「加盟金は安いのにロイヤリティの率が高い本部と、その逆の本部。どちらが得なのか」「ロイヤリティのほかにも、毎月払うお金があるのではないか」。何社かの資料を取り寄せて条件を並べてみると、数字の意味がつかめないまま手が止まることがあります。
ロイヤリティの率が低い本部ほど、毎月の負担が軽いとは限りません。売上に関係なく決まった額を払う形なら、生徒がいない月にも本部へのお金が出ていきます。計算の元になる売上の範囲や、ロイヤリティとは別の名目の支払いによっても、実際に払う額は変わります。
この記事では、加盟金を何の対価として見るか、ロイヤリティの計算の型、ロイヤリティ以外の毎月の支払いを順に確かめます。そのうえで、在籍が0人・3人・16人の月を置き、支払いを金額で比べる表の作り方を説明します。公正取引委員会と中小企業庁の資料に書かれていることと、この記事の提案は分けて書きます。
読み終えたら、手元にある本部の条件を、生徒0人・3人・16人の月の表に当てはめてみてください。書面で確かめられなかった欄に印を付けておくと、説明会で聞くことが決まります。
加盟金は、何の対価で、どんなときに戻るのかを確かめます
加盟金は、加盟するときに本部へ1回払うお金です。看板や名前を使う権利、開業前の研修、開業までの支援、教材やシステムの準備などにあてられますが、何を含むかは本部ごとに違います。
同じ額の加盟金でも、含まれるものが違えば重さが変わります
公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(令和3年4月28日改正)は、本部が加盟者を募るときに開示が望ましい事項に、「加盟に際して徴収する金銭の性質,金額,その返還の有無及び返還の条件」を挙げています。加盟金も、性質・金額・返還の扱いの順に確かめられます。
例えば、研修・教材・システムまで加盟金に含む本部と、研修費やシステムの初期費用を別に払う本部では、加盟金が同じでも開業までに払う合計が違います。保証金や研修費といった別の名目の支払いがないかも、同じ紙に書き出します。
マナビライトのFCの加盟金は400万円(税別)で、市区町村の1校目は、加盟校が10校開校するまで300万円(税別・税込330万円)です。加盟金には開業前の研修、開業までのサポート、教材とシステム一式を含み、追加の購入はありません。2026年10月時点の募集ページの条件で、最新は個別説明会でご案内します。1校目の条件も、個別説明会でお問い合わせください。
開業できなかったときと、途中でやめたときの扱いは、契約書で分けて確かめます
中小企業庁のパンフレット「フランチャイズ事業を始めるにあたって」(2025年6月)は、「店舗が開店できない場合、加盟金等の金銭が返還されるかどうか十分確認しましょう」と呼びかけています。返還の有無と条件は、開業の前と後で分けて確かめます。
例えば、契約したあとに条件に合う物件が見つからず、開業が遅れることがあります。開業したあとに、家族の事情で続けられなくなることもあります。どちらの場合に何がいくら戻るのかは、本部によって違います。
ただし、説明会の口頭の説明だけでは、返還の条件までは分かりません。マナビライトのFCでは、中途解約・違約金・契約終了後の取り扱い・生徒の帰属を加盟契約書に定めてご契約の前に事前開示書面でご説明します。事前開示書面と加盟契約書をお渡しして説明したあと、7日以上あけてからご契約いただきます。どの本部でも、書面の該当する条を読んでから判断してください。
ロイヤリティは、計算の型によって、生徒が少ない月の重さが変わります

ロイヤリティは、加盟したあと本部へ定期的に払うお金です。公正取引委員会の考え方では、「本部の商標,商号等の使用,経営指導等の対価として加盟者が本部に定期的に支払う金銭」とされています。計算のしかたは、決まった額を払う定額の型、売上に率をかける割合の型、割合で計算して下限の額を設ける最低保証つきの型に大きく分かれます。
定額の型は、売上が少ない月ほど負担が重くなります
定額の型は、在籍が何人でも毎月同じ額を払います。生徒が増えるほど、売上に対する負担の割合は軽くなり、毎月の支払いの見通しも立てやすい形です。
例えば、開業して最初の数か月、入会の面談が始まったばかりで在籍が数人の月にも、定額のロイヤリティは同じ額で出ていきます。受験生が卒業して在籍が減る春も同じです。
ただし、定額の額が小さければ、少ない月の負担も小さく済みます。定額か割合かという型だけで判断せず、額そのものを聞いてください。
割合の型は、計算の元になる売上の範囲で、払う額が変わります
