大学受験での数学の勉強法とは?

「数学は受験に使いやすいでしょうか? いま私立文系を目指しているのですが、もし使いやすいとなったら、頑張って国公立受験を目指そうと思っています。」

高2 むらせ (私立文系志望)

大学受験数学の勉強法と受験科目としての使いやすさ

今回は質問者のむらせさんから大学受験数学の勉強法についての質問をいただきました。また受験科目として数学が使いやすいかどうかについても知りたいということでおすすめの参考書を交えつつ、数学の勉強法と受験科目としての使いやすさについて解説していきます。

  • 「定期テストで平均点またはそれ以下しか取れなくて悩んでいる」
  • 「定期テストで8割以上を目指したい」
  • 「文系でできれば数学受験をしたいけど国公立大学や私立大学で数学は使いやすいのかを知りたい」

数学の勉強法は暗記?

数学の勉強法は暗記?というのは半分正解で正しくは理解して暗記するのが正解だと考えます。よく解法暗記と言ったりしますが、学校で配られた問題集や定期テストなどは解法暗記の段階のものです。学生さんの大半はこの解法暗記の段階で理解できずにつまづいています。理解しなければならないところや暗記するしかないところなどしっかり区別できていない学生さんが多い印象です。確かに問題を丸暗記して定期テストは乗り越えられるかもしれませんが、模試などになると理解の部分が不足しているが故に解けないという事態に陥ります。よって理解の部分と暗記の部分をしっかり区別して解法暗記をしなければならないので学校の先生や塾の先生のアドバイス、または講義系の参考書を読んで理解するといった方法を取り入れる必要があります。

数学の具体的な勉強法とおすすめの参考書

まずは暗記する前に理解をしなければなりません。理解については学校や塾の先生に聞いたり、講義系の参考書で勉強したりする方法があります。

例えば、学校や塾で理解を深める場合にやって欲しいことは予習です。まずは教科書の説明を読むだけでも良いのでやってみてください。そうすることで読んで理解できた部分と理解できなかった部分が出てきます。ここで、理解できなかった部分のみを授業で聞き逃さないように注意すれば、全てを理解したことになるわけです。仮に、予習をしていない場合、先生が喋ることの全てを初めての内容として聞かないといけないので、理解するのが大変になり、消化不良を起こしてどこが理解できていないのか分からなくなってしまいます。

他には、講義系の参考書についてですが、坂田アキラ先生の面白いほどわかるシリーズをオススメします。この参考書は計算過程も丁寧に書いてあるので自学自習の手助けになります。ただし、丁寧に書いてあるから問題の難易度も易しいというわけではありません。中には難しい問題も含まれているので注意が必要です。

次に、暗記の部分ですが、ここでは様々な分岐点が存在します。それはどの参考書を使うかで変わってきます。例えば『青チャート』を使うとしましょう。
『青チャート』は数学IA II B全部合わせると例題だけで770問ほどあります。確かに、網羅性はありますが、特に文系の学生にとって、限られた時間の中でこの分量は多すぎます。そこで、私がおすすめするのが『基礎問題精講/旺文社』です。数学IA II B全部合わせると例題だけで321問なので『青チャート』の半分以下の分量で済みます。また問題レベルも基礎に絞られているので誰もがこの問題集をできるようにすることで基礎を身につけることができます。仮に、難関大学を志望する場合は『基礎問題精講』の次にもうワンランク上の問題集に取り組めばいいので、まずは基礎を完璧にする問題集に取り組むことが大切です。

さて、問題集が決まればあとは問題に取り組んでいくわけですが、まず一周目は分からない問題をゼロにする作業をしてください。解説を見て全ての意味がちゃんと理解できるまで先生に聞くなり友達に聞くなりしてゼロにしていきましょう。
二周目以降は問題を見て解法が頭に浮かぶようになるまで演習を繰り返しましょう。何周するべきかは個人差があるので一概には言えませんが、最低でも3周はしてください。これで基礎は完璧に仕上がります。

受験科目として数学は使いやすい?

