MENU

「魚への愛なら、さかなクンさん以外には誰にも負けない」—東海大学 海洋学部 水産学科に総合型選抜で合格した太田さんの軌跡

目次

はじめに

「さかなクンさん以外には誰にも魚への愛は負けないと思っていて」
開口一番、太田さんはそう語ります。そう言い切れる人間が、果たして他にいるでしょうか。
この言葉が、東海大学 海洋学部 水産学科への総合型選抜合格を語るうえで、最も正確な出発点です。

太田さんが東海大学を選んだのは、偏差値でも知名度でもなく、
「カサゴの毒棘の仕組みを自動注射針に応用したい」「持続可能な完全養殖を実現したい」という2つの問いを、
最も深く追いかけられる場所だったからです。

この記事では、太田さんが合格までにどんな準備をしてきたのか、何を考え、何を語ったのかを、
インタビュー動画の内容をもとに詳しく紹介します。

総合型選抜を考えている受験生にとって、一つの具体的な道筋として読んでもらえれば幸いです。

合格者太田さんのプロフィール

合格大学・学部:東海大学 海洋学部 水産学科

入試方式:総合型選抜(学科課題型)

研究テーマ:カサゴの毒棘メカニズムの医療応用 / 持続可能な完全養殖の実現

総合型選抜入試を選んだきっかけは「お母さんからの一言」

太田さんが総合型選抜を受けようと決めたのは、お母さんの言葉がきっかけでした。

「受験ってこうなのかなっていう、結構曖昧な考え方があって、勉強してればどうにかなるんじゃないかって、総合型選抜も知ってはいたんですけれども、好きなこと話せばいいのかなみたいな軽い気持ちではあったんですけれども」

そこにお母さんが資料を持ってきてくれたことで、総合型選抜のさまざまな方式や、各大学の小論文テーマを調べるようになります。志望した東海大学の総合型選抜のテーマが「一番自分に合ってるんじゃないか」と感じたことが、決断の後押しになりました。

そして「好きを話す入試」から「探究を構造化する準備」へと、向き合い方が変わります。

「魚(への知識、愛)があればどうにかなるんじゃないかっていう安易な考え方をしていたものですから、
マナビライトと出会って、いろんなこう魚類(への知識、愛)だけじゃ総合型は受からないよっていうことを
やっぱりこう深く知ってモチベーションが上がったと思います」

太田さん自身が「好きなことを話す入試」という入口から、「自分の探究を言葉で構造化する」準備の必要性に気づき、
その転換が、合格への道を開きました。

高校1年生で始まったカサゴの研究

太田さんの探究の核は、高校1年生のときに生まれました。
授業の一環で「理科実験探究」という、テーマを自分で決めて自由に研究していい授業があり、
太田さんが選んだ研究テーマは、【カサゴの背びれ】でした。

「カサゴの背びれって実は毒棘で、メカニズムが面白いなと思っていて。
刺すっていうよりも触っただけで自動的にすって針が入ってくるっていうところに私注目しまして、
それを使ったら自動注射針ができるんじゃないかなっていう風に思って」

このアイデアを実験に落とし込むため、太田さんは科学部へ。3Dプリンターを使える先輩にモデル制作を依頼し、何度も形を変えながら試作を繰り返しました。

「海の生き物が好き」という感覚的な関心を、「カサゴの毒棘のメカニズムを自動注射針に応用する」という具体的な仮説と実験にまで落とし込んだ——この問いの解像度の高さが、総合型選抜入試で太田さんの本気度を示すエピソードになっていきます。

カサゴだけじゃない——サメ肉の開発、そして新種のナマコ

太田さんの探究は、カサゴだけにとどまりませんでした。

■サメ肉の食品開発

「皆さん本当にサメが怖いっていう方がすごく多いかと思うんですけれども、私の中で人間の方が怖くて。サメが人間を襲うのって年間40件くらいなんですけれど、人がサメを取る数は年間1億匹なんです。なので1秒に3匹くらい殺されてるって計算になってしまう」

サメが大量に捕獲されながらも身が活用されていない現状を知った太田さんは、「だったらそのサメ肉をどうやったら活用できるか」を考え始めます。担当の先生とともに、食品開発の知識を1から学びながら研究を進めました。