割合の型は、月の売上に決まった率をかけます。売上が0円の月は支払いも0円で、生徒が増えれば支払いも増えます。
例えば、すでに英語教室を開いていて、同じ教室に塾を加える場合を考えます。率をかける元が塾の月謝だけなのか、英語教室の売上まで含むのかで、同じ率でも払う額が変わります。入会金や教材費、講習の費用が元に入るかも確かめます。
率が低くても、元の範囲が広ければ支払いは増えます。公正取引委員会の考え方は、「ロイヤルティの算定方法に関し,必要な説明を行わないことにより,ロイヤルティが実際よりも低い金額であるかのように開示していないか」を問題になりうる点に挙げています。計算の元と率は、書面で確かめてください。
最低保証つきの型は、売上が少ない月にも下限の額を払います
最低保証つきの型は、売上に率をかけて計算し、その額が決まった下限を下回る月は下限の額を払います。生徒が多い月は割合の型と同じように動き、少ない月は定額の型に近い動きをします。
例えば、資料に「ロイヤリティ◯%」とだけ書かれていても、契約書に「月額◯万円を下回る場合は◯万円」という下限の定めが入っていることがあります。率の欄だけを見て割合の型と決める前に、下限があるかを聞いておくと安全です。
中小企業庁のパンフレットも、「ロイヤルティについてはしっかりと、計算方法・根拠を理解しておくことが重要です」としています。
毎月の支払いは、ロイヤリティ以外のお金まで足した合計で比べます

ロイヤリティの率が低く見えても、別の名目で毎月の支払いがあれば、合計は変わります。本部に払うお金と、加盟校が自分で払うお金を、同じ表に並べます。システム料や教材費が、ロイヤリティとは別に定額でかかる本部もあります。
講師を雇う形では、給与が生徒の数に関係なく出ていきます
講師を雇う形では、加盟校が採用・育成・シフト管理をして給与を払います。シフトに入った時間の給与は、その日に来た生徒の数に関係なく出ていきます。
例えば、開業に合わせて講師を採用し、研修を済ませたあとで、入会が予定より遅れたとします。生徒が少ない月にも、シフトに入った分の給与と、募集や研修にかけた費用はかかります。
反対に、講師の手配まで本部が持つ形では、その費用が指導料やロイヤリティとして本部への支払いに入ります。率だけを並べると、本部が持つ仕事の範囲が広い形ほど高く見えるため、「本部への支払い」と「自分で払う人件費」を足した合計で比べてください。
集客の費用は、先に払う形か、売上の割合で払う形かを確かめます
自分で生徒を集めるなら、チラシやWeb広告の費用は、生徒が来る前に払います。本部が集客する形では、その費用が定額か、売上の割合か、割合ならどの売上にかかるかを確かめます。
例えば、本部の集客の費用が、本部が集めた生徒の売上にだけかかるのか、加盟校の売上全体にかかるのかで、自分で集めた生徒が多い月の支払いが変わります。
マナビライトのFCでは、毎月の支払いはすべて売上に対する割合で、教師への指導料が20%、ロイヤリティが12%です。指導料は、教室に講師を置かず本部が選んだ先生が教える分の支払いで、売上に対する割合なので、生徒が少ない月は少なく済みます。ロイヤリティは、先生選び、カリキュラムの更新、録画とカルテでの指導の確認、システムの運用など、開業後も本部が持ち続ける仕事の費用です。講師は雇いませんが、教室を開けている間はオーナーご自身かスタッフが1人いる形で、スタッフを置けばその人件費は加盟校の負担です。
集客は、自分で集めるか、本部の集客代行(任意)を申し込むかを選べます。集客代行は、本部が広告を出し、届いた相談を配分のルールに沿って加盟校へ渡す仕組み(紹介先はご相談の方のお住まいの都道府県で決めます)で、広告費の先払いはありません。費用は申し込んだ加盟校のマナビライトの売上全体(受講料・入会金・講習費・教材費。自分で集めた生徒の分も含む)の20%で、今の塾でご自身が教えている授業の売上にはかかりません。渡す件数は加盟校ごとに月単位で決め、生徒数を保証するものではありません。料率はいずれも2026年10月時点の募集条件で、最新は個別説明会でご案内します。
「支払いの仕組みは分かったけれど、自分の地域で始めたら、毎月いくら払っていくら手元に残るのか」。家賃と入会のペースは地域と物件で変わるため、仕組みを読んだだけでは、自分の数字は決まりません。
個別説明会で確かめられること
- 家賃や集客の形など、条件を変えたときの収支をその場で試算します
- ご検討の地域に届いている問い合わせの件数をお伝えします
- 加盟契約書に定める中途解約・契約終了後の取り扱いをご説明します
