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塾のフランチャイズは儲からない?そう言われる理由と加盟前の見分け方

「塾のフランチャイズは儲からないと聞いたのですが、本当ですか」「説明会で見せてもらえる収支の試算を、どこまで信じてよいのか分かりません」。家族の暮らしや今の収入に関わる判断なので、悪い評判ほど気になるものです。

ただ、「儲からない」は塾のフランチャイズ全体に当てはまる評価ではありません。そう言われやすいのは、生徒が集まる前から毎月決まって出ていくお金が大きい形があり、開業してしばらくの赤字が深くなるためです。反対に、手元に残る割合が高い形を選んでも、生徒が集まらなければ利益は出ません。

この記事では、立ち上がりを重くしやすい講師の人件費、売上に関係のない定額の支払い、広告費の先払いの仕組みを順に説明します。そのうえで、生徒0人・5人・16人の月に手元へいくら残るかで本部を見分ける方法と、本部の試算を読むときの確かめ方を扱います。公的な統計と、この記事の提案は分けて書きます。

読み終えたら、比べている本部ごとに「生徒0人の月に出ていくお金」を書き出してみてください。埋まらない欄が、個別説明会で本部に聞く質問になります。

目次

儲からないと言われるのは、売上より先に出ていくお金があるからです

塾の売上は月謝と在籍する生徒の数で決まり、開業したばかりの教室では少しずつしか増えません。一方で、家賃や決まった給与のように、生徒の数に関係なく毎月出ていく費用があります。この費用が大きい形ほど、生徒が集まるまでの赤字は深くなります。

例えば、開業から生徒が増えるまでの期間を短く見積もると、予定より長くかかった月の家賃や給与を払う資金が足りなくなります。黒字になる人数に届く前に手元の資金が尽きれば、その先で生徒が増えても教室を続けられません。「儲からない」という声は、この立ち上がりの時期の苦しさから出ていることもあります。

業種を問わない数字ですが、開業時に苦労したこととして「資金繰り、資金調達」を挙げた人は56.9%、「顧客・販路の開拓」は49.9%でした。日本政策金融公庫の融資を受けた、開業1年以内の企業が対象の調査で、日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」(2025年12月公表)で確かめられます。

ただし、苦労した人が多いことと、事業がうまくいかないことは別です。同じ調査で、調査時点の採算が「黒字基調」と答えたのは67.0%、「赤字基調」は33.0%でした。赤字基調は、その時点の採算が赤字に傾いているという答えで、廃業や失敗の割合ではありません。

立ち上がりを重くする仕組みは、講師・定額の支払い・広告費の3か所にあります

塾のフランチャイズで立ち上がりを重くする仕組み(講師の人件費・定額の支払い・広告費の先払い)

生徒が少ない月の負担を大きくしやすいのは、講師の費用、本部への定額の支払い、先に払う広告費です。どれも、その仕組みを持つ本部が悪いという話ではありません。生徒が集まる早さによって、重くも軽くもなります。

講師を雇う形では、生徒が少ない月も人件費と採用の費用が出ていきます

一般的な個別指導塾では、教室で講師が生徒を教え、加盟校が講師を採用し、育成とシフト管理を行います。給与を授業のコマ数に合わせて払う形でも、教室を開ける日の最低限のシフト、研修中の給与、教室長の給与は、生徒が少ない月も出ていきます。

例えば、生徒がまだ数人しかいない月でも、教室を開ける曜日ごとに講師を置けば、授業が入っていない時間の給与も払います。学生の講師が卒業する時期には、募集の広告と面接と研修をやり直すこともあります。

ただし、講師を雇う形にも強みはあります。生徒が順調に集まり、講師1人あたりの授業が埋まってくれば、売上に対する人件費の割合は下がっていきます。軌道に乗った教室では、手元に残る割合を上げる余地がある形です。

売上に関係なく、決まった額を本部に払う形もあります

ロイヤリティは、本部の看板や仕組みを使う対価として加盟校が毎月払うお金で、売上の割合で払う形と、毎月決まった額を払う形があります。割合で払う形でも、売上が少ない月の下限として最低ロイヤリティを決めている本部があり、教材やシステムの利用料を定額で払う形もあります。

