「慶應義塾大学法学部を推薦で目指したいけれど、FIT入試のA方式とB方式は何が違うのか」「活動実績と評定のどちらから準備すればよいのか」。調べるほど条件が混ざり、最初の一歩が決められなくなることもあるでしょう。ここでは、出願できるかの確認と、選考に向けて力を伸ばす準備を分けて整理します。
最初に大切なお知らせがあります。2027年度入学のFIT入試はA・B方式ですが、2028年度入学からは両方式を統合する変更が公表されています。同じ高校生でも、入学する年度によって確認すべき条件が変わります。古い記事の評定や地域区分を、そのまま自分に当てはめないでください。
この記事では、2026年10月17日に確認した公式情報を基に、2027年度の出願条件、必要書類、日程、論述・口頭試問・面接の違いを解説します。そのうえで、活動の経験を法律学・政治学の問いへ変える方法や、講義を聞いて書く練習、資料から短く説明する練習を紹介します。
2027年度の出願受付と第2次選考はすでに終了しています。これから準備する人は、受験年度を確認しながら読み進めましょう。年度の変更点と、変更後にも役立つ基礎を整理すれば、評定、活動、文章、対話のうち、今何を優先するかを具体的に決められます。
慶應義塾大学 法学部の入試、何から始める?
慶應法学部の推薦を調べるなら、まず入学年度とFIT入試の位置づけを確認します
FIT入試は、自分で学びへの適性を示す選抜です

慶應義塾大学法学部のFIT入試は、自己推薦形式の入試です。「推薦」という言葉で検索していても、指定された高校から学校長の推薦を受ける制度と、FIT入試を同じ手続きとして扱わないようにしましょう。この記事で詳しく扱うのは、法律学科・政治学科のFIT入試です。
大学が求めているのは、肩書のある人だけではありません。主体的に学ぶ姿勢、社会の出来事を法律学や政治学の視点から考える基礎、筋道立てて考えて伝える力、多様な考え方を受け止める姿勢が示されています。活動実績の説明も、こうした学びへつながっているかを確かめたいところです。
例えば、生徒会で意見を集めた経験を使うなら、「役員を務めました」で終えず、意見が割れたときに何を確かめ、どのように判断したかを整理します。立派な言葉で大学の方針を言い換えるより、自分の行動を具体的に説明するほうが、読み手が確かめられる材料になります。
FIT入試の考え方と求める学生像は、法律学科の公式方針と政治学科の公式方針で確認できます。方針を読むときは、気になった言葉の横に「自分のどの経験で説明できるか」を書き添えましょう。
指定校推薦とFIT入試の準備を混ぜないことが大切です

法学部には指定高校による推薦入試もあります。ただし、指定校であるか、校内でいつ希望を受け付けるかなどは、在籍高校の進路指導担当に確認する内容です。FIT入試の公開要項にある条件を、そのまま指定校推薦の条件として扱うことはできません。
高校へ確認するときは、「慶應法学部への推薦制度の有無」「対象学科」「高校内の希望提出期限」「学校が説明できる選考条件」の順に整理します。学校が求める書類と大学へ出す書類は、提出先も締切も違う場合があるため、別の欄に記録してください。
指定校推薦も、評定の順位だけで学校の推薦が決まると考えるのは適切ではありません。条件を満たしたうえで、大学・学部での学びにどのように合うのかを説明する準備が必要です。FIT入試の自己推薦と学校からの推薦は、制度を区別しながら検討しましょう。
自分で確認すること
入学年度、希望学科、公開されたFIT入試の資格条件を整理します。
高校で確認すること
調査書の発行時期、評価書を依頼できる教員、指定校推薦の案内を確認します。
混ぜないこと
2027年度のA・B方式と、2028年度の統合後の条件を別々に記録します。
2028年度からA・B方式が統合されます。古い条件のまま準備しないでください
公表済みの変更点は、評定・外国語学習・選考方法です

2028年度の法学部FIT入試では、A方式とB方式を統合した新しい入試への変更が予告されています。公表内容には、高校全期間の調査書の提出、全体の学習成績の状況3.7以上、外国語学習を含むさまざまな活動に積極的に取り組んだことを、書類で示すという内容が含まれています。
選考は、第1次の書類選考と、第2次の模擬講義に基づく論述試験、総合考査、口頭試問で構成される予定です。従来のB方式の地域ブロック制は廃止されます。詳細な募集要項は2027年6月上旬の公表予定とされています。
変更の原文は、2028年度FIT入試の変更予告で確認できます。2027年度B方式の「指定教科も4.0以上」という条件と、統合後に公表された「全体3.7以上」を、同じ基準として読み替えないでください。
まだ決まっていない細部を、前年の数字で埋めないようにします
2028年度の試験時間、書類の詳しい様式、出願日程などを、2027年度と同じだと決めることはできません。変更予告で分かることと、募集要項の公表を待つことを分けておくと、不要な作り直しを減らせます。例えば、前年の用紙に清書するより、経験と学びたい問いを整理しておくほうが先です。
外国語学習に関する資料も、どの試験がどの条件で認められるかを、予告だけから補ってはいけません。「ある点数を取れば合格に近づく」と一律に決めるのではなく、学習を続け、受験や証明書発行に時間が必要な場合に備えましょう。認められる形式は、当該年度の正式な要項で確定させます。
制度変更を理由に、準備をすべて止める必要はありません。講義の内容を捉えて書く、初めて見る資料を整理する、反対意見を踏まえて話すといった基礎は、予告された選考内容にもつながります。条件の確認を待つ作業と、今日から積み上げられる力を分けましょう。
2027年度入学
A方式とB方式を分けて確認します。本文の各方式の条件・日程はこちらの年度です。
2028年度入学
統合の予告が出ています。全体3.7以上など、公表済みの変更を先に確認します。
これから共通して準備すること
学校の学習、外国語学習、社会への問い、読む・書く・話す練習を継続します。
慶應義塾大学 法学部の入試、何から始める?
2027年度A方式とB方式の違いは、出願資格と力を示す場面にあります
A方式は自己推薦、B方式は成績条件と評価書を確認します
2027年度A方式では、学業を含むさまざまな活動への積極的な取り組みと優れた実績などを、自分の資料で示します。B方式では、所定の学歴条件に加え、全体と指定教科の成績条件、教員等が作成する評価書が必要です。どちらも慶應義塾大学法学部を第一志望とし、合格した場合の入学を確約する条件があります。
最終的な選考では、第1次選考の評価と第2次選考の結果を合わせて判断します。書類選考を通過したら提出書類の評価が消える、とは考えないでください。
第2次選考も異なります。A方式は模擬講義を踏まえた論述試験と口頭試問、B方式は総合考査Ⅰ・Ⅱと面接です。「どちらも小論文と面接」とまとめると、講義を聞く練習や、資料を短くまとめる練習の違いが見えなくなります。
方式を選ぶ際は、まず出願条件を満たすかを確認します。そのあとで、自分が示せる経験と、今後補う必要がある力を見ます。「B方式は評定があれば安心」「A方式は活動があれば筆記は軽い」といった選び方をしないことが大切です。
法律学科と政治学科の併願はできません
2027年度FIT入試では、法律学科と政治学科の両方へ出願することはできません。一方、同じ学科についてA方式とB方式の両方を受験することは可能です。併願を考える前に、どちらの学科で学びたいかを、自分の問いから絞る必要があります。
A・B方式を併願する場合も、書類をすべて2組作るわけではありません。志願確認票は2部、共通する志願者調書や志望理由書などは各1部という扱いです。書類の組み方は2027年度FIT入試募集要項で確認し、方法を自分で変更しないようにしましょう。
両方式を出願する場合、同じ志望理由を基に異なる選考へ対応します。そのため、書類の説明と口頭での説明が食い違わないことも重要です。活動の見せ方を方式ごとに都合よく変えるのではなく、共通する事実を整理したうえで、問われる場面に合わせて説明します。
A方式
自己推薦書や活動の裏付けを整え、講義を聞いて論じる力と口頭で考える力を準備します。
B方式
全体・指定教科の成績と評価書を確認し、総合考査と面接に向けた準備を進めます。
両方式を検討する場合
同じ学科に限ります。書類の部数、試験日、準備の負担を分けて確認します。
法律学科か政治学科かは、将来の職業名だけで決めないようにします
法律学科は、ルールを使って問題を整理する問いへつなげます
法律学科は、社会の出来事を法的な視点で捉え、筋道立てて考え、問題解決の方向を示す力を育てることを目指しています。志望理由では「法律に興味があります」だけでなく、どのような問題で法律を学ぶ必要を感じたかを説明すると、学科とのつながりが明確になります。
例えば、学校で撮った写真をどこまで共有してよいかに関心があるなら、「便利だから共有する」「嫌がる人がいるから禁止する」の二択で止めません。誰のどの利益が関わるか、どの範囲なら目的を達成できるか、意見を確かめる手続きがあるか、と問いを分けてみます。
この段階で、法律の結論を専門家のように言い切る必要はありません。条文名をたくさん書くより、自分の経験だけでは判断できない点を明らかにするほうが、大学で学ぶ必要性を示しやすくなります。実際の法律を説明する際は、現行の法令や信頼できる解説で確認しましょう。