個別説明会はオンラインで30〜60分です。費用と条件の一覧は加盟オーナー募集のページにあります。試算は保証するものではありません。実際の収支は地域・物件・入会の状況で変わります。
支払いを、生徒0人・3人・16人の月に当てはめて金額で比べます

率や型を並べるだけでは、どの本部が自分に合うかは決められません。在籍が0人・3人・16人の月を置き、それぞれの月に本部へ払う額と、手元に残る額を金額で書き出すのが、この記事の提案です。0人は開業した直後、3人は入会が始まったころ、16人は在籍が積み上がったころを想定しています。
生徒0人の月は、売上がなくても続く支払いだけが残ります
在籍が0人の月に出ていくのは、売上に関係なく決まった額の支払いだけです。家賃などの固定費はどの形でもかかり、そこに本部への定額の支払い、最低保証の下限、講師の給与が乗るかどうかで、赤字の幅が変わります。
例えば、物件を契約して教室を整え、入会の面談を始めた最初の月は、在籍がまだ0人のこともあります。2つの本部で迷っているなら、この月に払う額だけを横に並べてみると、立ち上がりの重さの差がはっきりします。
ただし、本部への支払いが0円の形でも、家賃などの固定費まで0円になるわけではありません。0人の月の行には、固定費をそのまま書き入れます。
生徒3人の月は、少ない売上に対して支払いがどれだけ重いかを見ます
在籍が数人の月は、定額の支払いの重さが最も表に出ます。売上が小さいため、同じ額の定額でも、売上に対する割合は大きくなります。
例えば、定額の支払いがある本部では、3人分の月謝から定額を引くと、家賃を払う前に手元がほとんど残らないことがあります。割合の型なら、3人分の売上に率をかけた額だけを払います。
黒字になるかどうかは、本部への支払いだけでなく、家賃などの固定費の大きさでも決まります。3人の月の表にも、固定費の行を入れてください。
生徒16人の月は、割合で払う形の支払いが大きくなる月です
在籍が増えると、割合の型では本部への支払いも増えます。定額の型が有利に見えるのは、この月です。
例えば、16人の月だけで2つの本部を比べると、定額の型のほうが払う額が小さく見えることがあります。けれども、開業から16人に届くまでの月の支払いを足すと、順番が入れ替わることもあります。
どちらを重く見るかは、最も苦しい月にどこまで耐えられるかで決まります。加盟金と毎月の支払いを契約期間の分だけ足した合計も、表の下に書き添えます。
募集ページのモデルの数字を当てはめると、表はこう埋まります
記入例として、マナビライトの募集ページのモデルの数字を入れます。前提は、月謝10万円(税別)、教室を持つ場合の固定費が月20万円(家賃15万円・雑費5万円の想定)、教師への指導料20%・ロイヤリティ12%、集客代行は申し込んだ場合だけマナビライトの売上全体の20%です(2026年10月時点の募集条件。契約期間は5年で、以降は自動更新)。
| 項目 | 生徒0人の月 | 生徒3人の月 | 生徒16人の月 |
|---|---|---|---|
| 月の売上 | 0円 | 月謝10万円×3人 | 160万円 |
| 指導料・ロイヤリティ | 0円 | 生徒1人につき指導料2万円・ロイヤリティ1.2万円 | 指導料32万円・ロイヤリティ19.2万円 |
| 集客代行(申し込んだ場合) | 0円 | 売上全体の20%(生徒1人につき2万円) | 売上全体の20%(生徒1人につき2万円) |
| 家賃などの固定費 | 20万円 | 20万円 | 20万円 |
| 手元に残る額(自分で集める) | 固定費の分が赤字 | +0.4万円 | +88.8万円 |
| 手元に残る額(集客を本部にまかせる) | 固定費の分が赤字 | −5.6万円 | +56.8万円 |
手元に残る額は税引前で、税金と借入の返済は含みません。場所代がかからない間借りの場合は家賃がかからないため、手元に残る額はこれより多くなります。間借りは、今の教室や事務所の空き部屋など自宅とは別の場所に限り、自宅の一室では開業できません。使用料を払って借りる場合は、家賃15万円の所がその使用料に代わります。スタッフを置く場合の人件費は、このモデルに入っていません。モデルケースの試算で、教室型の加盟校の実績はまだなく、収益を保証するものではありません。実際の収支は地域・物件・入会の状況で変わります。
ほかの本部の条件も同じ行に入れれば、0人の月に出ていく額と、16人の月に残る額を並べて比べられます。
加盟金とロイヤリティで迷いやすい点に、質問の形で答えます
塾のフランチャイズのロイヤリティは、何%くらいなら妥当ですか?