例えば、定額のシステム料と家賃を払う形で、生徒がまだ数人の月を考えると、売上の大半がこの2つに消えます。同じ定額でも、生徒が多い月には軽く感じるため、開業の直後と軌道に乗った後とでは受け止め方が変わります。

ただし、売上の割合だけで払う形が、いつも得になるとは限りません。生徒が増えるほど本部への支払いも増えるので、生徒が多くなった月に負担を重く感じるのはこちらの形です。どちらが合うかは、何人の生徒をどれくらいの早さで集められるかで変わります。

自分で生徒を集める場合、広告費は問い合わせが来る前に払います

チラシやWeb広告の費用は、問い合わせが来る前に払い、問い合わせが少なかった月も戻りません。塾は、問い合わせから面談を経て入会が決まるまでに時間がかかるため、そのあいだの広告費を誰がいつ払うかで、立ち上がりの赤字の深さが変わります。

例えば、開業の前の月に広告を出し、問い合わせが翌月、入会がその次の月に決まると考えると、売上が立たない月にも広告費を払い続けることになります。開業の直後は教室の名前が知られていないため、紹介や口コミより広告に頼る割合が大きくなります。

ただし、集客を本部が引き受ける形でも、費用がなくなるわけではありません。先に払う広告費の代わりに、毎月の支払いに上乗せされる形もあります。比べるときは、広告費を払う時期と、その費用が生徒の数に合わせて増えるかどうかを確かめます。

見分けるには、生徒0人・5人・16人の月に手元へ残る額を並べます

生徒0人・5人・16人の月で、それぞれ手元に残る額を比べる手順

本部の資料にある「黒字になる生徒の数」や「うまくいった月の収入」だけでは、儲からない形かどうかは判断できません。この記事が提案するのは、生徒の数が違う月を並べ、それぞれの月に手元へいくら残るかを、同じ式で計算することです。

0人の月は最悪の出費を、5人と16人の月は立ち上がりと天井を示します

生徒0人の月は、開業した直後や、生徒が集まらなかったときの姿です。本部への定額の支払い、給与、家賃、広告費を足した額が、生徒がいなくても出ていくお金になります。5人の月は立ち上がりの時期に黒字か赤字かを、16人の月は売上の割合で払う費用がどれくらい重くなるかを示します。

例えば、0人の月に出ていく額で手元の運転資金を割ると、生徒が集まらなくても何か月続けられるかが分かります。うまくいった月の数字を何度見比べても、この月数は出てきません。

ただし、5人・16人は比べるための例です。自分の地域で無理なく見込める人数に置きかえ、少なめの人数でも計算してください。

本部が示す試算は、前提を聞いたうえで受け取ります

本部が予想の売上や収益を示す場合は、根拠ある事実や合理的な算定方法にもとづき、その根拠を加盟希望者に示す必要があるとされています。モデルケースの収益を示すときも、予想の売上ではないことが分かるように示す必要があります。公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(2021年4月改正)で確かめられます。

例えば、「在籍16人で月◯万円」と示されたら、月謝、固定費、集客の費用をいくらと置いたか、16人に届くまでの月をどう計算したかを聞きます。答えが具体的なほど、自分の条件に置きかえやすくなります。

ただし、前提が丁寧に書かれた試算でも、収支を保証するものではありません。実際の収支は地域・物件・入会の状況で変わります。

加盟の前に、0人の月を計算するための数字を本部に聞きます

塾のフランチャイズに加盟する前に、本部へ聞くこと

計算に要る数字は、本部の資料だけではそろわないことがあります。次の項目は、個別説明会や面談で直接確かめられます。

  • 生徒0人の月の本部への支払い:最低ロイヤリティや、定額のシステム料・教材費があるかを確かめます。
  • 黒字になる生徒の数の前提:月謝、固定費、集客の費用をいくらと置いているかを聞きます。
  • 広告費を払う人と時期:自分で先に払うのか、本部が出して毎月の支払いに含めるのかを確かめます。
  • 講師の採用と給与を持つ人:募集・研修・シフト管理の手間まで含めて聞きます。
  • オーナーが教室にいる時間:教室長として毎日立つ前提かを確かめます。本業を続けたい場合は特に大切です。
  • 契約書と開示資料:契約期間や中途解約の扱いを、契約の前に受け取って家族と読みます。