法律学科を志望する文章で、特定の職業に就きたいという希望を書くことはできます。ただし、その職業への憧れと、法律学を学ぶ理由は別の説明です。職業名を一度外しても「何を理解したいか」が残るかを確かめてみてください。
政治学科は、社会全体の決め方や関係へ問いを広げます
政治学科の教育目標は、政治家や公務員の養成だけに限られていません。個別の出来事を社会全体との関係で考えることを重視しています。政治に関わる仕事がまだ決まっていなくても、関心のある出来事から、社会の決め方や人々の関係へ問いを広げられます。
例えば、文化祭で教室の使い方を決める場面を考えてみましょう。限られた場所を誰にどう配るか、声の大きい団体だけが有利にならないか、参加しにくい人の意見をどう扱うかという問いが出てきます。それを社会の制度や組織の判断と比較して考えることが、学びへの入口になります。
ただし、学校内の経験をそのまま国の政治と同じだと扱わないことも大切です。人数、責任、使えるお金、決定の影響が異なります。「共通して考えられる点」と「そのまま当てはめられない点」を分けると、自分の経験を広げながら慎重に考えられます。
学科選びで迷ったら、同じ題材について法律学寄りの問いと政治学寄りの問いをそれぞれ書きます。写真の共有なら、権利やルールの解釈を深めたいのか、組織がルールを決める過程や参加の偏りを深めたいのかを比べましょう。両方に関心があっても、最も深く学びたい問いを軸にします。
「慶應だから」から「この学びが必要だから」へ進めます
大学の知名度、雰囲気、キャンパスへの好感は、志望のきっかけになり得ます。しかし、それだけでは、法律学科・政治学科を選ぶ説明にはなりません。大学の公式な教育内容を読み、今の問いを深めるために必要な学びを探してみましょう。
例えば、複数の立場を比べて考える力を伸ばしたいなら、講義で基礎を学ぶことに加え、演習で他者と意見を交わす学び方に注目できます。科目名を並べるだけでなく、「その学び方で、自分のどの弱さを補いたいか」まで書くと、学習計画になります。
教員名や授業名を使う場合は、その年度に公開されている情報を確認してください。名前だけを借りて、自分がまだ読んでいない研究を深く理解したように書くことは避けます。知らない点を残したままでも、何を調べたいかが明確なら、学びへの姿勢を説明できます。
FIT入試 A方式<法律学科・政治学科>の出願条件と対策
学歴条件、第一志望、活動の条件を順に確認します
2027年度A方式には、高校等の卒業・卒業見込みに加え、外国の学校教育や高等学校卒業程度認定試験などに関する資格区分があります。該当する区分によって、年齢や修了時期、必要な証明書が異なります。自分の学歴に当てはまる項目を、募集要項の出願資格で確認してください。
活動の条件には、外国語、文化・芸術、スポーツ、リーダーシップ、ボランティア、国際的な活動、学業などの例が挙げられています。特定の活動名だけが唯一の入口ではありません。学校での学習を含めて、自分が力を注いできた取り組みを振り返りましょう。
大切なのは、活動名を条件の例に当てはめただけで出願可能と断定しないことです。「参加したこと」と「積極的に取り組み、優れた実績を示すこと」は同じではありません。何を行い、どのような成果があり、その成果を何で確かめられるかを整理します。
A方式に数値の評定条件がないことと、成績が不要なことは違います
2027年度A方式では、B方式のような全体・指定教科4.0以上という数値条件は設けられていません。ただし、調査書等は提出書類に含まれます。成績を「参考程度だから気にしなくてよい」と扱うことはできません。
評定の準備では、活動との両立を考える必要があります。例えば、行事の準備期間に提出物が遅れやすいなら、行事の予定と課題の期限を同じカレンダーに書きます。活動で得た経験を語る一方で、学校の学習を続ける仕組みも自分で整えることが大切です。
成績に課題がある場合は、言い訳を整えるより、どの教科の何が理解できていないかを具体的にします。授業ノート、答案、先生からのコメントを使って、覚え直す内容と説明できるようにする内容を分けて取り組みましょう。過去の評価を変えることはできなくても、その後の学習の進め方は見直せます。
実績の大小だけでなく、自分の役割を説明できるかを確かめます
団体で取り組んだ活動では、団体の受賞と自分の貢献を区別します。受賞結果を自分一人の成果のように書くと、事実関係が不明確になります。自分が担当した仕事、判断した場面、ほかの人に支えてもらった部分を分けて記録してください。
例えば、地域の催しに参加したなら、主催者が決めた内容と自分が提案した内容を分けます。参加人数を増やす案を出したのか、当日の案内を担当したのか、参加後の意見を整理したのかでは、説明できる取り組みが違います。大きく見せるより、具体的に示す準備を優先しましょう。
結果が思うように出なかった経験にも、考え直した過程を説明する材料はあります。ただし、出願資格に関わる実績の確認を、努力の感想だけで置き換えることはできません。条件の確認と、経験から何を学んだかの説明は、両方を用意します。
学歴の確認
自分の資格区分、修了時期、必要な学校書類を確認します。
実績の確認
活動の名称、時期、自分の役割、成果、裏付け資料を対応させます。
学びへの接続
経験を通して残った問いと、法律学・政治学を学ぶ必要性を書きます。
A方式の自己推薦書は、活動一覧ではなく「取り組みと成果」を組み立てます
所定の書類に役割を分担させます
A方式では、志願確認票、志願者調書、志望理由書、自己推薦書、調査書等を準備します。志望理由書と自己推薦書は、同じ文章を繰り返すための書類ではありません。前者では学科を選ぶ理由と将来における学びの意味、後者では顕著な取り組みや成果と、学びを経た社会への貢献を整理します。
まず、すべての書類へ書きたい内容を一枚のメモに集めます。そのうえで、「活動の事実」「考え方が変わった場面」「大学で学びたいこと」「将来の方向」を分けます。用紙ごとにゼロから書き始めるより、重複と食い違いを確認しやすくなります。
自己推薦書の所定様式は2027年度A方式の自己推薦書で確認できます。自由に表現する欄があっても、何を書いてもよいという意味ではありません。求められた内容が、読み手に探させず伝わる形を目指します。
「問題・判断・行動・結果・残った問い」で経験を整理します
準備の段階では、活動を五つに分けてメモすると書きやすくなります。最初に何が問題だったか、何を基準に判断したか、どんな行動を取ったか、どんな結果になったか、さらに何が分からなくなったかです。この順序は、大学が定めた採点基準ではなく、事実を整理するための方法です。
例えば、参加者から意見を集める活動なら、単に「アンケートを取りました」で終えません。なぜその質問が必要だったのか、回答しない人がいることをどう考えたか、結果を誰へどう伝えたかを確認します。使った方法に弱い部分があったなら、その限界も整理しておきます。
結果を説明するときは、確かめられる範囲を守ります。参加者の感想が良かったことを、地域全体の問題を解決したことへ広げないようにしましょう。小さくても確かな成果と、まだ残る課題を分けると、次に学びたいことへのつながりが自然になります。
別添資料は、読み手が事実を確かめられるように選びます
A方式の別添資料は、A4片面5枚以内です。活動実績や外国語等の学力を示す場合、公的機関が発行した資料の添付がなければ評価対象にならないとされています。写真や感想文を増やすだけで、必要な証明を補えるわけではありません。
資料を選ぶときは、自己推薦書の各主張の横に、裏付ける資料番号を書きます。「受賞」「資格」「参加」「自分の役割」のうち、その資料で何が確認できるかを確かめてください。証明書に団体名しかないなら、自分の役割まで証明しているとは限りません。
コンテストなどの実績を示す際には、全国・都道府県・地区などの範囲や、全体の参加人数・団体数、自分の順位を明確にするよう求められています。大会名が有名かどうかに頼らず、実績の位置づけが分かる資料にします。確認できない人数を推測で書くことは避けましょう。
限られた枚数では、見栄えより確認しやすさを優先します。小さな文字で資料を詰め込んだり、一枚へ過度に縮小したりすると、証拠としての読みやすさが失われます。原本・コピー・余白・資料番号について、要項の指定に従って組み立ててください。
書類を作る順序
活動の事実を整理し、志望理由とのつながりを確認してから、所定用紙へまとめます。
資料を選ぶ基準
その資料で何が証明できるかを一文で説明できるものを選びます。
最後の確認
本文の年月・役割・成果と、証明資料の記載が一致しているかを確認します。
外国語の証明は、点数だけでなく提出形式まで早めに確認します
英検の「合格証書」と「合格証明書」は別の書類です
2027年度A方式で英検の結果を示す場合、所定の合格証明書または英検CSEスコア証明書の原本を提出する扱いです。合格証書や個人成績表、デジタル証明書を、同じものとして提出しないでください。名前が似た書類を取り違えないことが、出願準備の重要な確認点です。
