比較サイトや本部の募集ページを3つ、4つと開いていくと、「加盟金の書き方がばらばらで、どこが安いのか並べられない」「講師の確保もサポートも、どの本部も心配いらないと書いてある」と感じることがあります。資料は手元にたくさんあるのに、比べる物差しがないまま読み進めると、読むほど決めにくくなるものです。
加盟金や総額が小さい本部ほど、加盟したあとの負担も小さいとは限りません。金額にどこまでの費用が入っているかと、開業したあと誰がどの仕事を受け持つかは、別々に確かめる必要があります。
この記事では、マナビライトの加盟オーナー募集ページの比較表で使っている8つの項目(開業に必要な総額、黒字になる生徒の数、講師、教室、オーナーの常駐、集客、生徒がいない月の支払い、開業までの期間)を、塾のフランチャイズを比べる物差しとして取り上げ、なぜその行を見るのかを説明します。表の「一般的な学習塾FC」の欄は、各社のFC募集ページとFC比較サイトの公開値をまとめたもの(2026年9月時点)で、総額と黒字になる生徒の数のほかの行は一般的な形です。どの行も、社によって異なります。公開されている値と、この記事の提案は分けて書きます。
読み終えたら、候補の本部を横に並べた表を一枚作り、埋まった行と空いた行を分けてみてください。空いた行が、そのまま本部に聞く質問になります。
比べる前に、表の行を決めてから資料を読みます

本部の資料は、金額の幅の取り方も、税別か税込かも、運転資金を含むかも本部ごとに違います。先に比べる行を決めておくと、資料の書き方に引っぱられずに読めます。
資料の順番どおりに読むと、本部が強調したい所から頭に入ります
募集ページや資料の並び順は、その本部が伝えたい順番です。開業資金の安さから書き始める本部もあれば、指導の中身や本部の実績から書き始める本部もあります。
例えば、最初の本部の資料では総額を、次の本部の資料ではサポートの手厚さを先に読んだとします。前者は安さで、後者は手厚さで記憶に残り、同じ行どうしを比べていないことに気づきにくくなります。
行をそろえることは、すべての本部を同じ点数表で採点することとは違います。自分の状況で重く見る行は人によって変わるので、まず行をそろえ、どの行を重く見るかは後から決めます。
公開値は、時点と何社の例かを添えて書き写します
比較サイトや募集ページに出ている数字は、その時点で各社が公開していた値です。マナビライトの募集ページでも、一般的な学習塾FCの欄は2026年9月時点の公開値で、開業に必要な総額は大学受験・個別指導の6社、黒字になる生徒の数は公表している社の例で、そのほかの行は一般的な形だと注記しています。
例えば、「480万〜1,500万円」という幅だけを表に写すと、何社の数字なのか、運転資金を含むのかが後から分からなくなります。数字の横に、時点と出どころを一言ずつ書いておくと、読み返したときに迷いません。
公開値は、加盟の条件を約束するものではありません。表に入れた数字は、最後に本部の資料と契約書の条件で確かめ直します。
お金の行は、金額の大小より、含まれる費用と計算の前提をそろえて比べます

お金にかかわる行は、開業に必要な総額、黒字になる生徒の数、生徒がいない月の支払いです。どれも、数字だけを並べると、中身の違うものどうしを比べてしまいやすい行です。
開業に必要な総額は、運転資金を含むかどうかを先に確かめます
総額には、加盟金のほかに、物件の取得費、内装、机やPCなどの備品、広告、黒字になるまでの運転資金が入りえます。どこまでを入れるかは本部の書き方しだいです。募集ページの比較表では、一般的な学習塾FCの総額を、運転資金が別に必要な場合はそれを含めて数え、480万〜1,500万円としています。
例えば、マナビライトの開業に必要な総額は、市区町村の1校目の場合300万〜450万円(そうでない場合は400万〜550万円)で、加盟金と、教室を持つ場合の物件・什器(上限150万円)を合わせた額です。加盟金は400万円(税別)で、市区町村の1校目は、加盟校が10校開校するまで300万円(税別・税込330万円)です。黒字になるまでの家賃などの運転資金は、この中に入っていません。運転資金の目安は、教室を借りる場合で毎月の固定費の6か月分です。運転資金を含む数字と並べるなら、その分を足してから比べる必要があります。金額は2026年10月時点の募集条件で、最新の条件は個別説明会でご案内しています。1校目の条件も、個別説明会でお問い合わせください。