さて、勉強法については理解できましたが、文系学部の受験で「数学は使いやすいのか?」について解説します。

文系の場合、私立大学志望の方は国語と英語は必須で、社会か数学の選択で悩むケースが多いと思います。また、国公立大学を考えている場合は共通テストの数学を受ける必要があるので、「点数を取りやすいのか?」ということを考えなければなりません。

まず、私立大学の場合から解説します。社会は点数が安定しやすい反面、高得点は狙いにくいです。一方、数学は高得点は狙いやすいですが、失敗するリスクも高いです。

では、どちらを選ぶかについてですが、上記の特徴を踏まえた上で、苦手意識があったり勉強するのがしんどいと思う教科を避けるべきだと考えています。私立大学受験は何回も受けるチャンスがあるので実力通りの結果が出ます。使いやすいかどうかというよりは勉強して苦にならない方を選んでください。そうすれば知識を吸収しやすいので実力も上がりやすいです。

次に、国公立大学の場合、共通テストの数学は点数を取りやすいかどうかについてです。私は、以前のセンター試験の時よりも取りにくいと考えています。とにかく分量が増えたので、問題を素早く処理できなければ高得点を取ることはできません。また、今の共通テストの形式の問題集は多くないので十分な練習量を確保することができません。

以上のことをまとめると、使えるかどうかで言えば私立大学は使いやすく、共通テストは使いにくいと考えます。

勉強する際におすすめの参考書はありますか?

高校一年生や高校二年生の段階であれば『基礎問題精講/旺文社』、高校三年生で時間に制限がある場合はもう少しコンパクトな『文系の数学: 重要事項完全習得編/河合出版』がおすすめです。

いつから勉強を始めるのがいいですか?

高校一年生の段階から少しずつ始めましょう。まずは定期テストの高得点を目標にして解法暗記をしてください。そうすれば高校三年生の段階で基礎は出来上がっているので入試対策に取り組む事ができます。

どの順番で攻略していくといいですか?

数学Aや数学Bは独立した単元が多いので数学Iと数学IIをまず理解しましょう。理系の方で数学IIIを扱う方は数学Bのベクトルと数列もしっかり理解しておくとスムーズに数学IIIへ移れます。

どのくらいのペースで勉強するといいですか?

『基礎問題精講』をベースで考えると高校三年生になるまでに数学I A
IIBの問題集は完璧にしたいところです。よって数学IA154問は高校一年生で、数学 IIB167問は高校二年生で終えるようにしましょう。

参考書問題集を進めて分からなかったところはどうすればいいですか?

分からない箇所を明確(この行からこの行の式変形が分からないなど)にして付箋を貼ってできるだけ早く先生や友達に聞いてみましょう。
もし、聞く人がいなくて困っている場合は他の参考書から類似問題を探して理解するという方法もありますが時間効率が悪いので聞ける環境を整えておくことが大事です。

知識として暗記する場所はどこですか?

数学の公式には簡単に導ける公式とそうでないものがあります。三角関数は比較的導ける公式が沢山あるのでできるだけ導けるようにして微分の公式は導くのが大変なのでそういった公式は覚えるなどして暗記事項をできるだけ少なくし、理解して導けるようにすることが大事です。

先生に質問するとしたらどこをどのように質問するのが良いですか?

何が分からなくて問題につまづいているのかを明確にして質問するようにしましょう。やっている参考書が適切であるならば最初から最後まで全部分からないということは起こらないはずなので理解できている部分とそうでない部分を分けて分からない部分を質問すると先生もちゃんと勉強してると安心できます。

数学ができたという基準は?

私がおすすめしている参考書『基礎問題精講』が完璧にできる状態であるかどうかを基準にしています。その他学校で配られた問題集が4ステップやサクシードなど難易度高めの問題集を扱っている学校の定期テストで8割以上取れている方は基礎が出来上がっています。よく模試で偏差値はどのくらいと聞かれますが、たった一回の模試では判断できないので判断基準には入れていません。基礎の判断基準に不安がある方はオンライン指導の無料体験で相談してみてください。

大学受験での数学の勉強法のポイントを確認して、志望校に合格しよう!

各問題の◯×を押して、答えてみてくださいね!

「数学は問題を丸暗記するべきだ」

F

必ず理解の段階を踏んでください。定期テストは乗り越えられるかもしれませんが、模試などは解けないという事態に陥ります。

「定期テストで8割以上取りたいなら問題集は一周で十分である」

F

一周目は理解する作業の段階で暗記には移れていないので個人差はありますが最低三周はするべきです。

「数学受験か社会受験のどちらを選択するかは苦手意識がない教科を選ぶべきだ」

T

使いやすいかどうかよりは自分が長い時間を掛けて勉強をするのに苦にならないものを選ぶ方が実力は上がります。

数学の勉強法に不安がある人へ

さて、ここまで数学の勉強法と受験科目として数学は使いやすいのかについて解説をしてきました。今回は『基礎問題精講』を例に解説しましたが、自分の使っている参考書はどうなのか、また勉強してるけど中々結果に結びつかない方も沢山いらっしゃると思います。まずは誰かに質問できる環境を整えるようにしてください。
もし、この記事を見て私に相談したいと思った方は、ぜひオンライン指導の無料体験を活用してください。他にも良い参考書は沢山あります。あなたに合った参考書を提案しますので是非こちらからお問い合わせください。宜しくお願いします。

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