資格を取得した日と、大学へ提出できる証明書が手元に届く日は同じではありません。学習計画を作るときは、試験を受ける日だけでなく、結果の発表、証明書の発行、郵送の準備まで入れましょう。締切直前に取得方法を調べると、選べる手続きが限られます。
資格のスコアを上げる学習と、書類を整える作業は別に管理します。英語の学習担当者に相談する内容と、学校の進路担当者に確認する内容を分けると、誰に聞けばよいかが明確になります。提出方法に関する不明点は、推測で処理せず、公式の案内に戻って確かめます。
自宅受験や一部技能の再受験が認められるとは限りません
2027年度A方式の証明書には、試験実施機関が指定した会場で受けた形式という条件があります。TOEFL iBT Home Edition、IELTS Online、IELTS Indicatorの結果は受け付けず、IELTS One Skill Retakeも認めないとされています。同じ名称の試験でも、形式まで確認が必要です。
外国語の資格を使う予定がある人は、申し込み前に「正式名称」「受験形式」「結果の通知方法」「大学への提出方法」を一組で確認しましょう。点数が取れてから、希望した形式が対象外だと分かるのは避けたいところです。2028年度以降は、その年度の指定を改めて確認します。
母語の能力検定試験は評価対象にしないという注意もあります。自分の言語背景に関わる条件を見落とさず、学習してきた外国語をどの資料で示すかを考えましょう。資格名だけを並べて、すべてが評価対象になると判断しないことが重要です。
電子直送を選んでも、本人が用意する説明書類が残ります
TOEFL iBTとIELTS Academic Moduleでは、所定の電子直送を利用できます。ただし、直送を依頼すれば、紙で出す関連書類がすべて不要になるわけではありません。資料番号などを記した紙、送付手続きの完了が分かる画面のコピー、本人用スコアのコピーを準備する指定があります。
電子直送する証明書自体は、別添資料の上限に含まれます。一方、電子直送の内容を説明する所定の紙は、その5枚に含めないという区別があります。枚数を数える際は、証明書と説明用紙を分けて一覧にしてください。
提出先のコードや選択項目は、要項の指定をそのまま照合します。別の学部や別制度へ送った経験があっても、同じだと決めないようにしましょう。手続き完了の記録を残し、書類の締切から逆算して余裕を持って進めます。
A方式の論述試験は、講義を聞いて考え方を使う練習が重要です
2027年度は模擬講義50分と論述45分です
2027年度A方式の第2次選考では、模擬講義を聴いたうえで論述します。講義は50分、論述は45分です。普段から得意な話題について用意した文章を書く練習だけでは、初めて聞く内容を整理して使う部分が抜けてしまいます。
まず、講義中の主張と、その主張を支える理由を分けてメモする練習をします。話されたことを一字一句追うより、「何を明らかにしたいのか」「どんな材料から考えているのか」「結論にどんな条件があるのか」を捉えましょう。メモは、あとで文章を作るための道具です。
聞き取れなかった言葉があっても、その箇所に止まり続けないようにします。分からないところに印を付け、次に続く説明から関係をつかみ直してください。知らない専門語を知っているように書くより、確認できた内容を正確に使うことを優先します。
2026年度の問題では、講義の方法を別の社会問題へ使うことが求められました
公表されている2026年度A方式の講義は、北朝鮮をどのように読み解くかという内容でした。論述では、講義で扱われた複数の調べ方を、別の社会問題へどう使うか、その方法の強みや課題を考えることが求められています。単なる講義の要約だけでは完結しない出題でした。
この過去問題から考えられる準備は、「講義の内容を覚えること」と「そこで使われた考え方を取り出すこと」を分けて練習することです。例えば、複数の資料を組み合わせる話を聞いたなら、資料の名前だけでなく、それぞれが補う弱点を整理します。
そのうえで、別の題材に当てはめます。地域の交通について考えるなら、利用者への聞き取りだけで分かることと、利用状況の記録から分かることは同じではありません。どちらか一方を万能とせず、何を知るためにどの方法を組み合わせるかを説明する練習になります。
実際の出題内容は、2026年度A方式第2次選考の概要で確認できます。過去のテーマが次も出ると考えず、聞いた内容を新しい問題へ使う力に注目してください。
メモは「話題・理由・例・限界」に分けます
練習用の講義を聞く前に、紙を区切り、中心の話題、理由、具体例、限界を置く場所を決めておきます。慣れないうちは、そのまま書き取った言葉と、自分が考えたことを色や記号で分けると、講師の意見と自分の意見を混同しにくくなります。
聞き終えたら、メモを見ながら講義の中心を短く説明します。その際、講義中の例をすべて並べる必要はありません。結論に必要な例を選び、「この例は何を示すために出てきたか」まで言えるかを確認します。
次に、メモを閉じて、別の人へ口頭で説明します。途中で関係が分からなくなったところは、文章を書く際にもつまずきやすい部分です。録音して聞き直し、理由が抜けているか、例だけで終わっているかを調べると、直す場所が具体的になります。
45分の練習では、書き始める前に設問の条件を確認します
制限時間のある論述では、知っていることを急いで書き始めたくなります。しかし、「何について」「何を使って」「どの観点から」答えるかを確認しないまま書くと、文章が整っていても問いから外れます。設問の動詞に印を付け、説明・比較・提案などの指示を見分けましょう。
練習では、まず結論、根拠、具体例、考慮する課題を短く並べ、その後に文章化します。最初から完成した文章を頭の中で作ろうとするより、論点の順番を先に決めるほうが修正しやすくなります。時間の配分は練習結果に合わせて調整し、構成に時間を使いすぎないようにします。
書き終えたら、誤字だけでなく、問いの各条件に対応する文があるかを確認します。「講義を踏まえる」と指定されているのに自分の経験しか書いていない場合は、必要な材料が欠けています。講義の考え方と自分の題材が、どの一文でつながっているかを探してください。
聞く段階
中心の問い、理由、具体例、限界を分けてメモします。
構成する段階
設問の条件を確認し、講義のどの考え方を使うか決めます。
書いた後
主張と根拠のつながり、条件への回答、言い過ぎがないかを点検します。
講義型論述の復習
講義のどの考え方を答案に使ったか、指し示せるようにします。
次の練習
同じ考え方を別の社会問題に使い、強みと限界を説明します。
A方式の口頭試問は、暗記した自己紹介より、その場で考える応答を準備します
2027年度から冒頭の自己紹介は行われません
2027年度A方式では、口頭試問の冒頭に自己紹介を行わないと案内されています。以前の情報を基に長い自己紹介だけを練習している場合は、準備を見直してください。口頭試問は、おおむね15分で、提示されるテーマについて複数の教員とやり取りする形です。
2022年度からA方式では口頭試問が導入されています。古い集団討論の情報を、現在の形式として読まないことも重要です。年度の変更を確認したうえで、質問を聞き、問いに答え、その理由を説明する練習を中心に組み立てます。
自分の経験を話す練習が無駄になるわけではありません。ただし、質問に関係なく用意した話を始めるのは避けたいところです。問われた内容へ先に答え、必要な場合に自分の経験を根拠や比較として使う順序を身につけましょう。
「結論・理由・条件」で短く答え、質問に応じて深めます
口頭で考えを伝えるときは、最初の一文で問いへの答えを示します。続いて理由を説明し、必要なら、その結論が成り立つ条件や別の見方を付け加えます。長く話すことを目標にすると、質問と関係のない説明が増えやすくなります。
例えば、学校の施設を地域へ開く案について聞かれたら、「開くべきです」だけで終えず、どの時間、どの場所、誰が管理する条件なのかを考えます。反対する場合も、地域利用の価値を無視せず、何が整えば判断を変えられるかを示すと、考える道筋を説明できます。
質問の意味が取りにくい場合は、分からないまま答えを作るのではなく、論点を短く確認する練習もできます。「施設の利用を認める範囲についての質問として考えます」と、理解した範囲を示す方法です。ただし、確認ばかりで考える時間を延ばすことが目的にならないようにしましょう。
追加条件が出たら、理由を示して考えを更新します
口頭試問の練習では、一度答えたあとに条件を変えてもらいます。施設利用の話なら、管理する人が足りない場合、利用を希望する団体が重なる場合、費用の負担が偏る場合などです。これは実際の問題を予測するためではなく、理由と結論の関係を点検する練習です。
条件が変われば、答えを修正することも考えられます。その際は、「先ほどは管理者がいることを前提にしましたが、その条件がないなら、利用時間を限定する案を考えます」と、変えた理由を説明します。何が変わっても同じ結論を守ることだけが、一貫性ではありません。
一方で、質問されるたびに相手に合わせて意見を変えるのも違います。守りたい目的と、変更できる手段を分けましょう。安全を守る目的は保ちながら、利用の時間や場所を変えるという形なら、考えの中心を残して対応できます。
分からない知識を、もっともらしい言葉で埋めないようにします