総額の幅が広いか狭いかより、自分の場合にどちらの端に近いかが大切です。教室を新しく借りるのか、今の教室や持っている物件を使うのかを決めてから、自分の数字を一つ書き入れてください。
黒字になる生徒の数は、月謝と固定費の前提と一緒に書き写します
黒字になる生徒の数は、月謝、講師や本部への支払い、家賃などの固定費から計算した結果です。前提が違えば、同じ教室でも人数は変わります。公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」(2002年策定・2021年改正)も、本部が予想の売上や収益を示すときは、根拠ある事実や合理的な算定方法に基づき、その根拠を加盟希望者に示す必要があるとしています。
例えば、募集ページの試算では、黒字になるのは自分で集めれば生徒3人から、集客を本部にまかせても5人からです。前提は、月謝10万円(税別)、教室を持つ場合の固定費が月20万円(家賃15万円・雑費5万円の想定)、先生への指導料が売上の20%、ロイヤリティが12%、集客代行を申し込む場合はさらに20%です。モデルケースで、教室型の加盟校の実績はまだなく、収益を保証するものではありません。実際の収支は地域・物件・入会の状況で変わります。一般的な学習塾FCの欄は「8〜30名ほど(公表例)」です。
人数の少なさだけで比べると、月謝の高さや固定費の想定の違いが抜け落ちます。人数の行の横に、月謝と固定費の想定を書き添えておくと、試算の前提を本部に聞くときの手がかりにもなります。
生徒がいない月の支払いは、本部への支払いと固定費に分けて書きます
開業してすぐの月や、受験が終わって生徒が入れ替わる時期には、在籍の生徒が少ない月が出ます。その月に本部へ払うお金が売上に連動するのか、定額なのかで、立ち上がりの重さが変わります。FCによっては、売上に関係なく最低ロイヤリティや定額のシステム料がかかります。
例えば、募集ページの条件では毎月の支払いがどれも売上に対する割合なので、生徒がいない月の本部への支払いは0円です。それでも、教室を持つ場合は家賃などの固定費がその月も出ていきます。場所代がかからない間借りなら、家賃はかかりません(間借りは自宅とは別の場所に限り、自宅の一室では開業できません)。
この行は「本部へ」と「本部以外へ」の2段に分けて書くと、数字の意味を取り違えずに済みます。支払いの型ごとの細かな違いは、本部の資料と契約書で確かめます。
お金の行を埋めても、「自分が教室を借りた場合の総額と、毎月の手残りはいくらになるのか」は、表だけでは決まりません。物件の家賃や、集客を自分で行うかどうかで、同じ本部でも数字が変わるためです。
個別説明会で確かめられること
- 自分の条件での開業に必要な総額と、その内訳を確かめられます。
- 在籍の人数や固定費を変えたときの収支の試算を、その場で出してもらえます。
- 加盟金の分割や融資を含めた、資金の集め方を相談できます。
個別説明会はオンラインで30〜60分です。試算は保証するものではありません。実際の収支は地域・物件・入会の状況で変わり、分割や融資には審査があります。比較表の全体は加盟オーナー募集のページで確かめられます。
講師・教室・常駐の行は、開業したあと毎月続く仕事の量で比べます
人と場所にかかわる行は、加盟したあとオーナーが毎月どれだけの仕事を受け持つかに直結します。金額の行では差が出にくいので、仕事の中身まで書いておきます。
講師の行では、誰が採用し、誰が教えるのかを確かめます
教室で講師が教える形の塾では、講師の募集、面接、研修、シフト管理が加盟校の仕事になります。比較表でも、一般的な学習塾FCの講師の行は「加盟校が採用・育成・シフト管理」です。生徒が少ない月でも、授業の準備や研修の時間などで、講師に払う給与が出ていくことがあります。
