東洋大学情報連携学部の推薦を調べて、「プログラミングの実績がないと受けられないのか」「数学はどこまで必要なのか」「事前適性審査と大学への出願は同じなのか」と迷っていませんか。情報連携学部のAO型推薦入試は、名前が似ていても、準備するものや審査の順番が違います。作品を説明する入試と、指定教材で学んだ内容を確かめる入試を、一つの対策で済ませることはできません。
この記事では、2027年度の公式要項と学部の案内をもとに、コンピュータ・サイエンス型、INIAD MOOCs型、INIAD特別スカラシップ型を分けて解説します。出願条件や日程だけでなく、自作ソフトウェアのまとめ方、数学・プログラミングの学び方、志願理由書と口頭試問の準備まで、実際に手を動かせる順番に整理しました。
特に注意したいのは、事前適性審査の基準を満たしても、それだけで大学の入試に合格したことにはならない点です。この記事を読むと、自分がまず確認する条件と、書類・学習・発表のうち優先する準備が分かります。2026年10月18日時点で終了している申込期間も明示します。受験年度や希望する型を確かめながら、必要なところから読み進めてください。

東洋大学 情報連携学部の推薦、何から始める?
東洋大学情報連携学部のAOは3種類|最初に準備の入口を選ぶ
「東洋大学情報連携学部の推薦」とひとまとめに検索しても、実際の出願では型の選択が必要です。2027年度のAO型推薦入試は、コンピュータ・サイエンス型、INIAD MOOCs型、INIAD特別スカラシップ型の三つです。いずれも第1部の情報連携学科を対象にしています。
作品・学習・幅広い適性で、確かめられる材料が違う
コンピュータ・サイエンス型は、自分で開発して公開したソフトウェアを説明する入口です。すでに作品がある人は、機能の多さより先に、本人がどの部分を考え、どのように開発したかを確認しましょう。作品の見た目だけを整えても、説明できない部分が残ると準備は進みません。
INIAD MOOCs型は、大学が用意した教材でプログラミングを学び、高校数学とともに事前適性審査を受ける入口です。公式には、本格的なプログラミング経験を最初から求めるものではないと案内されています。ただし、教材を自分で学び、理解を確かめる準備は必要です。
INIAD特別スカラシップ型は、学習意欲や考える力、活動実績、プログラミングの素養などを幅広く見る入口です。「奨学金があるから」という理由だけで選ぶのではなく、自分の活動と学部の学びのつながりを確かめます。事前審査の内容も、MOOCs型と同じではありません。
募集人員は型ごと、MOOCs型は実施回ごとに見る
2027年度の募集人員は、コンピュータ・サイエンス型が5人、INIAD MOOCs型が1回目12人・2回目12人、INIAD特別スカラシップ型が2人です。MOOCs型の12人を二つの回の合計と読み違えないようにしましょう。募集人員だけから合格のしやすさを判断することもできません。
例えば、作品が未完成なのに募集人員だけを比べてコンピュータ・サイエンス型を選ぶと、作品公開や説明資料の準備が足りなくなります。反対に、作品制作が得意でも数学の学習を止めてよいわけではありません。自分の現在の材料と、各型の必要条件を照らし合わせることが先です。
正式な制度名、募集人員、選考内容は、東洋大学の2027年度入学試験要項で確認できます。以降は公式の条件と、準備のための提案を分けて説明します。
出願資格を先に確認|評定だけで判断しない

成績表を見て「自分には無理かもしれない」と決める前に、当該年度の出願資格を読んでください。情報連携学部の三つの型では、共通して大学入学資格と、合格した場合の入学確約が求められます。そのうえで、型に対応する事前適性審査の基準を満たす必要があります。
全ての型で、第一志望として入学する意思が必要です

三つの型は専願です。大学入学資格を持つ人、または取得見込みの人で、情報連携学科を第一志望とし、合格した場合に必ず入学することを確約できる人が対象です。「ひとまず合格を確保してから進学先を決める」という使い方はできません。
家族と話すときは、学部名だけでなく、学ぶ内容、通学や住まい、費用、入学後の学習まで確認しましょう。例えば、プログラミングだけを学ぶつもりだった場合には、数学や他者との連携も重視する学部の方針とのずれがないかを点検します。専願の判断には、入学後の生活も含めた理解が必要です。
一律の評定数値は記載されていませんが、調査書は提出します
2027年度要項の三つの型の出願資格には、一律の評定平均の数値や、英語外部試験の最低点は記載されていません。ただし、調査書を提出し、書類選考に配点があります。「数値条件がないから学校の成績は見られない」と読み替えないでください。
特に数学は、学部が求める基礎学力として明示され、選考にも関係します。普段の授業で分からなかった単元をそのままにすると、事前審査や口頭試問の準備にも影響します。評定を維持する学習と、考え方を説明する学習を切り離さず進めましょう。
調査書の点数への換算方法や項目別の細かな採点基準は、ここで確認した公開資料からは分かりません。「評定がこの値なら書類で何点」といった計算をせず、出願資格、提出書類、公開された配点をそれぞれ確認してください。
高卒認定・海外の学校などは、自分の資格区分で確認する
大学入学資格は、高校卒業見込みだけではありません。高等学校卒業程度認定試験など、要項には複数の区分が示されています。ただし、必要書類は区分によって違います。自分に近そうな例で判断せず、該当する区分と証明書の名称をセットで確認しましょう。
例えば、高卒認定の合格者が必要とされるのは、所定の合格成績証明書です。単に合格したことだけを示す書類と取り違えないよう注意してください。海外の学校の課程を修了した場合なども、全学年の成績や卒業に関する書類を、共通要項の指示に沿って準備します。
東洋大学 情報連携学部の推薦、何から始める?