法律や政治の話題では、専門用語を知っていると話しやすく感じるかもしれません。しかし、意味を説明できない言葉を増やすと、追加の質問に対応しにくくなります。練習では、使った専門語を中学生にも分かる言葉へ言い換えてみてください。
知らない制度や数値を聞かれた場合に、推測を事実のように答えるのは避けます。知っている部分と、確認が必要な部分を分け、その範囲で考える練習をしましょう。試問は知識だけでなく、限られた情報からどう考えて伝えるかを準備する機会でもあります。
口頭試問の録音を聞くときは、声の大きさだけを評価しません。質問への最初の答え、理由の説明、反対意見への応答、分からない点の扱いをそれぞれ確認します。印象の良さを整える前に、話の中身が質問に合っているかを確かめましょう。
受験年度による変更や、A・B方式の違いを確認しても、自分の経験をどのように学科の学びへつなぐかで迷う場合があります。現在の成績、活動記録、志望理由の下書き、論述の答案をまとめ、受験相談で次に整える内容を具体化しましょう。
- 受験年度と出願条件について、追加で確認する内容
- 経験から生まれた問いと、法律学科・政治学科の学びのつながり
- 書類・論述・口頭での応答に関する、次の準備の優先順位
FIT入試 B方式<法律学科・政治学科>の出願条件と対策
全体と指定された各教科を、別々に確認します
2027年度B方式は、全体の学習成績の状況4.0以上に加え、外国語、数学、国語、地理歴史、公民のそれぞれについて4.0以上が必要です。全体が4.0以上だから出願できるとは限りません。指定教科の一つが条件を下回っていないかを、高校の調査書の扱いに沿って確認します。
ここで見るのは、高校在学期間についての成績です。学年ごとにすべて4.0以上でなければならないという意味ではありません。通知表を自分で単純に平均し直すだけで判断せず、調査書のどの欄で確認するかを先生に相談しましょう。
二期制などで一部の教科の成績がまだ記載されない場合や、留学・転編入で記録が異なる場合には、条件を個別に確認する必要があります。成績の記載がない理由によって扱いが違うため、「空欄だから対象外」と自分で決めないことが大切です。
詳しい例外の扱いは、法学部FIT入試の公式FAQで確認できます。質問するときは、学校制度、記載のない教科、その理由、追加で発行できる書類をまとめると、必要な確認が明確になります。
高卒認定や海外の学校については、A方式と同じではありません
B方式には、A方式とは異なる学歴上の条件があります。高等学校卒業程度認定試験による資格などを、A方式と同じように扱うことはできません。また、外国の高校と、認定された在外教育施設は同じ区分ではありません。
高校で一部の単位が高卒認定試験の合格科目によって認定されている場合にも、B方式の資格に関わる注意があります。現在高校に在籍しているという情報だけで判断せず、単位の認定や調査書の内容まで確認してください。
既卒者でも、条件を満たせば検討できます。ただし、B方式では調査書の提出が必要です。卒業した高校へ、調査書の発行と、評価書を作成できる現在の教員について早めに相談しましょう。証明書の発行可否は、文章対策より先に確定したい内容です。
地域ブロックは住所ではなく、出身高校の所在地で決まります
2027年度B方式は、全国を七つの地域ブロックに分けて募集します。判定の基準は、原則として出身高校等の所在地です。自宅の住所や、出願時に住んでいる場所だけでブロックを選ぶものではありません。
一都三県の高校はⅢブロックです。ほかの地域についても、隣接している都道府県が同じ区分とは限らないため、公式一覧を使って確認します。「地方だから入りやすい」といった印象だけで方式を選ぶのは避けましょう。
各ブロックの人数に余裕があるように見えても、それだけで合格できるとは限りません。選考によって入学者が決まる点は変わりません。また、この地域ブロック制は2028年度の統合後には廃止される予告なので、受験年度を必ず併記して記録してください。
成績の確認
全体4.0以上と、指定された各教科4.0以上を別々に確認します。
学歴と書類の確認
資格区分、調査書の発行、留学・転編入などの個別条件を確認します。
地域の確認
2027年度は出身高校等の所在地で確認します。2028年度へそのまま引き継ぎません。
条件を確認した後
高校へ依頼する調査書と評価書の手順を整理します。
先生へ渡す材料
活動の記録、学習の取り組み、本人が担った役割をまとめます。
B方式の評価書は、先生に事実を伝える準備から始めます
B方式で準備する書類は、志願確認票、志願者調書、志望理由書、評価書、調査書です。A方式の自己推薦書を、B方式でも同じように提出するわけではありません。方式ごとの書類一覧を作り、学校に依頼するものと本人が作るものを分けます。
評価書を依頼できる相手と、提出方法が決まっています
2027年度B方式の評価書は、在学している、または卒業した高校等に現在在籍する教員か学校長に作成を依頼します。自分をよく知っている人なら誰でもよいわけではありません。以前教わった先生でも、その高校に現在在籍していない場合は条件を確認する必要があります。
提出できる評価書は1通で、所定用紙を使い、記入者の署名・捺印と厳封が必要です。複数の先生の評価書を出して説明を増やすことはできません。依頼する先生を決める前に、学校の進路指導の手順を確認しましょう。
書式は2027年度B方式の評価書で確認できます。評価書を書くのは教員等です。受験生が自分で推薦文を完成させ、先生の名前だけを借りるような準備にはしません。
先生には、活動の事実と学習の記録を整理して渡します
依頼するときは、締切だけを伝えるのではなく、受験する年度、学科、方式、学校内で必要な手続きを整理します。さらに、先生が確認できる活動の記録や、授業で取り組んだ内容をまとめておくと、事実関係を確認しやすくなります。
例えば、授業の発表で取り上げた問い、活動で担った役割、成果を示す資料、考え方が変わった出来事を短く記録します。先生が見ていなかった場面については、他の記録から確かめられることと、自分の振り返りを分けましょう。
「協調性があると書いてほしい」と評価を指定するより、意見が分かれた場面で何をしたかを伝えます。どのように評価するかは、先生が判断する内容です。自分の強みを説明する準備と、他者の評価を誘導することを混同しないようにしましょう。
志望理由書と評価書の内容が、事実の面で一致しているかを整えます
先生に渡すメモと自分の志望理由書で、活動の時期や役割が違っていないかを確認します。例えば、所属していた期間と、責任ある役職を担当した期間は別です。自分の記憶だけでまとめず、学校の記録や活動資料で確かめてください。
ただし、厳封された評価書を本人が開けて、文章をそろえるという意味ではありません。依頼前に事実を正確に整理し、必要な確認に答えられるようにしておくことが準備です。自分と先生が同じ表現を使う必要はありません。
評価書の依頼は、ほかの学校行事や業務がある先生の時間にも関わります。学校内の締切を早めに確認し、自分が用意する資料を先にそろえましょう。出願直前のお願いだけで完成させる計画は避けたいところです。
B方式の総合考査Ⅰは、資料の内容を正確につかんで短く論じます
2027年度は45分で、図表や文章などを基に考えます
B方式の総合考査Ⅰは45分で、図表、資料、法令や判例などを素材とした問題を通じて、筋道立てて考える力などを確かめる選考です。論述は400字程度とされています。長い文章を書けるだけでなく、限られた字数へ必要な内容を選ぶ練習が求められます。
最初に確認するのは、何を比較している資料かという点です。人数か割合か、全国か一部地域か、どの時期かが違えば、同じ数字でも意味が変わります。問題文の条件と資料の範囲をそろえてから、自分の考えを書くようにしましょう。
法令などが素材の場合は、知っている法律の知識を先に当てはめるより、提示された文の条件を読みます。誰に関する規定か、どのような場合に当てはまるか、例外があるかを確認してください。読んだ内容と自分の意見を分けることが、短い論述の土台になります。
2026年度は、地域の人口に関する図表が扱われました
2026年度の総合考査Ⅰでは、高齢者人口などの変化に関わる資料を読み、地域の課題を考える出題がありました。人口の数字を覚えているかではなく、示された図表を手掛かりに考えて説明する準備が必要だと分かります。
練習では、図表から分かる特徴をすべて列挙するのではなく、設問に関わる特徴を選びます。例えば、地域の違いを聞かれているなら、全国平均の説明だけでは足りません。増減の理由を問われているなら、増えた・減ったという読み取りから一歩進む必要があります。
過去の概要は、2026年度B方式第2次選考の概要で確認できます。テーマの暗記ではなく、資料の特徴から課題の説明へ進む順序を練習しましょう。
400字では、結論に使わない情報を削ることも重要です
短い論述で「資料にはさまざまな特徴があります」と始めると、内容へ入る前に字数を使ってしまいます。まず問いへの答えを置き、それを支える資料の特徴と理由を続けます。背景知識を長く説明するより、資料と主張がつながる文を優先してください。
練習後は、各文に役割を書きます。答え、根拠、理由、注意点のどれにも当てはまらない文があれば、削っても意味が変わらないかを確認します。短くすることは、単に語尾を縮めることではなく、必要な論点を選び直すことです。