「計算の仕方は分かったけれど、家賃をいくらと置けばよいのか、自分の地域で何人集まりそうかが分からない」。数字を入れる段階で手が止まるのは、物件や地域の条件で答えが変わるためです。比べる本部を決めていない段階でも、計算の前提は確かめられます。

個別説明会で確かめられること

  • ご自身の条件での収支の試算を、その場でお出しします。
  • ご検討の地域の問い合わせの件数をお伝えします。
  • 資金の集め方を、調達・融資・分割を含めて、手元の状況に合わせて一緒に考えます。

マナビライトの個別説明会は、オンラインで30〜60分です。お一人でも、ご家族とご一緒でも受けられます。試算は保証するものではありません。実際の収支は地域・物件・入会の状況で変わります。問い合わせの件数も地域によって差があり、生徒数を保証するものではありません。

講師を置かない形に当てはめても、生徒0人の月には固定費が残ります

例として、教室に講師を置かずに運営するマナビライトの加盟の条件を、同じ見方で並べます。以下は2026年10月時点の募集ページの内容で、最新の条件は個別説明会でご案内します。

見るところ一般的な学習塾FCマナビライト
講師加盟校が採用し、育成とシフト管理も行います採用しません。全国7,271人の応募から選んだ本部の先生(2026年10月2日時点)が1対1で教えます
生徒がいない月の本部への支払いFCによっては、定額のロイヤリティやシステム料がかかります0円です。毎月の支払いは、すべて売上に対する割合です
生徒が増えた月の本部への支払い定額の形なら、生徒が増えても大きくは増えません売上に対する割合なので、生徒が増えるほど増えます
集客加盟校が自分で集め、広告費は先に払います自分で集めるか、集客代行(マナビライトの売上全体の20%・広告費の先払いなし)を選べます
黒字になる生徒の数8〜30名ほど(公表例)自分で集めれば3人から、本部にまかせても5人からです

一般的な学習塾FCの欄は、各社のFC募集ページとFC比較サイトの公開値をまとめたものです(2026年9月時点)。黒字になる生徒の数は公表している社の例で、そのほかの行は一般的な形のため、社によって異なります。マナビライトの数字は月謝10万円・教室を持つ場合のモデルケースで、教室型の加盟校の実績はまだなく、収益を保証するものではありません。

生徒0人の月は、本部への支払いが0円でも固定費の月20万円が出ていきます

募集ページの試算では、教室を持つ場合の固定費を月20万円(家賃15万円・雑費5万円の想定)と置いています。生徒がいない月は本部への支払いが0円でも、この固定費の月20万円はそのまま出ていきます。間借りで場所代がかからない場合は、家賃はかかりません。間借りできるのは、今の教室のほか、事務所の空き部屋やご自身の持ち物件など自宅とは別の場所で、自宅の一室では開業できません。使用料を払って人の教室を借りる場合は、家賃15万円の所がその使用料に代わります。

例えば、すでに習い事の教室や事務所を持ち、空いている時間帯に部屋を使えるなら、0人の月に増える出費を小さくできます。新しく教室を借りる場合は、黒字になるまでの家賃を運転資金として別に用意します。

ただし、講師を雇わないことは、教室に人がいなくてよいという意味ではありません。教室を開けている間は、オーナーご自身かスタッフが1人いる必要があります。スタッフを置く場合は、その費用が試算の固定費とは別にかかります。

生徒が増えると手元も増えますが、本部への支払いも同じ割合で増えます

同じ試算で、月に手元へ残る額は、在籍5人なら自分で集めて+14万円、本部におまかせで+4万円です。在籍16人なら、自分で集めて+88.8万円、おまかせで+56.8万円です。前提は、月謝10万円(税別)、教室を持つ場合の固定費 月20万円、教師への指導料 売上の20%、ロイヤリティ12%で、集客を本部におまかせの場合は+20%です。税金と借入の返済は含みません。モデルケースで、収益を保証するものではありません。実際の収支は地域・物件・入会の状況で変わります。