2027年度の日程|事前審査と本出願を別々に管理する
日程で最も起こしやすい失敗は、本出願の締切だけを予定表に書くことです。情報連携学部では、その前に事前適性審査があります。エントリー、事前審査の申込、結果確認、本出願という複数の手続を、別々の締切として管理しましょう。
10月実施と12月実施では、本出願の期間が違います
10月実施はコンピュータ・サイエンス型とMOOCs型1回目が対象です。本出願は2026年9月7日から9月10日、試験は10月18日、合格発表は11月2日、入学手続締切は11月13日です。受験票は10月2日以降が印刷可能予定日です。
12月実施はMOOCs型2回目と特別スカラシップ型が対象です。本出願は2026年11月27日から12月2日、試験は12月13日、合格発表は2027年1月8日、入学手続締切は1月14日です。受験票の印刷可能予定日は12月8日以降です。
2026年10月18日時点では、10月実施の本出願は終了しています。これから受験を考える人は、12月実施があるという情報だけで判断せず、対応する事前審査の申込や書類提出が可能かを確認してください。先に終了している手続があるためです。
コンピュータ・サイエンス型の事前審査は8月締切です
コンピュータ・サイエンス型の事前適性審査申込期限は、2026年8月29日午前10時、審査結果発表日は9月9日です。本出願の開始後に審査結果が出る日程なので、結果を待つ間にも、調査書や志願理由書など準備できる書類を進める必要があります。
2026年10月18日時点では、この事前審査の申込は終了しています。次年度以降を目指す場合は、今年度の日付をそのまま使わず、新年度の発表で確認してください。作品づくりだけに集中せず、夏より前に募集要項と学部案内を確認する習慣をつけましょう。
MOOCs型の事前審査は4回、申込は午前10時締切です
MOOCs型の事前審査は、2026年8月20日、9月5日、10月17日、11月14日に設定されています。各回の申込期限は、順に8月17日、8月31日、10月12日、11月9日の午前10時です。審査は各回14時から16時で、複数回の受験が可能と案内されています。
結果発表日は順に8月26日、9月9日、10月21日、11月18日です。10月18日時点では第3回の実施まで終了しています。残る第4回の申込期限は11月9日午前10時ですが、締切直前まで学習開始を待つのではなく、教材を確認し、必要な学習量を早く把握してください。
特別スカラシップ型は、本出願より早く書類提出が終わります
特別スカラシップ型の事前審査の書類提出期間は、2026年8月22日から8月29日、9月12日から9月19日、10月3日から10月10日です。いずれも最終日の17時が締切で、複数回の受験が可能とされています。
2026年10月18日時点では、公表された三回の書類提出期間は全て終了しています。12月13日に本試験があるからといって、11月から新たに事前審査へ申し込めると判断してはいけません。すでに手続した人は、その後の審査案内を本人の受験用サイトで確認しましょう。
日程管理は、本人の予定・学校の期限・出願条件を分けて確認します
自分でできること
公式の日程を転記し、エントリー、事前審査の申込、結果、本出願を別々に管理します。例えば、締切の時刻まで書きます。ただし、学校の発行日程は自分では決められません。調査書の依頼日が空欄なら、大学の締切を添えて学校へ相談しましょう。
学校の先生に頼めること
調査書の申請期限や休業中の対応、校内の相談日程を確認してもらえます。ただし、大学側の受付や専願条件の解釈を学校だけで確定することはできません。学校の締切と大学の手続が重なる場合は、本人の作業表も渡して調整します。
プロに頼ったほうがよいこと
事前審査と本試験を見通した準備量や、専願条件を守った出願計画の点検を頼めます。例えば、結果待ちの間に進める書類を整理します。ただし、終了した申込を復活させることはできません。日程を並べても実行順が決まらない場合に相談しましょう。
日程や審査の進め方は、学部公式の事前適性審査案内でも確認できます。受験年度と希望する型をそろえて読みましょう。
事前適性審査の手続|エントリーだけでは受験できません
大学の学部サイトには、事前適性審査の流れが掲載されています。重要なのは、最初のエントリーと、審査を受けるための申込が別である点です。登録完了の画面を見て安心せず、どの手続まで完了したかを記録してください。
本人のGoogleアカウントで案内を受け取る
事前適性審査では、受験生本人のGoogleアカウントを使用します。公式には、学校から付与されたアカウントや、家族のアカウントは使えないとされています。普段学校の端末でしか作業しない人は、早い段階で利用環境を確かめましょう。
エントリー後は、登録したメールアドレスに、事前適性審査の受験用サイトが案内されます。一度エントリーすれば同一年度内はサイトを確認できるとされています。1週間以上たっても案内が届かない場合の問い合わせ先も、学部の公式ページに掲載されています。
例えば、家族が代わりにメールを管理していると、受験生本人が教材や締切の更新を見落とすことがあります。受信できるかの確認は家庭で協力して構いませんが、案内を読み、必要な手続を理解する役割は本人が担うようにしましょう。
受験用サイトで教材と申込方法を確認する
