形を選ぶと、教室を持たない形にはない、物件と什器の費用が加わります。指導の形を比べたあとは、この差を、加盟の前に金額で確かめます。
マナビライトでは、教室を持つ場合に、加盟金へ物件・什器の費用が加わります
マナビライトの加盟オーナー募集のページでは、開業に必要な総額を、市区町村の1校目の場合300万〜450万円(そうでない場合は400万〜550万円)としています。加盟金と、教室を持つ場合の物件・什器(〜150万円)を合わせた額で、加盟金は400万円(税別)、市区町村の1校目は、加盟校が10校開校するまで300万円(税別・税込330万円)です。場所代がかからない間借りなら、物件の費用はかかりません。PCとヘッドセットは、間借りでも同じ時間に指導を受ける生徒の数だけ要りますが、物件の契約のお金がかからないぶん、〜150万円より少なく済みます。間借りには、今の教室のほか、事務所の空き部屋やご自身の持ち物件、使用料を払って人の教室を借りる形も含まれ、自宅の一室では開業できません。使用料を払う場合は、収支のモデルの家賃15万円の所がその使用料に代わります。
例えば、同じ加盟金でも、教室を新しく持つかどうかで、物件・什器の分の差が出ます。オンライン完結の形の本部と並べるときは、加盟金だけでなく、教室にかかるこの分を足したうえで比べます。
ただし、この総額に運転資金は含みません。黒字になるまでの家賃などは別に用意します。運転資金の目安は、教室を借りる場合で毎月の固定費の6か月分です。金額は2026年10月時点の募集条件で、最新は個別説明会でご案内します。1校目の条件は、個別説明会でお問い合わせください。
教室の家賃は毎月出ていきますが、本部への支払いは売上の割合で決まります
教室を持つと、家賃などの固定費が毎月かかります。マナビライトの収支のモデルでは、教室を持つ場合の固定費を月20万円(家賃15万円・雑費5万円の想定)と置いています。本部への毎月の支払いは、教師への指導料が売上の20%、ロイヤリティが12%で(2026年10月時点)、どれも売上に対する割合なので、生徒がいない月の本部への支払いは0円です。
例えば、モデルケースの月謝10万円(税別)の生徒が1人入ると、自分で集める場合は税引前で6.8万円が手元に残ります。固定費の月20万円をこの額で割ると2.9人で、自分で集めれば3人から黒字です。集客を本部にまかせる集客代行(売上の20%)を選ぶと1人あたり4.8万円で、5人から黒字になります。
生徒がいない月でも、家賃などの固定費はかかります。集客代行の20%は、申し込んだ加盟校のマナビライトの売上全体(受講料・入会金・講習費・教材費。自分で集めた生徒の分も含む)にかかり、今の塾でご自身が教えている授業の売上にはかかりません。広告費の先払いはありません。届いた相談は配分のルールに沿って加盟校へお渡しし(紹介先はご相談の方のお住まいの都道府県で決めます)、件数は加盟校ごとに月単位で決めます。生徒数は保証しません。試算はモデルケースで、教室型の加盟校の実績はまだなく、収益を保証するものではありません。実際の収支は地域・物件・入会の状況で変わります。
オンラインの塾フランチャイズについて、加盟前に出やすい疑問に答えます
教室で受けるなら、オーナーが授業に立ち会う必要がありますか?
立ち会う必要はありません。指導はオンラインで本部の先生が行い、教えるのも先生を選ぶのも本部の仕事です。オーナーの常駐も要りませんが、教室を開けている間は、オーナーご自身かスタッフが1人いれば大丈夫です。
例えば、本業の時間帯に教室を開けるなら、その時間に教室にいる人をどうするかを先に決めます。スタッフを置くと、収支のモデルの固定費(月20万円)に入っていない費用が加わります。オーナーの仕事は、入会までの面談と手続きを行う営業と、入会後のご家庭の対応を行う CS です。ご家庭との面談は、オーナーご自身でも、雇ったスタッフに任せてもかまいません。任せる場合は、そのスタッフにもオーナーと同じ研修を修了してもらいます。本部が代わりに面談することはありません。
映像授業の教室と、見た目はどう違いますか?
見た目は近いこともあります。マナビライトの校舎に要るのは、小さな教室とパソコンと机、自習の席、ご家庭と面談する人で、受講席はパーテーションで区切り、内装工事は要りません。違いは、画面の向こうに、その時間に生徒と話している先生がいることです。
例えば、教室の写真だけで本部を比べると、映像授業とライブ指導の区別がつきません。説明会では、生徒が1回の指導で先生と何をするのか、指導の記録がどう残るのかを聞いてください。
オンラインの指導だと、保護者に様子が伝わりにくくありませんか?
伝わり方は、指導の記録をどう残してご家庭に届けるかで決まります。マナビライトでは、毎回の指導のあとに先生がマナビカルテを書き、指導の概要、保護者への連絡、次回までの課題と確かめ方を残します。生徒とご家庭は、マイページで録画とカルテを見られます。
例えば、教室での面談のときに、カルテに残る項目を挙げて「指導のあと、家ではマイページで録画とカルテを確かめられます」と伝えると、オンラインの指導に不安がある保護者にも説明しやすくなります。
通信が止まって指導ができなかった日は、どう扱われますか?
通信の不具合で指導ができなかった日は、先生と日程を合わせて振り替えます。教室のPCと回線は本部から買う必要はなく、ビデオ通話が安定して動くPCとヘッドセットを同じ時間に指導を受ける生徒の数だけ、回線は光回線(できれば有線)を加盟校で用意します(費用は物件・什器に入ります)。
例えば、物件を探す段階で、建物にインターネットの回線を引けるか、夜の時間帯にも安定して使えるかを確かめておくと、契約したあとで困りにくくなります。家で受けるオンライン完結の形では、回線は各家庭のものになる点も、比べる材料になります。
オンラインの塾フランチャイズは、生徒がどこで受けるかを決めてから比べましょう
オンラインの塾フランチャイズを比べるときは、最初に、授業が録画か生きたやりとりか、生徒が家で受けるか教室で受けるかを確かめます。形が違う本部の加盟金や毎月の支払いを並べても、教室に要るものとオーナーの仕事が違うため、同じ物差しになりません。
見落としやすいのは、「オンライン」という言葉から、教室の費用も、教室を開ける人も要らないと思い込むことです。教室で受ける形では物件と什器の費用がかかり、教室を開けている間は誰かがいる必要があります。反対に、家で受ける形では、生徒が受ける環境を各家庭に任せることになります。
今の段階で、本部をひとつに絞る必要はありません。検討している本部ごとに、図の問いへの答えを書き入れてみてください。埋まらなかった欄が、説明会で聞く質問になります。
マナビライトの個別説明会では、教室を借りる場合と今の教室に間借りする場合を含めて、ご自身の条件での収支の試算をその場でお出しします。オンラインで受けられるので、教室の候補地から離れた場所に住んでいても参加できます。試算は保証するものではありません。実際の収支は地域・物件・入会の状況で変わります。