率だけでは妥当かどうかを判断できません。講師の手配や教材、システムまで本部が持つ形と、加盟校が講師を雇う形では、同じ率でも払うお金の中身が違います。
例えば、率が低い本部でも、講師の給与を自分で払い、システム料を定額で払うなら、毎月の合計は大きくなります。率を聞いたら、何の対価か、ほかに毎月払うお金はあるかも合わせて聞き、0人・3人・16人の月の金額で比べてください。
加盟金が安い本部のほうが、長く続けると得ですか?
加盟金だけでは決まりません。加盟金が低くても、毎月の定額の支払いが高ければ、数年分を足すと逆転することがあります。
例えば、契約期間が5年なら、加盟金に毎月の支払いの5年分を足した合計で並べます。途中でやめたときに加盟金が戻るかどうかも、比べる項目に入れてください。
売上の割合で払う形は、生徒が増えると損になりませんか?
生徒が多い月は、定額の形より支払いが大きくなることがあります。その代わり、少ない月の支払いは小さく、0人の月はかかりません。
例えば、16人に届くまでの月と、春に在籍が減る月を表に足すと、1年を通した差を比べられます。どちらが合うかは、立ち上がりの赤字にどこまで耐えられるかと、どこまで生徒を増やすつもりかで決まります。
説明会で聞いた条件は、どの書面で確かめればよいですか?
契約書と、本部が契約の前に渡す開示の書面で確かめます。契約の前に書面を渡して説明することを法律で義務づけているのは、主に小売・飲食のフランチャイズです(中小小売商業振興法。中小企業庁の解説)。それ以外の業種も含めて、公正取引委員会の考え方が、開示が望ましい項目を示しています。
例えば、説明会で「生徒がいない月は0円」と聞いたら、契約書のどの条にそう書かれているか、最低保証の定めがないかを読みます。開示の書面を受け取る時期も、本部に聞いておくと予定を立てやすくなります。業界団体の日本フランチャイズチェーン協会は、契約書を渡してから7日以上の考える期間を置くことを自主的な基準にしていて、塾のように法律で開示が決まっていない本部も対象です。
本部が見せる収支の試算は、どこまで当てにしてよいですか?
試算の数字より先に、置いている前提を確かめます。公正取引委員会の考え方は、本部が予想の売上や収益を示すときは「類似した環境にある既存店舗の実績等根拠ある事実,合理的な算定方法等に基づくことが必要」としています。
例えば、在籍の人数、月謝、入会のペース、固定費をいくらと置いているかを一つずつ聞きます。この記事の記入例も、月謝・固定費・料率を置いたモデルケースで、収益を保証するものではありません。
本部を比べるときは、生徒0人の月に出ていく額から確かめましょう
加盟金とロイヤリティを比べるときは、額や率を並べる前に、何の対価か、計算の元は何か、ロイヤリティのほかに毎月払うお金はあるかを確かめます。そのうえで、在籍0人・3人・16人の月に、本部へ払う額と手元に残る額を金額で書きます。
比べ方で迷いやすいのは、在籍が積み上がった月の数字だけを見てしまうことです。16人の月に払う額が小さい本部が、0人や3人の月にも軽いとは限りません。開業してしばらくは、在籍の少ない月が続くこともあります。
説明会の前に、どの本部にするかまで決めておく必要はありません。手元の資料から分かる欄を埋め、分からない欄と、書面で読みたい条に印を付けておけば十分です。
自分の地域の家賃や問い合わせの件数で数字を置きたい場合は、マナビライトの個別説明会で、条件ごとの収支をその場で試算できます。ご家族とご一緒でも受けられます。埋めた表を手元に置いて参加すると、本部ごとの違いをその場で確かめやすくなります。