■修学旅行中の砂浜で、新種のナマコを発見
高校2年生の修学旅行で、自由時間にホテル前の砂浜を探索していた太田さんは、見たことのない生物を発見します。

「旅行に行くときは必ずサンプル瓶っていう生物を入れる瓶を持ち歩いている」という太田さん。
修学旅行中の砂浜で見たことのない生物を発見すると、消毒用エタノールで保存して持ち帰り、東海大学と東京海洋大学の先生と共同研究。それが新種のナマコであることを突き止めました。

旅行先にサンプル瓶を持ち歩いている高校生——この一文だけで、太田さんの探究が「授業のため」ではなく、日常そのものと一体化していたことがわかります。

なぜ東海大学 海洋学部 水産学科だったのか

太田さんの大学選びの軸は明確でした。

「いくつかの研究しているものの中でこれは今、そして未来に繋がっていくだろう、未来に人の役に立つ、
そして魚の生態系にもメリットがあるっていう、自分の好きなことだけじゃなくて全世界に利点があるような
研究っていうのを選んでいった」

完全養殖の実現——それが志望理由書のテーマです。

「安全で美味しくてかつ魚の生態系を守りながら完全養殖を進めるにはどうすればいいか。そしてそれを学ぶには東海大海洋学部が絶対行きたいんだよっていうことを書きました」

そして、東海大学 海洋学部 水産学科を選んだ理由は、環境の必然性でもありました。

「近くに駿河湾があって、しかも船も所有しているので、いつでも海洋実習ってのがあったりして自分の夢見ていた環境がそこにある」

さらに太田さんは、駿河湾という深海に隣接する立地にも可能性を見出していました。
海の大部分は深海が占めていて、そのほとんどがまだ解明されていません。「深海を調べて水産につなげられる面がいっぱいあるんじゃないかな」と語っています。

カサゴ研究・完全養殖・深海。太田さんが追いかけてきたすべての問いを、
最も深く学べる場所として東海大学を選んでいました。

試験の内容と準備の中身

太田さんが受けた東海大学 海洋学部 水産学科の総合型選抜(学科課題型)は、1次試験と2次試験の2段階でした。

1次試験:小論文課題+志願書

いくつかある小論文テーマの中から1つを選び提出します。太田さんが選んだのは「クロマグロ」。近年絶滅危惧種に指定されつつあるクロマグロの保全方法と、自分の提案をまとめました。

2次試験:スライド発表+口頭試問

1次試験で書いた小論文の内容をさらに詳しくスライドにまとめ、試験官2名の前で発表。その後、口頭試問が行われました。

まず、受験準備で意識したのは「誰にでも伝わる説明にすること」でした。

「前までは自分が知っている専門用語をどうしても言いたくなって、わーって話しちゃってたんですけど、こう相手に伝わりづらいというか。いくら相手がプロの方だったり専門家であっても、本当に自分が何が伝えたいかっていうのが伝わりづらいっていうことに気づいて、スライド発表したあとはより誰にでも分かるような説明方法っていうのを自分の中で分析して話せるようになったというのが自分の大きな成長かなと思います」

また、太田さんは毎日1本、魚類の論文を読み続けていました。
気になる研究者を見つけたら、大学や水族館、博物館に直接電話やメールをして質問する。
実際に大学を訪問して先生に助言をもらったこともあったといいます。

「初めての人に電話したりメールをするわけですから、もちろん緊張はあるんですけれども、
それよりも自分の中の謎であったり好奇心を抑えきれなくてとにかく知りたいっていうことがあって」

知りたいという純粋な衝動が、日々の探究を動かしていました。
その積み重ねが、太田さんの受験対策の土台になっていたのです。

受験会場で魚図鑑を読んでいた太田さん

本番当日、受験会場に向かった太田さん。他の受験生たちが面接資料を読み込むなか、太田さんが手にしていたのは魚図鑑でした。

「これは包み隠さず言ってしまうんですけれども、私あの魚図鑑を読んでいたわけですね。私の中では逆に資料を読んじゃうと緊張するなって思ってしまっていて、魚には誰にも負けないし、何か突拍子のないこと言われてもアドリブ力を駆使して魚のことですから話せるんじゃないかなっていう風に思って」

準備の量が、本番の余裕をつくる。
カサゴの研究から始まり、サメ肉の開発、新種のナマコ発見、毎日の論文読み、研究者への直接アポ
——それだけの積み上げがあったから、試験当日に魚図鑑を読む余裕が生まれました。