例えば、授業が夕方から夜に集まる塾では、その時間に働ける講師をそろえる必要があります。講師の都合がつかない曜日が出ると、生徒の希望する時間に授業を入れられず、入会の相談を断ることになる場合もあります。
講師を置かない形でも、指導の質を誰がどう確かめるのかは見ておく必要があります。マナビライトでは、全国7,271人の応募から選んだ本部の先生(2026年10月2日時点)が1対1のライブ指導を行い、毎回の指導を録画とカルテで本部が確かめています。
教室の行では、広さと内装工事の有無を確かめます
講師と生徒が並んで座る教室には、ある程度の広さと内装の工事が要ります。比較表の一般的な学習塾FCの教室の行は「内装工事をして、講師と生徒が入る広さ」です。広さと工事は、家賃にも、初期費用にも、開業までの期間にも響きます。
例えば、駅前の空き室を候補にしていても、講師の席と生徒の席を何組も置くと決めた時点で、必要な広さは一回り大きくなります。物件を探す前に、本部が求める教室の条件を聞いておくと、内見の空振りが減ります。
募集ページの条件では、教室はパーテーションと面談ブースを置いた1室で、内装工事は要りません。今の教室のほか、事務所の空き部屋やご自身の持ち物件、使用料を払って人の教室を借りる形でも、自宅とは別の場所なら間借りと同じ扱いで始められます。自宅の一室では開業できません。工事が要らなくても、PCと机、自習の席、外の看板は要ります。
オーナーの常駐の行では、教室に立つ時間と本業との両立を確かめます
比較表の一般的な学習塾FCのオーナーの常駐の行は「教室長として教室に立つ」です。この形では、授業のある時間帯にオーナーが教室にいることが前提になります。会社員を続けながら始めたい人にとっては、この行が加盟できるかどうかを分けることがあります。
例えば、平日の夕方から夜に開ける塾で、オーナーが毎日教室に立つ決まりなら、勤め先を辞めるか、時間の融通が利く働き方に変える必要が出てきます。
常駐が要らないことと、教室に誰もいなくてよいことは違います。募集ページの条件ではオーナーの常駐は不要ですが、教室を開けている間は、オーナーご自身かスタッフが1人いれば大丈夫という形です。スタッフを置く場合の人件費は、収支のモデル(固定費 月20万円)には入っていません。
集客と開業までの期間の行は、最初の生徒が来るまでの道のりで比べます

集客と開業までの期間は、加盟してから最初の売上が立つまでの時間と費用を決める行です。総額の行と一緒に読むと、立ち上がりの数か月に何が出ていくかがつかめます。
集客の行では、誰が広告を出し、費用をいつ払うのかを確かめます
比較表の一般的な学習塾FCの集客の行は「加盟校が自分で。広告費は先に払う」です。広告費を先に払う形では、生徒が入る前に支出が出ていきます。
例えば、開業の前月にチラシやウェブ広告へ費用をかけても、相談が入会につながるのは面談を重ねた後です。その間の家賃と広告費をどこから出すかを、総額の行とあわせて考える必要があります。
募集ページの条件では、集客は自分で集めるか、本部の集客代行を申し込むかを選べます。集客代行は広告費の先払いがなく、お支払いは申し込んだ加盟校のマナビライトの売上全体(受講料・入会金・講習費・教材費。自分で集めた生徒の分も含みます)の20%で、今の塾でご自身が教えている授業の売上にはかかりません。届いた相談は配分のルールに沿って加盟校へ渡し(紹介先はご相談の方のお住まいの都道府県で決めます)、件数は加盟校ごとに月単位で決めます。生徒数を保証するものではありません。
開業までの期間の行では、どの作業に時間がかかるのかを確かめます
一般的な学習塾FCの開業までの期間は、比較表では「物件・内装・講師の採用で数か月」です。期間の長さは、物件、工事、講師の採用といった時間のかかる作業がいくつ含まれるかで決まります。
例えば、新学期に合わせて開きたいと考えていても、工事と講師の採用が重なると、準備の終わりが後ろへずれます。開業したい月から逆に数えて、いつまでに契約と物件を決める必要があるかを書き出しておくと、本部に聞くべき日程がはっきりします。