書いた文章を一度声に出して読み、根拠と結論の間で飛躍していないかを確かめます。数字が変化しているだけで特定の政策が原因だと決めたり、一つの地域の特徴を全国へ広げたりしていないかを見直しましょう。資料が支える範囲で説明する習慣をつけます。
入口で確認
対象、時期、単位、比較する範囲を確認します。
書く前に選択
設問に答えるために必要な特徴だけを選びます。
最後に点検
資料の記述と自分の意見を区別し、理由を飛ばしていないかを確認します。
Ⅰの練習
資料の特徴を選び、問いへの答えを根拠とともにまとめます。
Ⅱの練習
テーマや文章の問題意識を捉え、理由のある考えを組み立てます。
B方式の総合考査Ⅱは、思いつきと理由のある発想を分けて準備します
独自の考えにも、問いとのつながりが必要です
総合考査Ⅱは45分で、与えられたテーマについて400字程度で論じ、発想や独創性などを示す選考です。珍しい言葉や極端な主張を使えばよいという意味ではありません。どんな問いに対して、なぜその考えが必要なのかを説明する準備が大切です。
例えば、学校の話し合いに参加しにくい人の意見を集める方法を考えるなら、単に「投票を増やします」で終えません。集まりに来られないのか、意見を言いにくいのか、選択肢が合わないのかで必要な工夫は変わります。問題の原因を分けてから、方法を提案してみましょう。
提案には、実行した場合の課題も添えます。匿名で意見を集めるなら率直に書きやすくなる一方、内容を確認する方法が必要になるかもしれません。利点だけを並べず、何を補えば使える案になるかを考えると、発想に具体性が出ます。
読解を含む出題もあるため、自由作文だけに偏らないようにします
2026年度の総合考査Ⅱでは、民主主義に関する文章を読み、論じる問題が出されています。「Ⅱは自由な発想を示す試験」とだけ覚え、文章を読む練習を省くのは避けたいところです。提示された問題意識を理解したうえで、自分の考えを組み立てる練習も必要です。
練習では、著者の主張を短くまとめ、自分が賛成する点、疑問を持つ点を分けます。反対する場合も、著者が言っていないことを勝手に付け加えて批判しないようにしましょう。相手の意見を正確につかむことが、独自の考えを示す前提になります。
同じ文章を読んで、別の立場からも答えを組み立ててみると、自分が当然だと思っていた前提に気づけます。最終的にどの立場を選ぶにしても、反対側が重視する価値を説明できるようにしておきましょう。結論を変える練習ではなく、理由を広げる練習です。
アイデアを増やした後に、実現する条件で絞ります
最初から最良の提案を一つだけ考えようとすると、思いつかないまま時間が過ぎることがあります。練習段階では、方法、対象、場所、時間を変えた案をいくつか出し、それぞれが何を解決するかを書きます。その後に、問いに最も合うものを選びます。
例えば、意見を集める問題なら、集める回数を変える、聞く相手を変える、書く方法を変える、結果を返す方法を変えるといった方向があります。ただ数を増やすのではなく、どの壁を下げたいのかを対応させると、案の違いがはっきりします。
選んだ案について、誰が行うか、どの負担が増えるか、何をもって役立ったと判断するかを確認します。400字にすべては書けなくても、考えたうえで必要な部分を選ぶことが大切です。思いついた案を、そのまま結論にしない習慣をつけましょう。
B方式の面接は、書類に書いた経験と学びたいことを自分の言葉で結びます
約10分の面接では、最初の答えを短くする練習が役立ちます
2027年度B方式の面接は、1人につき10分程度です。短い時間だからこそ、質問に対して何を答えるかを最初に示す練習が重要になります。用意した内容をすべて話すより、質問の範囲に合う経験や理由を選ぶことを意識しましょう。
志望理由を聞かれた場合、大学の魅力を並べるだけでなく、自分の問いと学びのつながりを説明します。活動について聞かれた場合は、全体の紹介を長く続けず、自分の役割と判断した場面へ進みます。質問ごとに、答えの中心を変える練習をしてください。
例えば、活動の結果を聞かれたのに、始めた動機だけを話して終わっていないかを確認します。相手が何を確かめたい質問なのかを考え、答えた後に必要な背景を付け加えると、やり取りが進めやすくなります。
自分の言葉で説明できない部分を、書類へ残さないようにします
添削を受けて文章が整うと、自分が普段使わない言葉が増える場合があります。提出前には、書いた内容を見ずに説明し、専門語の意味や、具体的な経験を話せるかを確かめましょう。文章の見栄えと本人の理解が離れないことが大切です。
経験については、何をしたかだけでなく、なぜ別の方法を選ばなかったかも考えます。例えば、意見を集めるために対面の話し合いを選んだなら、書面で集める方法と比べて何を重視したのかを説明してみます。自分の判断が見えると、追加の質問にも対応しやすくなります。
分からないことを聞かれた場合は、知っている範囲を示して考えます。提出した文章を守ろうとして、記録にない出来事や成果を足してはいけません。面接のために経験を大きくするのではなく、実際の経験を深く理解することを目指します。
高校の成績と学習姿勢も、活動と切り離さず準備します
B方式では成績条件を満たすことが出願の前提になりますが、条件を満たした後に学校の学習を止めてよいわけではありません。どの授業で何を考え、分からない内容にどう取り組んできたかも、自分の学びを説明する材料になります。
例えば、得意な教科では、問題が解けたことから一歩進み、なぜその方法を使うのかを説明する練習ができます。苦手な教科では、つまずきを具体的にし、先生に相談した内容や、理解を確かめた方法を振り返れます。学習への向き合い方を、性格の言葉だけで説明しないようにしましょう。
面接練習を頼む際は、学校の先生には高校生活の説明が事実に合っているか、専門的な指導者には学科の学びとの接続や、追加質問への対応を見てもらうと役割を分けられます。誰から助言を受けても、最後に自分で理解して答えられる形へ戻すことが必要です。
話す準備
質問への答えと理由を先に示し、追加条件に応じて考えます。
書く準備
経験から生まれた問いと、選んだ学科で必要な学びを結びます。
共通の800字志望理由書は、「経験」と「学問」の間を丁寧につなぎます
書く前に、問いに答える材料を四つに分けます
2027年度の志望理由書は、本人の自筆・横書きで800字以内です。慶應義塾大学法学部の選んだ学科で学ぶ理由と、その学びが自分の将来に持つ意味を述べます。A・B方式を併願する場合も、志望理由書は共通の1部です。
下書きでは、関心を持ったきっかけ、そこで生まれた問い、大学で必要な学び、将来の方向を分けて考えます。これは文章の型を強制するものではありません。経験の紹介が長すぎて学ぶ理由が消えていないかを確かめるための整理方法です。
例えば、「地域に貢献したい」と考えているなら、地域の誰が何に困っているか、自分がどこまで関わったか、なぜ法律や政治の学びが必要かを分けます。活動の紹介だけでも、大学の魅力の紹介だけでも、その間にある理由が抜けてしまいます。
所定の問いと用紙は、2027年度FIT入試の志望理由書で確かめられます。下書きの段階から問いを見える場所に置き、書きたいことではなく、聞かれたことに答えているかを確認しましょう。
「経験したので学びたい」の間に、解けていない問題を置きます
経験と学問がつながらない文章では、「ボランティアをしました。だから法律を学びたいです」と、理由が省かれていることがあります。経験の中で何が分からず、どのような考え方が必要になったのかを説明すると、学ぶ必要性が見えやすくなります。
例えば、支援の対象を決める場面に疑問を持ったなら、公平な基準とは何か、本人の事情をどう扱うか、判断の理由を誰へ説明するかという問いが考えられます。すべてを志望理由書に詰め込む必要はありません。自分が最も深く考えた点を一つ選びます。
次に、その問いに関してすでに調べたことと、まだ分からないことを分けます。調べた内容を他人の言葉のまま貼るのではなく、何が分かり、問いがどう変わったかを短くまとめましょう。大学での学びは、今ある疑問をどのように深めるかという形で説明できます。
将来の方向は、職業名だけでも、大きな理想だけでも終えません
「弁護士になりたい」「国際社会へ貢献したい」といった方向を書く場合にも、なぜその仕事や活動を通じて関わりたいのかを考えます。今の段階で職業を決め切る必要があるかどうかと、学ぶ目的を説明する必要があるかどうかは別です。
例えば、意見が対立する場面で納得できる判断を支えたいなら、そのためにどのような知識と考え方を身につけたいかを書けます。具体的な関心と学習の目標があると、将来の職業が一つに定まっていなくても、学びの方向を示せます。
逆に、将来の構想を大きくしすぎると、高校での経験とのつながりが弱くなることがあります。社会全体を変えると約束するより、どの問題に、どの立場から、何を学んで関わりたいかを説明しましょう。自分の経験から届く範囲を起点にします。
清書は、文章の内容と提出形式を分けて点検します
下書きができたら、内容の点検と形式の点検を別々に行います。内容では、経験と問い、学科の学び、将来の方向がつながるかを確認します。形式では、字数、本人の自筆、用紙、記入漏れなどを確認してください。