MOOCs型のプログラミングは、受験用サイトに掲載された大学提供の教材を使って学習します。プログラミングと数学の出題例も案内されています。市販教材だけで範囲を決めず、まず大学の教材と出題例を確認してください。
MOOCs型の2027年度エントリー期限も、2026年11月9日午前10時です。事前審査を受けるには、エントリーに加えて、受験用サイトから各回の申込を行う必要があります。申込期限は午前10時など、大学の本出願の23時59分とは異なります。「その日の夜までに登録すればよい」と思い込まないよう、時刻まで予定表に書きます。
公開ページでは分からない、ログイン後の資料提出形式や個別の指示は、本人に届く案内で確認します。公開されていない資料枚数や提出項目を、別年度の受験記から補って決めるのは避けてください。最新の本人向け案内を基準にします。
事前審査は本人だけで受け、合格後も学習を続ける
公式案内では、自分の部屋など、周囲に他人がいない環境で一人で受験するよう求められています。事前の学習で質問することと、本番で他者の助けを受けることは別です。使用できる道具や資料についても、その回の案内に従ってください。
基準を満たした人には、出願時に使う事前適性審査受験証明書が発行されます。証明書は発行年度のみ有効とされています。過年度の証明書があるから今年も出願できる、と判断しないでください。また、証明書が出ても本試験の合格を意味するわけではありません。
学部は、本試験でも事前審査の学習範囲が身についているか確認すると案内しています。審査後に教材を閉じるのではなく、間違えたところを復習し、説明できる状態を保ちましょう。事前審査対象の入試で入学する場合には、学部独自の入学前教育の受講も必須です。
コンピュータ・サイエンス型|自作ソフトの条件を取り違えない
コンピュータ・サイエンス型は、「プログラミングを習ったことがある」だけでは条件を満たしません。自作ソフトウェアをGitHub上で公開していることが必要です。GitHubは、プログラムの内容や変更履歴などを管理し、公開できるサービスです。
学校やスクールの課題作品は、対象作品に含めません
要項では、教育機関やプログラミングスクールの授業・課題の一環として取り組んだソフトウェアではなく、個人として開発しているソフトウェアに限定しています。この条件は、見た目の完成度より先に確認する必要があります。
例えば、授業で全員が作ったアプリに色や表示文を加えただけのものを、当然に個人開発として扱ってはいけません。授業との関係や開発の経緯が判断しにくい場合は、申込前に大学へ確認します。自分に都合よく「個人で操作したから個人開発」と読み替えないでください。
学校で学んだ知識を、別の課題に対する自分の開発へ生かすことは、準備の方向として考えられます。ただし、対象になるかは実際の開発内容と大学の条件によります。作品名だけでなく、着想、制作開始、参考にしたもの、自分が変更した部分を記録しておきましょう。
標準的な環境で動くことと、本人の開発内容を示すこと
要項は、スマートフォンのアプリ、ウェブ上のアプリ、パソコンで動くソフトウェア、小型コンピュータ上のソフトウェアなどを例示しています。標準的に入手できる環境で動くプログラムであれば、種類を特に限定しないという案内です。
したがって、見栄えのするアプリだけが選択肢ではありません。例えば、毎日の記録を整理する小さな道具でも、どのような問題を解こうとし、何を工夫したかを説明する練習ができます。ただし、ここでの例は作品選びの考え方であり、大学が特定の題材を有利に評価すると示したものではありません。
書類100点と発表・質疑応答・面接100点をつなげる
この型の配点は、書類選考100点と、プレゼンテーション・質疑応答・面接100点です。事前審査では、発表資料とGitHub上のソフトウェアのURLを提出し、その内容の審査を受けます。本試験で説明する内容も、この提出物とつながります。
書類では立派に見えるのに、口頭では仕組みを説明できないという状態を避けましょう。発表原稿を先に暗記するのではなく、作品のどの部分を見ても、目的、処理、工夫、限界を話せるようにします。詳しい提出形式は、本人向けの事前審査サイトで確認してください。
日程や審査の進め方は、コンピュータ・サイエンス型の公式案内でも確認できます。受験年度と希望する型をそろえて読みましょう。
作品を説明する材料|完成画面より「どう直したか」を残す
作品が動くことは大切ですが、その画面だけでは開発の過程は伝わりません。コンピュータ・サイエンス型の準備では、作った結果と、そこへ至った判断を結びつけます。自分が作ったことを説明するために、日々の作業記録を残すことが役立ちます。
問題・利用者・機能を、一つの線でつなぐ
最初に「誰が、どの場面で、何に困るのか」を短く書きます。そのあと、作品の機能を一つずつ対応させてください。例えば、入力作業が重複するという課題なら、どの入力を減らし、どこで情報を確認できるようにしたのかを示します。
ここで必要なのは、全ての社会問題を解決する大きな宣言ではありません。使う場面を絞るほど、必要な機能や確かめる方法が具体的になります。「便利です」という一言を、操作の回数、入力の手間、見落としやすい場所などに分けて説明してみましょう。