ちなみに面接では、「なぜクロマグロを選んだのか」という想定外の質問が飛んできたといいます。
「確かに」と思いながらも、その場で答えられたと振り返っています。

後輩へのアドバイス

太田さんが、これから総合型選抜に挑戦する受験生に伝えたいことがあります。

「私みたいに勉強ちょっとなっていう人にも、いかに自分がこれだけその分野に対して知識があって愛しているんだっていうのを、一般選抜では教授には伝わらないと思うんですよね。やっぱり面接をして直接その先生に自分の愛を伝えるわけですから」

「喋るのが苦手だったり文章を作るのが苦手だなっていうことがもちろんあると思いますし、私も最初は本当にそんな不安が大きかったですけれども、やってみると楽しいですし、自分の知っていた知識がどんどん膨らんでいくっていうのはすごく楽しくて」

「皆さんには不安もあると思いますが、まずは自分の好きなことを見つけていただいて、それをどう大学に持っていくかっていうのを考えてみるのもいいかと思います」

太田さんの言葉は、総合型選抜を「特別な人のための入試」ではなく、「自分の好きを本気で追いかけてきた人のための入試」として再定義しています。

太田さんの軌跡から見える 総合型選抜・学校推薦型選抜入試の合格に必要なこと

マナビライトはこれまでの指導経験から、総合型選抜で合格する生徒には共通する準備の姿勢があることを知っています。
太田さんの軌跡を振り返ると、その姿勢が一つひとつ体現されていたことがわかります。

①テーマの解像度が突き抜けていた

「魚が好き」ではなく「カサゴの毒棘のメカニズムを自動注射針に応用したい」。
「養殖に興味がある」ではなく「持続可能な完全養殖を東海大学から実現したい」。
抽象的な関心を、特定の生物・特定の現象・特定の応用可能性にまで掘り下げた問いが、志望理由書と面接の深みをつくりました。

②探究が「授業のため」ではなく日常だった

旅行にサンプル瓶を持ち歩き、毎日1本の論文を読み、研究者に直接アポを取る。
これは「受験のために始めた」行動ではなく、高校生活に溶け込んだ習慣でした。面接官が見抜くのは、準備された言葉ではなく、こういった日常の積み重ねです。

③「なぜその大学か」が、テーマから自然に生まれていた

完全養殖を研究するために近くに駿河湾があり船を持つ東海大学でなければならない——この必然性は、「どの大学が受かりやすいか」から逆算して出てくる言葉ではありません。自分の探究テーマを突き詰めた結果として大学が見えてきたからこそ、面接での「なぜここか」に揺るぎなく答えられました。

入学後の楽しみ・夢

太田さんが東海大学で実現したいことは明確です。

「東海大から持続可能な完全養殖を研究したいなと思っています。
完全養殖っていうのは近畿大学とかでもマグロの研究が大きいかなと思ってるんですけど、実はちょっと滞ってしまっているんですね。
それをいかに持続可能的に、魚の生態系に影響を与えずに東海大から発信できるか、
まず日本全国でやっていきたい」

さらに太田さんは、「海なし県の廃校プールでの養殖」も視野に入れています。
食料危機や戦争で苦しむ人々に美味しい魚を届けること、そして人間と魚が共存できる社会を広く伝えること
——「それが私の魚人生の集大成になるんじゃないかなと思います」と語っています。

入学後の楽しみについてはこう話しています。

「大学ならではのサークルだったりとか研究仲間とかっていうのにもすごく憧れています。
大学というのはもうその道の大好きな人が来るわけですから、
同じレベルで話し合えるっていうのがすごく私の中で嬉しいことなので」

まとめ

太田さんが合格までに歩んだ道筋を振り返ると、一本の線が通っています。

カサゴの毒棘の仕組みへの着目(高校1年生)

3Dプリンターで実験、サメ肉開発、ナマコ新種発見と探究が広がる

毎日の論文読み・研究者への直接アポ

「完全養殖×東海大学水産学科」という志望理由の必然性が生まれる

スライド発表・口頭試問の準備+マナビライトとの対策

受験当日、魚図鑑を読むくらいの余裕で臨むことができた

総合型選抜(学科課題型)で合格

偏差値ではなく自分の探究心を起点に大学を選び、その問いを高校の日常ごと積み上げてきた結果の合格です。
総合型選抜を考えている方は、まずは「自分が何に惹かれているか」を問うところから始めてみてください。

完全無料の受験相談で戦略を立てよう

マナビライトでは、受験生なら誰でも無料で利用できる「無料受験相談」を実施しています。
受験相談の場を使って、あなただけの受験戦略を立てましょう!

無料受験相談はこちら
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!