文章を読み直すときは、各段落の最初の文だけでも流れが分かるかを試します。同じ内容を繰り返していれば、削った部分に具体的な理由を入れられます。難しい表現に変えることより、なぜその結論になるのかを補うことを優先しましょう。
最後に、声に出して説明します。書面では自然に見えても、自分の言葉で話すと意味が分からなくなる部分があれば、表現を戻して考え直します。添削を受けた文章も、自分で説明できる状態にしてから提出することが大切です。
内容の点検
経験、残った問い、大学での学び、将来の方向がつながっているかを確認します。
事実の点検
年月、役割、成果が活動記録や資料と一致しているかを確認します。
形式の点検
当該年度の字数、用紙、自筆などの指定に従っているかを確認します。
公式の評価内容から、準備の不足を見つける五つの確認軸
合格可能性の点数ではなく、直す場所を見つけるために使います
ここまでの選考内容から、準備を「条件」「経験」「学問とのつながり」「文章」「対話」の五つに分けて確認できます。これは大学の公式な配点や合格判定ではありません。出願できる条件と、選考で示す内容を混同せず、自分が次に取り組む作業を決めるための整理です。
条件の欄では、入学年度、学歴、成績、必要書類が確認できているかを見ます。経験の欄では、取り組みの事実と自分の役割を資料で確かめられるかを見ます。学問とのつながりでは、その経験からどの問いが生まれ、なぜ選んだ学科で学びたいかを説明します。
文章の欄では、指定された材料と条件を使って書けるかを確認します。対話の欄では、質問への答えと理由を示し、追加の条件にも考えて対応できるかを見ます。得意な一つでほかの不足を隠すのではなく、それぞれに次の作業を一つ置きましょう。
具体的な成果物を置くと、準備の進み具合が分かります
「学部研究をしました」だけでは、どこまで進んだかが分かりません。法律学科と政治学科を選ぶ理由の比較メモがあるか、志望理由の下書きがあるか、制限時間で書いた答案があるかを確かめます。作業の名前より、見直せる成果物が残っていることが大切です。
例えば、対話に不安がある場合は、漠然と「面接が苦手」とせず、録音の中で質問に答え始めるまでの部分を聞きます。答えが遅い理由が、知識不足なのか、話の順序なのか、質問の理解なのかで、必要な練習は変わります。
経験の説明が弱い場合も、活動を増やすことだけが対策ではありません。すでに行った活動について、誰が何を決め、自分が何を担ったかの記録を確認することが先かもしれません。新しい活動へ進む前に、現在の材料を説明できるかを点検しましょう。
条件
当該年度の出願条件と、学校が発行する書類を確認できていますか。
経験と学問
自分の役割を示す資料と、経験から生まれた問いが対応していますか。
文章と対話
初めての資料から書いた答案と、追加質問を含む練習の記録が残っていますか。
確認結果を、その週の作業へ変えます
点検して不安が見つかったら、直す範囲を小さくします。「志望理由を完成させる」だけではなく、「なぜ政治学科なのかを説明する段落を見直す」と決めます。「論述を得意にする」ではなく、「図表の特徴と結論がつながっているかを確認する」と決めましょう。
同じ週にすべてを変えようとすると、何が改善につながったかが分かりにくくなります。学校の課題や活動の予定を踏まえ、重要な作業を先に置きます。出願条件に関わる未確認事項は、文章の細かな言い換えより優先して確認します。
この整理は、誰かに相談するときにも使えます。条件は確認済みだが、学科選びの理由が弱いというように、相談したい内容を具体的に伝えられます。「何となく不安です」で止めず、今ある書類や練習の記録を基に、改善点を確認しましょう。
2027年度の日程は、登録・郵送・試験・入学手続きを分けて管理します
出願登録だけでは、手続きは終わりません
2027年度FIT入試の出願登録と入学検定料の支払いは、2026年8月3日10時から9月3日17時まででした。出願書類の郵送期間は9月1日から3日です。国内からは締切日の消印有効、海外からは締切日必着という違いがあります。
インターネットで入力を終えても、郵送する書類がそろっていなければ手続きは完了しません。登録、支払い、書類の印刷、学校書類の受け取り、郵送を別々の作業として管理します。学校の発行にかかる日数は、大学の締切とは別に確かめてください。
2026年10月17日時点では、この出願期間は終了しています。これから受験する人は、2027年度の日程を2028年度の予定として使わないでください。次年度の要項が公表されるまでは、作業の種類と順序を参考にして準備します。
A方式とB方式は、第2次選考の日が違います
2027年度の第1次選考の合格発表は2026年9月15日10時、第2次選考はA方式が9月19日、B方式が9月20日でした。会場は三田キャンパスです。両方式へ出願する場合は、異なる試験日と、それぞれの選考内容を管理する必要があります。
第2次選考の合格発表は11月2日10時、入学手続き期間は11月27日から12月11日と案内されています。合格発表を確認することと、必要な入学手続きを終えることは別です。出願前から、結果を確認した後の予定まで一覧にしておきましょう。
日程の原文は、法学部FIT入試の公式案内で確認できます。年月日の近さだけで記憶せず、「何の期限か」「何時までか」「消印か必着か」を並べて記録すると、取り違えを減らせます。
2027年度・出願
登録・支払いは2026年8月3日10時〜9月3日17時、書類郵送は9月1〜3日でした。
2027年度・選考
第1次発表は9月15日、第2次はA方式9月19日・B方式9月20日でした。
2027年度・今後
第2次発表は11月2日10時、入学手続きは11月27日〜12月11日です。
出願直前は、変更できないことも意識して確認します
出願後に、学科や方式、提出内容を自由に差し替えられるとは考えないでください。登録・支払い・発送を急いで進める前に、志望学科、方式、氏名、書類の内容を確認します。誤りに気づいてから考えるより、送る前の確認を予定に入れることが大切です。
提出する原本や書類については、手元へ戻ることを前提にしないようにします。本人の練習や面接準備に使う控えは、提出前に残しておきましょう。ただし、控えを保存することと、提出用にコピーが認められることは別なので、指定を混同しないでください。
家庭や信頼できる人と予定を共有する場合は、何を確認してもらうかを決めます。文章の内容を代わりに考えてもらうのではなく、封筒に入れる書類の一覧や締切、持ち物などを点検してもらうと、本人が行う準備との役割を分けられます。
出願者数だけで方式を選ばず、必要な準備と自分の条件を比べます
2026年度の結果には、A・B方式の重複合格が含まれます
2026年度の公表結果では、法律学科A方式は出願306人・最終合格53人、B方式は出願197人・最終合格46人でした。政治学科A方式は出願306人・最終合格56人、B方式は出願199人・最終合格46人です。
この最終合格者数には、両方式に合格した人が含まれています。そのため、A・B方式の合格者数を足して、そのまま別々の入学者の人数と考えることはできません。募集人員も学科ごとにA・B方式を合わせた最大80人であり、各方式に80人ずつではありません。
結果は2026年度FIT入試選考結果で確認できます。過去の出願者数は、自分の合格確率を示す数字ではありません。出願条件や評価される内容が異なる方式を、数字だけで比較しないことが重要です。
合格への距離は、出願資格と準備課題を分けて考えます
B方式の成績条件を満たさない人が、過去の出願者数を見てB方式を選ぶことはできません。逆に、条件を満たしていても、総合考査や面接への準備が不要になるわけではありません。自分の状態を確認するときは、「出願できるか」と「何を示せるか」を分けます。
A方式の活動も、他人の実績と比べて自信を失うだけでは次の作業が決まりません。自分の取り組みを裏付ける資料があるか、役割を説明できるか、学びたい問いへつながっているかを具体的に見ます。確認できない他人の合格情報を基準に、自分の経験を作り替えることは避けましょう。
2028年度は選抜の仕組み自体が変わる予定です。2027年度までのA・B方式の人数を、そのまま統合後の難しさの予測に使うことにも注意が必要です。過去の結果は背景として確認し、現在公表されている条件と選考内容を準備の中心に置きます。
法律学科・2026年度
A方式は出願306人・最終合格53人、B方式は出願197人・最終合格46人です。
政治学科・2026年度
A方式は出願306人・最終合格56人、B方式は出願199人・最終合格46人です。
数字の注意
最終合格者には両方式の重複合格を含みます。個人の合格確率を表すものではありません。
高1からは、活動を増やすより、問いと記録を積み上げます
学校の授業を、問いを見つける場所にします
早く準備を始める利点は、書類を早く完成させられることだけではありません。授業や活動から疑問を見つけ、調べ、実際に考えを修正する時間を持てることです。提出直前に、過去の学習や活動の過程を作り直すことはできません。
高1では、まず学校の学習を安定させます。各教科で分からなかった点や、もう少し調べたくなった点を短く残してください。法律学・政治学につながる問いは、公民の授業だけでなく、歴史、国語、数学の資料の扱い、外国語で読む社会の話題からも考えられます。