利用者の意見を聞く場合は、個人情報を集めすぎないようにします。氏名や連絡先がなくても、使いにくかった操作を聞けることはあります。実際に聞いていない意見や、測っていない時間短縮を実績として書かないでください。未検証の部分は、今後確かめたい点として分けます。
設計の選択理由を、別案との比較で説明する
開発では、同じ機能を作るにも複数の方法があります。なぜその方法を選んだのかを、別の案と比べて説明する練習をしましょう。速さだけでなく、理解しやすさ、修正しやすさ、動かせる環境なども比較の観点になります。
例えば、複雑な機能を一度に作るより、必要な入力と出力だけに絞って動くものを作った場合、その判断理由を説明できます。「技術が足りなかった」で終わらず、何を優先し、何を後回しにしたかを具体的にしてください。できないことを隠すより、判断の筋道が伝わります。
参考にした説明や、外部の部品を使った場合は、その範囲を整理します。全部を自分で作ったように説明すると、実際の開発内容とのずれが生じます。どの知識を学び、どの部分に応用したかを分けて話せるようにしましょう。
不具合の記録は、原因と確認方法まで残す
不具合が起きたら、発生した条件、期待した動作、実際の動作、調べた原因、修正した内容、修正後の確認を記録します。長い日記にする必要はありません。後から同じ問題を説明できる程度に、具体的な入力や画面を残すことが重要です。
例えば、何も入力しないと処理が止まる場合には、通常の入力だけで確認していたことが問題かもしれません。空欄、想定外の文字、同じ操作の繰り返しなど、複数の条件を試す習慣が必要です。完成したように見えた作品を、別の条件から見直すことが学びになります。
発表に使うときは、全ての不具合を並べるのではなく、自分の考え方が伝わるものを選びます。「困った、検索した、直った」だけでは説明が浅くなります。どこに原因があると考え、どの順番で確かめたかを一段深く説明してください。
出願条件と準備の優先順位を早めに確認したい方へ
受験相談では、今の学年や活動状況から、最初に確認する条件と今週始める準備を整理できます。
- 出願できる方式と未確認の条件
- 評定・活動・書類のうち先に動く項目
- 志望学部に合わせた準備の順番
作品の改善は、自分の判断を残しながら助言を受けます
自分でできること
目的、利用する人、必要な機能を決め、開発や動作確認を行います。例えば、不具合の入力条件と修正前後を記録します。ただし、動けば十分と考えると説明の不足を見逃します。作った理由を説明できない機能があれば、記録を持って第三者に確認を頼みます。
学校の先生に頼めること
情報の授業で学んだ考え方や、制作記録の分かりにくい箇所を確認してもらえます。ただし、授業の課題作品を個人開発と認める判断は大学の条件によります。授業との関係がある作品は、先生と経緯を整理したうえで大学に対象となるか確認します。
プロに頼ったほうがよいこと
本人の工夫がどの資料で伝わるか、作品説明と志願理由にずれがないかを点検してもらえます。ただし、代作や成果の誇張はできません。機能紹介はできても、設計の選択理由や改善の意味が伝わらない場合に、資料の構成を相談します。
GitHubと公開資料|他者が確かめられる状態に整える
GitHubに置いたという事実と、第三者が内容を確かめられる状態は同じではありません。公開先のURLが正しいか、必要なファイルがそろっているか、動かすための説明があるかを確認しましょう。これは大学指定の採点項目を増やす話ではなく、作品の内容を伝えるための準備です。
説明文には目的・動かし方・できることを書く
公開する説明には、作品の目的、必要な環境、動かす手順、主な機能、注意点をまとめます。専門用語を並べるだけでは、初めて見る人が何を確認すればよいか分かりません。最初の数行で、何のための作品かが伝わるようにしましょう。
例えば、利用者が自分のパソコンに何かを追加しないと動かない場合、その条件を省略しないでください。開発した本人の環境でだけ動く状態を、誰でもすぐ使えると説明するのは不正確です。別の環境で試していない場合は、その点も整理しておきます。
公開前には個人情報や秘密の情報を取り除く
作品の公開では、パスワード、サービスに接続するための秘密の情報、本人や友人の個人情報が含まれていないか確認します。動作確認に実際の氏名や連絡先を使った場合には、公開してよいデータへ置き換える必要があります。
画面の画像にも注意が必要です。背景に学校名や個人のアカウント、他人のメッセージが映っていないかを確認してください。作品を伝えるために必要のない情報まで公開する必要はありません。安全に公開できる状態を作ることも、開発の準備の一部です。
第三者の画像や文章、プログラムを利用している場合は、利用条件を確認します。出典を書けば何でも自由に再公開できるわけではありません。使ってよい範囲が分からない素材は、そのまま作品と一緒に公開せず、条件の明確な素材へ見直しましょう。
自分の説明と公開物が一致しているかを確認する
発表資料で説明する機能と、公開された版にある機能が違うと、読み手が迷います。どの時点の内容を説明しているのかをそろえ、提出後の扱いは大学の指示に従ってください。審査用の提出物を勝手に差し替えられるとは考えないようにしましょう。
練習では、作品を見ていない人に説明文だけ読んでもらい、「何をするものか」「どこを見ればよいか」を言ってもらいます。理解がずれた部分を修正することで、本人には当たり前の情報が抜けていたことに気づけます。難しい言葉を増やすより、確認の順番を整えてください。