募集ページの条件では、ご予約から開業まで最短2週間です(いまの教室や空き部屋に間借りする場合)。教室を新しく借りる場合は物件を探す期間が加わり、研修の進み方によっても変わります。研修はオンラインで、ご自身のペースで進めます。
行がそろったら、空いた欄を本部への質問に書き換えます
すべての行に公開値と前提を書き写すと、どの本部にも空いた欄が残ります。空いた欄は、その本部が公開していない情報か、自分の条件でしか決まらない情報です。
例えば、黒字になる生徒の数が空いている本部には、「月謝と固定費をいくらと置いた試算か」を聞きます。教室の行が空いているなら、「今の教室を使う場合に、何を足す必要があるか」を聞きます。
空いた欄を推測で埋めると、比べた結果がその推測に引っぱられます。答えをもらうまでは空欄のまま残してください。
比べ方で迷いやすいところを、質問の形で確かめます
どの行を最も重く見ればよいですか。
決まった正解はありません。手元の資金が限られているなら総額と生徒がいない月の支払い、今の仕事を続けたいならオーナーの常駐の行が、最初に確かめる行になります。
例えば、すでに教室を持っている人なら、教室の行で今の場所を使えるかが先に決まり、総額の行の数字も大きく変わります。自分の状況に当てはまる行に印を付けてから、ほかの行を読んでください。
小中学生向けの塾のフランチャイズと、同じ表で比べてもよいですか。
行は同じで構いませんが、総額や黒字の人数を並べるときは業態をそろえます。募集ページの比較でも、開業資金の比べる相手は個別指導・大学受験を扱う学習塾FCの6社で、小中学生向けの学習教室は業態が異なるため含めていません。
例えば、教材を中心に進める小学生向けの教室と、大学受験の1対1の指導では、月謝も教室に要るものも違います。違う業態を並べるなら、表を分けるか、業態の行を一つ足してください。
契約の期間や解約の条件は、表に入れなくてよいですか。
入れておくと安全です。比較表の行は開業と運営の比べやすい所を並べたもので、契約の条件は別の行として足します。
例えば、マナビライトの契約期間は5年で、以降は自動更新です(2026年10月時点)。中途解約や違約金、契約終了後の取り扱い、生徒の帰属は加盟契約書に定め、ご契約の前に事前開示書面で説明しています。事前開示書面と加盟契約書をお渡しして説明したあと、7日以上あけてからご契約いただく形です。ほかの本部でも同じ行を立て、契約書と開示資料で確かめます。
家族と一緒に比べるときは、どの行から見せればよいですか。
生徒がいない月の支払いと、開業に必要な総額から見せると、家計の話として伝わりやすくなります。思うように生徒が集まらなかった月にいくら出ていくかは、家計に直接かかわるためです。
例えば、本部への支払いと固定費を2段に分けた行を見せれば、「本部への支払いは0円でも、家賃はかかる」といった違いをその場で説明できます。個別説明会は、ご家族とご一緒でも受けられます。
比べる表は、空いた欄を残したまま個別説明会へ持っていきましょう
塾のフランチャイズを比べるときは、総額、黒字になる生徒の数、講師、教室、オーナーの常駐、集客、生徒がいない月の支払い、開業までの期間の行をそろえ、それぞれに時点と前提を添えます。数字の大小は、前提がそろってから比べます。
よくある読み違いは、加盟金や総額の小ささを、そのまま加盟したあとの負担の小ささと受け取ってしまうことです。総額に運転資金が入っているか、生徒がいない月に定額の支払いがあるか、講師の採用を誰がするかで、開業してからの1年の重さは大きく変わります。
今の段階で、候補を一つに決める必要はありません。まずは候補の本部を横に並べ、埋まった行と空いた行を分けてください。家族に見せるときは、生徒がいない月の行を先に開くと、話がずれにくくなります。
空いた行を自分の条件の数字で埋めたい場合は、オンラインの個別説明会で、開業に必要な総額と収支の試算をその場で出してもらえます。教室を借りるか間借りするかを含めた始め方も、説明会で一緒に決められるので、作りかけの表をそのまま持ち込んでください。