例えば、歴史の授業で制度が変わった場面に関心を持ったなら、何が変化を求める理由になり、誰がどの立場にいたかを整理します。その問いを現代の出来事へすぐ同一視するのではなく、違いも含めて比較してみましょう。知識を覚える学習と、問いを持つ学習をつなぎます。
活動の記録は、結果が出た日だけでなく判断した日に残します
活動が終わった後だけに記録を書くと、迷った場面や途中で変えた方法を忘れやすくなります。日付、行ったこと、判断の理由、結果、次に確かめたいことを短く残しましょう。毎回長い感想文を書く必要はありません。
例えば、企画で参加者の意見が割れた日には、どの意見があり、何を基準に決めたかを記録します。自分の提案が採用されなかった場合にも、理由を聞いて何を考えたかを書けます。活動を成功談へ整える前の記録が、自分の判断を振り返る材料になります。
記録には、他人の個人情報や話したくない事情を必要以上に残さないようにします。公に使う資料と、自分の振り返りのメモも分けましょう。活動を出願書類へ使う際には、関係者への配慮と、事実を示すことを両立させます。
外国語は、資格の取得と読む内容をつなぎます
外国語の学習では、資格試験への準備と、関心のある社会の話題を読む練習を組み合わせる方法があります。短い文章から始め、分からない語を調べた後に、何が問題として扱われていたかを日本語でまとめてみます。
資格の点数を学習の目安にすることはできますが、それだけで志望理由が完成するわけではありません。外国語で読んだことで、同じ出来事への見方がどのように変わったかを考えます。国内で得た情報と違う点があれば、背景や言葉の意味を確かめてください。
2028年度以降は、外国語学習への取り組みを示す資料に関する正式な指定も確認する必要があります。今は学習を継続し、受験形式や結果の記録を整理しておきましょう。大学の要件が確定した後に、使える資料を選べるようにします。
活動の途中
何を基準に判断したか、その場で短く記録します。
活動の後
結果と残った課題を分け、次に調べる問いを選びます。
高2では、学科選びと実際の答案をつなげて準備を具体化します
関心の広さから、深めたい問いを選びます
高2では、関心のあるテーマを増やすだけでなく、自分が続けて考えたい問いを選びます。気になるニュースが多い場合は、共通する問題意識があるかを探してください。例えば、教育、交通、福祉への関心が、誰が決定に参加できるかという問いでつながることがあります。
テーマを絞ることは、ほかの話題を学ばなくなることではありません。中心の問いを持つと、別の話題を読んだときにも比較する軸ができます。法律学科と政治学科のどちらで深く学びたいかを考える材料にもなります。
一方で、「このテーマなら合格しやすそう」という理由だけで選ぶと、自分の経験や疑問とのつながりが弱くなります。人に説明したときに、なぜ自分がその問いを持ったのかを話せるかを確認しましょう。流行の言葉より、自分が確かめてきた過程を大切にします。
制限時間で書き、読み返して直す習慣を始めます
高2の段階から、読むだけでなく書いたものを残します。講義を聞いた後の論述、図表を使う短い説明、文章を読んで自分の考えを述べる練習を分けると、得意・不得意が見えます。実際の選考と同じ形式だけでなく、その前段階の短い練習も役立ちます。
最初から速さだけを追わず、設問に答えているかを確認します。その後、時間を計って、どの段階で止まるかを調べます。資料を読む時間が長いのか、構成が決まらないのか、書き直しが多いのかによって、練習の重点を変えましょう。
答案を直したら、元の文章も残します。どの文を変えたかと、なぜ変えたかを記録すると、次の題材でも同じ失敗に気づきやすくなります。添削の指示を写して終わらず、修正の理由を自分で説明できるようにすることが大切です。
高校へ相談する内容を、早めにまとめます
出願の時期が近づく前に、調査書、評価書、活動証明に関する学校の扱いを確認します。特にB方式を検討する年度では、指定教科の成績の見方を早く把握したいところです。学校行事や長期休業で発行に時間がかかる場合も考え、学校内の予定に合わせます。
相談するときは、受験する年度と、確認した公式資料を示します。「慶應の推薦を考えています」だけでは、制度が特定できません。「法学部FIT入試で、調査書と評価書について確認したい」と伝えると、話を進めやすくなります。
制度変更がある年度には、現時点で確定していることと、次の要項で確認することを分けて伝えましょう。先生に未公表の条件を判断してもらうのではなく、公開後にどの点を再確認するかを共有します。情報が変わったときに、相談を更新できる形にしておきます。
高1で残すもの
学校の学習の疑問、活動で判断した場面、外国語学習の記録を残します。
高2で作るもの
学科を選ぶ理由の比較メモ、時間を計って書いた答案、修正の記録を作ります。
出願学年で仕上げるもの
当該年度の条件との照合、提出書類の整理、形式に合った練習を進めます。
出願学年では、新しい実績づくりより、条件と材料の不足を先に確認します
受験年度の正式な要項を、以前のメモと照合します
出願学年に入ったら、当該年度の要項が出る前後で情報を更新します。前年の数字を消さずに上書きしていくと、どこが変更されたか分からなくなります。年度ごとに資料を分け、条件、日程、書類、選考内容を照合してください。
特に2028年度入学では統合が予告されているため、A方式かB方式かという選択を、そのまま次年度の計画へ持ち込まないようにします。予告された選考内容に向けた準備は続けながら、正式な様式や時間の指定を確認した時点で計画を調整します。
出願までの時間が短い場合には、取り組める範囲が狭くなります。過去の評定や長期の活動過程は、直前の文章だけで補えません。楽観的に予定を詰め込むより、資格条件、提出できる資料、残された練習の課題を早く整理する必要があります。
新しい活動を始める前に、今ある経験を説明できるか確認します
出願が近づくと、活動が足りないように感じて新しい取り組みを増やしたくなることがあります。しかし、参加した活動が増えても、自分の役割や判断を説明できなければ、書類の材料が深まるとは限りません。まず現在の記録を整理しましょう。
一つの活動について、始めた理由、工夫、結果、他者からの指摘、残った課題を説明してみます。説明できない箇所があれば、記録を見直し、関係する資料を確認します。成果を大きく見せるために、今から理由を作り替えないようにしてください。
新しい活動を行う場合も、その活動自体の目的を大切にします。出願書類へ書くためだけに人へ負担をかけたり、短い参加で大きな成果があったように見せたりすることは避けます。取り組みの事実を正確に残し、何が学びにつながったかを振り返りましょう。
書類提出後も、初めての題材へ対応する練習を続けます
書類を書き終えると、自分のテーマについては話しやすくなります。しかし、論述や総合考査では、準備してきたテーマとは異なる材料が出る可能性があります。自分の関心に近い題材だけを選ばず、初めての分野を読んで考える練習も続けます。
例えば、普段は教育に関心があるなら、交通や環境、情報の扱いを題材に短く考えてみます。専門知識を大量に増やすことより、問いを捉え、必要な情報を選び、理由を示す手順が使えるかを確認します。知っている話題に無理に引き寄せないことも練習です。
口頭の練習でも、志望理由の暗唱だけにしません。相手の質問に応じて説明の長さを調整し、条件が変わったときに考え直す練習を入れます。書類の準備で得た考え方を、その場の文章や対話へ使えるようにしていきましょう。
書類提出前
出願条件、事実、提出形式を分けて点検します。
書類提出後
初めての資料や質問へ対応する練習を続けます。
失敗しやすい準備を、書類を出す前に見直します
落とし穴1:年度や方式が違う情報を、一つのメモへ混ぜます
最も避けたいのは、2027年度のB方式の条件、過去のA方式の面接情報、2028年度の変更予告を、一つの入試の説明として混ぜることです。記事や動画を見た日ではなく、どの年度の入学者を対象にした情報かを確認しましょう。
例えば、A方式の自己紹介の練習を続けている場合は、2027年度の変更と合っているかを確かめます。B方式の地域ブロックに関する情報を読んだ場合は、2028年度にはそのまま使えないことをメモします。違いに気づいたら、古い情報を残したまま区別できる形へ整理してください。
情報を更新するときは、公式の資料名と年度、確認した日、変更された内容を記録します。すべてを覚えようとするより、再確認する場所を決めておくことが大切です。出願前には、書類を作るために使った情報が当該年度のものかを点検します。
落とし穴2:活動の名前を増やし、判断の説明が薄くなります
書類に書ける活動を増やしたくなる気持ちは自然です。しかし、短い参加をたくさん並べても、自分が何を考えて行動したかが見えなければ、学びへのつながりを説明しにくくなります。活動の数と、説明できる経験の深さは同じではありません。
例えば、催しに参加した経験を使うなら、参加者だったのか、準備を担ったのか、企画を考えたのかを分けます。どの立場でも、自分の行動と学びを正確に説明することはできます。実際より中心的な役割だったように書かないことを優先してください。