公開前の確認は、説明の分かりやすさと情報の安全を分けます
自分でできること
公開先のURL、必要なファイル、動かす手順を確認し、秘密の情報や他人の情報を除きます。例えば、自分がログインしていない状態でも説明を読めるか確かめます。ただし、自分の環境だけでは再現性を判断できません。別の人が手順で止まったら原因を調べます。
学校の先生に頼めること
説明文が初めて読む人にも伝わるか、学校や活動の情報を公開してよいかを相談できます。ただし、先生が全てのソフトウェアや公開設定に詳しいとは限りません。権限や秘密の情報の扱いが不明なら、公開前にその分野に詳しい人へ確認を求めます。
プロに頼ったほうがよいこと
提出資料と公開作品の対応、本人が担当した範囲の説明を点検してもらえます。ただし、入試指導と技術的な安全確認は同じ専門分野ではありません。プログラムの公開に不安がある場合は技術に詳しい人へ、作品の対象条件は大学へ確認先を分けます。
コンピュータ・サイエンス型の5分発表|作品紹介だけで終わらせない
本試験では、事前審査時に提出した資料を要約して、受験生一人あたり5分厳守で発表します。質疑応答と面接を含め、全体では30分程度が想定されています。5分の発表と、その後に詳しく聞かれる内容を分けて準備しましょう。
最初の説明で、目的と本人の工夫を伝える
発表の組み立て方としては、課題、作品の仕組み、自分の工夫、確認した結果、今後の改善という順番が考えられます。これは練習のための提案であり、大学指定の構成ではありません。提出済み資料の内容から、最も伝える必要のある部分を選びます。
例えば、機能を最初から最後まで全て操作して見せると、なぜ作ったのかを説明する時間がなくなります。代表的な操作を選び、その操作がどの課題を解くのかを短く添えましょう。作品の画面と、自分の判断がつながる発表を目指します。
話す速さを上げて詰め込むより、発表内容を減らして筋道を明確にしてください。聞き手が初めて見る名称や仕組みは、一度で理解できるとは限りません。重要な図や画面で一呼吸置き、次の説明との関係が分かるようにします。
5分を計り、削るところを決める
最初の練習では時間を計り、どこで長く話しているかを記録します。背景説明が長い、技術名の説明が多い、操作を待つ時間が長いなど、原因を分けてください。長すぎる場合は、一文を短くするだけでなく、発表で扱う内容そのものを見直します。
5分に近づいたら、途中で言い直しても終われるかを確かめます。原稿を一字ずつ覚えると、一つ抜けたときに流れが止まりやすくなります。各画面で伝える中心を短い言葉にまとめ、その順番で話す練習に切り替えましょう。
発表の録画を確認するときは、声の印象だけでなく、画面の変化と説明のタイミングを見ます。説明している場所と、画面で指している場所が違うと伝わりません。操作しながらでも、課題と工夫が一貫しているかを点検してください。
自分のパソコンと接続機器を準備する
要項では、自分のパソコンを持参して発表し、その他の資料は持ち込めないとされています。機器や備品の貸出はありません。電源ケーブルや必要な周辺機器を自分で用意します。会場ではHDMIのタイプAのケーブルを接続して投影します。
パソコンに直接接続できない場合は、適合する変換アダプタを持参する必要があります。端子の形が似ているだけで判断せず、自分の機器で実際に画面を映して確認しましょう。発表前夜に初めてアダプタを買うと、不具合に対応する時間がなくなります。
当日のネット接続や追加資料の使用を、自己判断で前提にしないでください。必要な動作条件を整理し、案内で認められた範囲で準備します。会場に持ち込めるものと、練習用に使うものを分け、不要な資料を増やさないことも大切です。
5分発表は、計時・聞き取り・追加質問で役割を分けます
自分でできること
持参予定のパソコンで計時し、目的、仕組み、工夫を5分で説明する練習をします。例えば、操作待ちの時間も含めて録画します。ただし、本人には説明の飛躍が見えにくくなります。時間内でも要点を聞き手が言い直せなければ、第三者へ確認を頼みます。
学校の先生に頼めること
声量、視線、時間、図の見やすさや基本的な質疑を確認してもらえます。ただし、実装や設計について専門的に掘り下げる練習まで毎回頼めるとは限りません。作品を知らない人にも伝わる段階に達したら、技術の選択理由を問う練習へ進みます。
プロに頼ったほうがよいこと
発表後の質問まで含め、根拠の弱い説明や書類との食い違いを点検してもらえます。例えば、別案を選ばなかった理由を説明する練習です。ただし、実際の質問や評価点は保証できません。原稿は話せても質問で止まる場合に、具体的な改善を頼みましょう。
MOOCs型|経験の有無より、自分で学んだ内容を説明できるか
MOOCs型は、「未経験でも何も準備しなくてよい入試」ではありません。大学が示す教材を使って自分で学習し、事前審査で基準を満たしたうえで、本試験の面接を受けます。経験が浅い場合ほど、何を理解したかを細かく確かめる学習が必要です。
事前審査はプログラミング45分と数学60分です
2027年度の学部案内では、プログラミングが45分、数学が60分とされています。プログラミングはPythonという言語を使います。教材を読むだけでなく、実際に入力して動かし、結果がなぜそうなるのかを説明する練習を重ねましょう。