例えば、在籍16人の月の、自分で集める場合とおまかせの場合の差は、集客代行の20%の分です。集客代行の20%は、申し込んだ加盟校のマナビライトの売上全体(受講料・入会金・講習費・教材費。自分で集めた生徒の分も含む)にかかるため、生徒が増えるほど支払いの額も大きくなります。今の塾でご自身が教えている授業の売上にはかかりません。集客代行を選ぶと、本部が出した広告に届いた相談が、配分のルールに沿って加盟校へ渡されます(紹介先はご相談の方のお住まいの都道府県で決めます)。渡す件数は加盟校ごとに月単位で決まり、生徒数の保証はありません。

ただし、生徒が集まるかどうかは、オーナーの仕事にかかっています。入会までの面談(営業)と、入会後のご家庭への対応(CS)は加盟校が行い、集客は自分で集めるか、集客代行を選ぶかを決めます。ご家庭との面談は、オーナーご自身でも、雇ったスタッフに任せてもかまいません。任せる場合は、そのスタッフにもオーナーと同じ研修を修了してもらいます。本部が代わりに面談することはなく、入会が決まらなければ売上は立ちません。費用と条件の全体は加盟オーナー募集のページで確かめられます。

儲からないと聞いて迷っている方の疑問に、一つずつ答えます

塾のフランチャイズで失敗する人は、どれくらいいますか?

塾のフランチャイズに絞って、失敗や廃業の割合を示した公的な統計は見つかりませんでした。業種を問わない数字では、先の日本政策金融公庫の調査で、調査時点の採算が「赤字基調」と答えたのが33.0%です。融資を受けた開業1年以内の企業が対象で、赤字基調は廃業や失敗の割合ではありません。

例えば、失敗の割合を探し続けるより、生徒0人の月に出ていく額と、手元の資金で何か月続けられるかを計算するほうが、自分の判断には役立ちます。

個人で塾を開くのと、フランチャイズでは、どちらが儲かりますか?

同じ生徒数なら、本部への支払いがない個人の塾のほうが、売上のうち手元に残る割合は高くなりやすいです。その代わり、教える人の確保、教材、集客、ご家庭への説明の進め方を、すべて自分で用意します。

例えば、自分で授業に立てる場合と、教えた経験がなく講師を雇う場合とでは、個人の塾でも費用のかかり方が違います。比べるときは同じ生徒数の月で、自分が使う時間も含めて手元を比べてください。

生徒が集まらなかったら、どうなりますか?

形によって、出ていくお金が変わります。定額の支払いや講師の給与がある形では、生徒が少なくてもそれらを払い続けます。売上の割合だけで払う形なら本部への支払いは減りますが、家賃などの固定費は残ります。

例えば、今の教室や事務所の空き部屋に間借りできれば、家賃の負担を小さくできます。どの形でも生徒の数は保証されないため、手元の資金で何か月続けられるかを、加盟の前に計算しておくと安全です。

定額の支払いがある本部は、避けたほうがよいですか?

定額があるというだけでは、避ける理由になりません。定額の支払いがある代わりに売上の割合が低い本部もあり、生徒が早く集まる見込みがあれば、手元に残る額が大きくなることもあります。

例えば、地域で名前が知られた教室をすでに持っていて、開業してすぐ生徒が集まりそうな場合と、ゼロから始める場合とでは、合う形が違います。見込みの人数を少なめに置いても、生徒0人の月を乗り切れるかを確かめてください。

「儲からない」かどうかは、生徒0人の月の数字から確かめましょう

塾のフランチャイズが儲からないと言われるのは、生徒が集まる前から決まって出ていくお金が大きい形があるためです。講師の費用、定額の支払い、先に払う広告費のどれが大きいかは本部によって違うため、評判より先に、生徒0人の月に出ていく額を比べます。

失敗しやすいのは、「儲からない」という評判だけで候補から外したり、反対に黒字になる人数が少ないことだけで決めたりすることです。どちらも、0人の月に出ていく額と、手元の資金で何か月続けられるかを確かめないまま判断しています。

今の段階で、加盟する本部を一つに絞る必要はありません。比べている本部ごとに、生徒0人・5人・16人の月の手元を書き出し、分からない欄に印を付けてください。家族に話すときは、一番支払いが重い月の数字を先に見せると、話がかみ合います。

印を付けた欄は、個別説明会で確かめられます。マナビライトの個別説明会では、その場でご自身の条件に合わせた収支の試算をお出しし、資金の集め方もご一緒に考えます。試算は保証するものではありません。実際の収支は地域・物件・入会の状況で変わります。

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