活動を振り返った結果、学問とのつながりが見つからない場合は、無理に結論を作りません。何が分からなかったか、もう少し調べたいことは何かを考えます。その問いを深めることが、次の行動を決める準備になります。
落とし穴3:添削後の文章を暗記し、自分で説明できなくなります
文章の直しを受けることは役立ちますが、完成した表現だけを覚えると、質問の形が変わったときに答えにくくなります。修正された文について、何が伝わりにくかったのか、なぜその順序にしたのかを確認しましょう。
例えば、「多様な価値観を尊重したい」と書いたなら、自分の経験ではどの価値観が違い、何を調整したのかを説明します。具体的な場面に戻れない言葉は、意味を考え直す必要があります。よく見える表現より、本人が理解して使える表現を選びます。
模擬面接では、書類の一文を取り出して「具体的には何ですか」「なぜそう考えたのですか」と聞いてもらいます。答えが書類と違った場合は、どちらが実際の経験に近いかを見直します。文章へ自分を合わせるのではなく、事実に文章を合わせてください。
落とし穴4:出願条件を満たせば、選考への準備もできたと考えます
成績条件や書類の条件を満たすことは、出願の入口です。条件を確認し終えた後には、講義を理解して書く、資料から説明する、その場で考えて話すという準備が残ります。資格確認と学習の進捗を同じチェック欄にしないようにしましょう。
例えば、B方式の成績を確認できたら、次は総合考査Ⅰ・Ⅱそれぞれの答案を実際に書いてみます。A方式の資料がそろったら、初めて聞く内容から論述する練習を行います。「準備したつもり」を、成果物で確かめることが重要です。
情報の失敗を防ぐ
年度、学科、方式を必ずセットで確認します。
説明の失敗を防ぐ
活動の名前より、自分の役割と判断を具体的にします。
提出の失敗を防ぐ
条件確認、書類の形式、練習の成果を別々に点検します。
独学・学校・専門的な指導を、確認したい内容で使い分けます
自分と学校で進める基礎を、先に整えます
公式情報の収集、学校の学習、活動の記録、志望理由の最初の下書きは、自分で進められる重要な準備です。高校には、調査書や評価書の発行、校内の手続き、授業での取り組みについて相談できます。まず学校でしか確認できない内容を整理しましょう。
例えば、評定の見方が不明なまま書類の表現だけを磨いても、出願条件の問題は解決しません。逆に、調査書の発行を確認しただけで、志望理由の論理が整うわけでもありません。それぞれの相談先に、判断できる内容を持っていくことが大切です。
独学で論述を練習する場合は、答案を残し、設問への対応、根拠、構成を自分で点検します。一度書いて終わるのではなく、直した理由を記録しましょう。相談を受ける場合にも、実際の文章があると、課題を具体的に確認できます。
専門的な助言では、内容のつながりと追加質問への応答を確認します
学科が求める力と自分の経験のつながり、志望理由書全体の構成、模擬面接での追加質問への対応は、第三者に見てもらう価値があります。自分では説明したつもりの部分が、読み手には飛躍して見えることがあるからです。
指導を検討するときは、「合格者がいる」という言葉だけで判断せず、どの年度・方式の選考を確認しているか、何を根拠に文章を直すか、本人が説明できる状態まで支えるかを確かめます。2028年度の変更を扱う場合、未公表の条件を断定していないかも重要です。
合格・不合格の事例を示される場合には、元の条件や準備過程が確認できるかを見ます。結果だけから、特定の表現や活動が合格の原因だったと決めることはできません。自分と条件の違う事例を、そのまま成功法として当てはめないようにしましょう。
相談前に、現在の材料をまとめると優先順位を話しやすくなります
相談用の資料は、完成した志望理由書である必要はありません。入学年度と希望学科、成績条件の確認状況、活動の記録、書きかけの文章、時間を計って書いた答案を整理すると、何が不足しているかを具体的に話せます。
例えば、「活動の説明はできるが、法律学科を選ぶ理由が弱い」「資料の読み取りはできるが、400字にまとめられない」と伝えられれば、助言の焦点が定まります。すべてを一度に相談するより、最も大きな不安と、その材料を示しましょう。
相談後には、次に行う作業と、確認する期限を自分の言葉で残します。助言を受けたこと自体を進捗にせず、どの文章を直すか、どの条件を学校へ確認するかまで決めます。準備の主体を本人に置いたまま、必要な支援を使っていきましょう。
FIT入試について迷いやすい点を、出願前に整理します
英語資格があれば、活動や論述の準備を減らせますか
英語資格は、認められた形式で提出する場合の材料の一つです。資格を持っていることだけで、ほかの選考が不要になる制度ではありません。自分の学びへの意欲、活動の取り組み、論述や対話で考える力も、それぞれ準備します。
高い点数を目標に学習する場合にも、その点数を得るための努力と、法学部で何を学びたいかを分けて考えましょう。外国語で知った社会の話題が自分の問いを深めたなら、その具体的なつながりを振り返れます。点数だけから、学科との適性が自動的に伝わるとは考えないようにします。
A・B方式のどちらが、自分に向いているか分かりません
2027年度の制度を比較するなら、先にB方式の成績・学歴条件を確認し、A方式で示す活動の実績と資料を整理します。その後に、講義を聞いて論述する準備、総合考査の準備、口頭で答える準備を比べます。条件を満たすことと、得意な形式であることは別です。
ただし、これから2028年度以降の入学を目指す人は、従来のA・B方式のどちらかを選ぶ前提ではなく、統合後の情報を確認してください。従来の練習を生かせる部分はありますが、正式な要項で指定が出たら、必要な準備へ組み直すことが大切です。
他大学を受験することはできますか
公式FAQでは、他大学の受験自体を禁止していない一方、慶應義塾大学法学部を第一志望とし、合格した場合に入学を確約することが条件とされています。「併願できる」という言葉だけを見て、合格後も自由に選び直せると判断しないでください。
ほかの総合型選抜や学校推薦型選抜を検討する場合は、双方の入学確約条件、発表日、手続き期限を確認します。日程が重ならなくても、約束する条件が両立しないことがあります。出願前に条件の組み合わせを整理し、無理な出願計画にしないことが重要です。
法律の知識を大学生と同じ程度まで覚える必要がありますか
この準備で大切なのは、専門用語を大量に覚えることだけではありません。提示された文章や資料を理解し、問いに対して理由を示して答える力を育てます。関心のある分野の基礎を学ぶことは役立ちますが、知識の披露が設問への回答を置き換えないようにします。
例えば、ルールについての問いを読んだとき、知っている条文を並べる前に、誰のどの利益が関わり、どこで意見が分かれるかを整理します。専門書を読む場合も、分からない言葉を自分で説明できる範囲まで戻ります。理解して使える知識を増やしていきましょう。
活動が法学と直接関係していないと、使えませんか
活動の名称だけで、法律学・政治学とのつながりが決まるわけではありません。スポーツ、文化活動、学習などの中にも、ルール、役割、合意、責任、参加の仕方について考える場面があります。自分が実際に疑問を持った点を探してみましょう。
ただし、どんな活動でも無理に法律の話へ変換すればよいわけではありません。経験したことと、後から調べて考えたことを区別して説明します。活動当時には考えていなかった問いなら、その後にどのようなきっかけで関心が広がったかを正直に書いてください。
慶應法学部へ向けて、受験年度と「学びたい問い」を最初に整理しましょう
FIT入試の準備は、志望理由書の書き方だけでは完結しません。出願条件を満たしているか、経験を確かめられるか、法律学・政治学を学ぶ理由があるか、初めての材料から書いたり話したりできるかを、それぞれ確認する必要があります。
特に今は、2027年度のA・B方式と、2028年度の統合後の情報を分けることが出発点です。自分の入学年度を確認し、確定した条件と、次の要項で確認する条件を整理しましょう。未公表の数字を埋めるより、学校の学習と、読む・書く・話す練習を進めます。
今日取り組むなら、まず活動の記録から、判断した場面を一つ選んでください。何が問題で、何を考え、何がまだ分からないのかを書きます。その問いを法律学科と政治学科のどちらで深めたいかを考えると、次に調べる内容が具体的になります。
今日の確認
入学年度と希望学科を書き、公式情報で確認済みの条件を整理します。
今週の準備
活動の一場面を説明し、短い答案か口頭の練習記録を一つ残します。
次に相談すること
学科選び、書類のつながり、筆記と対話のどこに不足があるかを整理します。
マナビライトの無料受験相談では、現在の学習や活動、志望の状況を基に準備について相談できます。慶應法学部を目指す場合は、入学年度と制度変更の確認状況を伝え、学校での学習、書類、論述、対話の準備をどう進めるか整理しましょう。
- 受験年度と出願条件について、追加で確認する内容
- 経験から生まれた問いと、法律学科・政治学科の学びのつながり
- 書類・論述・口頭での応答に関する、次の準備の優先順位
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