数学の範囲は数学I・II・A・Bです。数学Aは「図形の性質」「場合の数と確率」、数学Bは「数列」「統計的な推測」が対象です。学校で履修した名前だけでなく、自分がどの単元まで学び、どの単元が未習かを確認してください。
数学Cは事前審査の出題範囲ではありませんが、学部は入学後の専門教育のために入学までの習得を必須としています。試験範囲に入らないから学ばなくてよい、と切り捨てないようにしましょう。試験前と入学前で、学習する時期を分けて計画します。
本試験は書類100点と面接100点です
MOOCs型の本試験は、書類選考100点と、口頭試問を含む面接100点です。要項には、事前適性審査の学習範囲について口頭で試験を行い、筆記用具を使用できると記載されています。事前審査の点数だけで本試験が終わるわけではありません。
例えば、プログラムを見て答えを選べても、処理を順番に説明できない場合は、口頭での確認に備えた練習が足りません。正答を出す練習に加えて、「最初に何を受け取り、どの条件で処理が変わり、何を出力するか」を言葉にしてください。
面接の細かな質問内容や時間は、ここで確認した要項では明示されていません。コンピュータ・サイエンス型の30分程度という記載を、MOOCs型にもそのまま当てはめないでください。公開されている範囲を基準にし、時間を決めつけず説明練習を行います。
日程や審査の進め方は、MOOCs型の公式案内でも確認できます。受験年度と希望する型をそろえて読みましょう。
Pythonの準備|写す・動かす・変える・説明する
プログラミングでつまずくと、「向いていない」と感じるかもしれません。しかし、入力の間違い、考え方の理解不足、問題文の読み違いでは、必要な直し方が違います。間違いを分けて記録すると、次に何を練習すべきかが明確になります。
教材の例を動かしたあと、条件を一つだけ変える
まずは大学の教材にある例を動かし、説明された結果と一致するか確かめます。そのあと、一度に多くを変更せず、数字や条件を一つだけ変えてみましょう。変更前に結果を予想し、実際の結果と比べることが理解の確認になります。
例えば、繰り返しの回数を変えたとき、表示される数がどう変わるかを予想します。予想と違えば、どの時点で値が変わっているかを順に追います。動いたという事実だけで終えるのではなく、動き方を言葉にすることが重要です。
教材を見ながら入力できる状態と、説明なしで考えられる状態は違います。同じ例を繰り返すだけでなく、条件を変えた短い問題に取り組みましょう。ただし、試験範囲を自己判断で広げすぎず、大学の教材や出題例に戻って優先順位を確かめます。
エラーは、表示・原因・修正を分けて記録する
プログラムが止まったときは、表示された内容、止まった場所、直した内容をメモします。綴りや記号の問題なのか、処理の順番が違うのかを分けてください。毎回同じ間違いをしているなら、その部分だけ短い練習を作ると復習しやすくなります。
検索や質問をした場合も、得られた答えをそのまま保存するだけでは足りません。なぜその修正で直るのかを自分の言葉で説明し、別の入力でも動くかを試します。説明できない修正が残ったら、その場で分かったことと、まだ分からないことを分けておきましょう。
本番の審査で使える補助は、大学の指示に従います。学習中に使った道具が、そのまま試験中も認められるわけではありません。試験の練習では、指定された条件を確認したうえで、本人だけで解く時間を必ず設けてください。
短い説明を毎回一つ残す
学習を終えたら、「今日は何をできるようになったか」を一文で書きます。「教材を3ページ進めた」ではなく、「条件によって表示を変える処理を説明できた」というように、理解した内容で記録しましょう。進んだ量と理解の深さを分けて見られます。
次の日は、その記録だけを見て説明を再現します。説明が途切れる場合は、前日の理解がまだ曖昧だった部分が分かります。口頭試問に向けては、この小さな説明を積み重ねるほうが、直前に大量の用語を暗記するより準備の不足を見つけやすくなります。
Pythonは、実行結果を確かめる人と理解を見直す人を分けます
自分でできること
指定教材を読み、実行し、条件を一つ変えて結果を予想します。例えば、繰り返しの途中の値を紙に書きます。ただし、動いた理由が分からないまま進むと理解の不足が残ります。説明できない行を特定し、試した入力と結果を添えて質問しましょう。
学校の先生に頼めること
基本的な処理の順番や、授業で扱う情報の知識を質問できます。ただし、受験用サイトの教材全体を先生が把握しているとは限りません。質問する箇所と自分の考えを渡し、どこまで確認してもらえるかを先に相談すると学習が進めやすくなります。
プロに頼ったほうがよいこと
教材の理解を口頭試問につなげる練習や、間違いに応じた学習順の点検を頼めます。ただし、本番の審査を代わりに解いたり、未公開の出題を断定したりはできません。答えは出ても条件を変えると説明できない場合に、理解の確認方法を相談します。
数学の準備|正解した問題も、理由を声に出す
数学は計算結果だけを覚えても、条件を変えた問題に対応しにくくなります。情報連携学部が数学や論理的に考える力を重視していることを踏まえ、使う考え方、式の意味、答えの確かめ方まで説明する練習を取り入れましょう。
まず未習・理解不足・計算ミスを分ける
数学I・II・A・Bの範囲を、まだ習っていない単元、習ったが説明できない単元、理解しているが間違える単元に分けます。全てを「苦手」とまとめると、何から手をつけるか決まりません。学校の教科書の目次と、大学の指定範囲を照合してください。
未習の単元は、基本的な意味から学ぶ必要があります。計算ミスが中心なら、途中式の省略や符号の扱いを確認します。解説を読むと分かるが自力では進められない場合は、最初に何を置き、どの関係を使うかを言葉にする練習が役立ちます。
例えば、確率の問題で答えが合わないとき、場合の数の数え方が重複しているのか、全体の数を取り違えているのかを分けます。公式だけを増やすのではなく、何を一つの結果として数えているかを図や表で確かめてください。
口頭では、式の前に何を求めるかを言う
説明練習では、まず「何を求める問題か」「何が分かっているか」を短く述べます。そのあと、使う関係や式を示し、計算を進めます。最後に、得られた値が問題の条件に合っているかを確認してください。
例えば、数列の問題なら、どの量が何番目に対応するかを先に説明します。記号だけを読み上げるのではなく、「一つ進むと何が増えるのか」「初めの値は何か」を言葉にしましょう。式の意味が分かると、途中で計算を間違えた場合にも戻る場所を見つけやすくなります。
筆記用具を使える口頭試問では、頭の中だけで全てを処理しようとする必要はありません。ただし、黙って計算し続けるのではなく、考えていることを短く伝える練習をします。説明と計算を交互に進め、相手が筋道を追えるようにしましょう。
学習時間は、単元の不足から決める
毎日同じページ数を進める計画は、達成しやすく見えても、難しい単元で止まりやすくなります。まず必要な単元と現在の理解を確認し、その週に何を説明できるようにするかを決めましょう。目標を「何時間勉強するか」だけにしないことが大切です。
学校の先生には、解けなかった問題と自分の途中式を見せて質問します。「全部分かりません」より、「この関係を使うと考えたが、次の式へ進めない」と伝えるほうが、具体的な助言を受けやすくなります。教わったあとには、似た問題を一人で解いて確かめてください。
数学は、単元の理解と口頭での説明を別々に点検します
自分でできること
未習、理解不足、計算ミスを分け、教科書の基本問題を解き直します。例えば、正解した問題も式を選んだ理由を声に出します。ただし、自分の説明の誤りを見抜けないことがあります。解説を見ても理由が分からない式は、途中式を残して先生に質問します。
学校の先生に頼めること
未習単元の学び方や、式の意味、途中式の誤りを相談できます。ただし、通常の答案確認だけでは面接での説明まで確かめきれません。解けるようになったら、条件、式、答えの順に説明を聞いてもらい、飛ばした根拠を指摘してもらいましょう。
プロに頼ったほうがよいこと
数学の理解と受け答えを合わせた模擬口頭試問で、どこに戻って復習すべきかを点検してもらえます。ただし、入試直前の話し方だけで未習範囲を補うことはできません。紙では解けるのに質問の意図を外す場合に、説明の組み立てを相談します。
特別スカラシップ型|奨学金の条件と選考を分けて読む
INIAD特別スカラシップ型は2027年度からの入試方式です。新しい制度ほど、名前から内容を想像せず、公式に示された選考と支援内容を分けて確認しましょう。「合格すれば4年間の全費用がなくなる」といった理解は正確ではありません。
事前審査では五つの観点が公表されています
学部は、関連分野への学習意欲と可能性、未知の課題を筋道立てて考える力、関連分野での活動実績、プログラミングの素養、高校までの学習内容の十分な理解を、事前審査の観点として挙げています。数学などの学習も含まれます。
これらを準備するときは、項目ごとに立派な言葉を一つずつ書くのではなく、一つの活動から何を示せるかを考えます。例えば、制作が途中で止まった経験でも、原因を調べ、学び直し、次の方法を試した経緯があれば、自分の考え方を説明する材料になります。
ただし、失敗したこと自体が評価されると決めつけてはいけません。どのような課題に対して、何を考え、何を試し、どこまで分かったかを具体的にします。結果が出ていない部分は、結果があるように書かず、今後の課題として区別してください。
AIによる総合型テストのあと、面接による審査があります
公式案内では、事前に提出した書類をもとに、AIによる総合型テストを実施します。その合格者に対して、対面またはオンラインで面接を行うとされています。AIとは人工知能のことで、この方式では大学が用意する選考の仕組みとして使われます。
公開ページだけでは、具体的な問題、制限時間、細かな採点方法までは確認できません。「AIに好まれる答え」を推測して暗記するより、自分の書類に書いた活動や判断を正確に説明できる状態を作ります。本人向けの受験用サイトにある指示を必ず確認してください。
特別スカラシップ型の本試験の配点は、書類選考100点と面接100点です。事前審査の面接と、大学の本試験の面接を同じ手続として扱わないでください。受験証明書を得たあとにも、本出願と本試験があります。
給付額は結果で決まり、進級時にも審査があります
この方式の合格者は、INIAD特別スカラシップの対象になります。支援内容は最大で1年間の授業料相当額の給付で、初年度の給付額は入試の結果により決まります。全員に必ず最大額が給付されるという説明ではありません。
在学中に複数年受給することはできますが、進級時に学業成績や活動実績等を踏まえて、継続と給付額の審査があります。入学金、施設設備に関する費用、生活費まで全て対象と読み替えず、家庭の費用計画では支援の対象と範囲を区別しましょう。
具体的な給付額や手続は、合格者に個別に案内されます。詳細は学部のスカラシップ制度案内で確認してください。制度への期待と、条件を満たし続けるための学習計画を一緒に考えることが大切です。
活動報告と事前審査は、事実・学び・本人の説明をそろえます

自分でできること
活動の日時、自分の担当、試したこと、分かったことを記録から整理します。例えば、チーム全体の成果と自分の作業を分けます。ただし、自分に都合のよい結果だけを選びがちです。活動の説明と記録が一致するか、関係する先生に確認を頼みましょう。
学校の先生に頼めること
学校での活動や役割の事実、学習の積み重ね、文章の分かりやすさを確認してもらえます。ただし、学校外の活動や非公開の審査内容までは判断できません。外部活動の記録は本人がそろえ、審査の不明点は受験用サイトや大学で確認します。
プロに頼ったほうがよいこと
公表された五つの観点に照らし、活動の説明で何が伝わり何が不足するかを点検してもらえます。ただし、人工知能の非公開採点を推測した合格法はありません。実績の一覧はあるのに、判断や学びを具体的に話せない場合に構成の助言を求めます。
日程や審査の進め方は、特別スカラシップ型の公式案内でも確認できます。受験年度と希望する型をそろえて読みましょう。
型が決めきれないときは、現在の材料と不足を整理する

「作品はあるが説明に自信がない」「数学をどこから復習すべきか分からない」というときは、全てを同時に仕上げようとせず、現在の材料を整理しましょう。型の条件を満たすかという確認と、合格へ向けた準備の深さは別の問題です。
例えば、作品の条件を満たしていても、志願理由と学部の学びがつながっていない場合があります。反対に、志望理由がはっきりしていても、事前審査の範囲に未習単元が残っていることもあります。条件、学習、説明の三つに分けると、次に着手することが見つかります。
受験相談では、受験年度と希望する型、数学の学習状況、作品や活動の記録をもとに、準備の優先順位を整理できます。完成した志願理由書がなくても、現在分かっていることと迷っていることを分けておくと、相談の焦点が定まります。
- 三つの型の条件と現在の経験を照合し、大学への確認が必要な点を整理します。
- 作品・数学・プログラミング・志願理由のうち、優先して補う準備を考えます。
- 事前審査と本出願の締切から、学習と書類作成の順番を組み立てます。
志願理由書|「情報が好き」を大学での学びに変える
三つの型で共通して提出するのが、大学所定の志願理由書です。2027年度要項では、所定用紙を出力し、本人が黒ボールペンで自筆記入するよう指定されています。作品の説明資料や事前審査の提出書類とは、役割を分けて考えましょう。
関心の出発点は、具体的な場面に絞る
「将来は情報技術で社会を変えたい」だけでは、なぜそう考えたのかが伝わりません。最初に、関心を持った場面を一つ選びます。自分で制作した経験、学校で調べた課題、日常で不便を感じた場面など、事実として説明できるものを使いましょう。
例えば、同じ情報を何度も入力する場面に疑問を持ったなら、何が重複し、誰の負担になり、どのような方法で改善できそうかを考えます。まだ解決できていなくても、調べたことと分からなかったことを整理できます。実際に行っていない調査や制作を加える必要はありません。
関心の出発点を詳しくしすぎると、大学で何を学ぶかを書く余地がなくなります。出来事の説明は必要な範囲に絞り、その経験から生まれた問いを示してください。「経験したから志望する」ではなく、「経験から何を学ぶ必要を感じたか」へ進めます。
自分の不足を、学びたい内容に結びつける
志願理由では、できることだけでなく、さらに学びたいことを説明します。例えば、動くものは作れたが使う人のことを十分に考えられていないなら、人とコンピュータの関わりや設計について学びたいという方向につなげられます。
データを集めたが意味を読み取る方法が分からないなら、統計やデータ分析の学習とつながります。大切なのは、大学の科目名を並べることではありません。現在の課題、必要な知識、大学で取り組みたい学習が、一つの流れになっているかを確認してください。
学部の説明をそのまま写すと、本人の経験が消えてしまいます。「この科目があるから魅力的です」で止まらず、その科目で何を確かめ、どのような制作や研究へ進みたいかを自分の言葉で書きましょう。専門用語は、説明できるものだけを使います。
所定用紙の指示を確認してから清書する
ここで確認した情報連携学部の個別要項には、志願理由書の一律の字数指定は記載されていません。他学部の1000字や600字という条件を転用しないでください。最新の所定用紙と、受験用サイトの追加指示がある場合はその内容を確認します。
下書きの段階では、経験、問い、学びたい内容、入学後の行動を別々に整理します。その後、同じ説明を繰り返していないかを見直して、用紙に収まる文章へ整えましょう。清書前に内容を確定させるほうが、書き直しによる負担を減らせます。
自筆は文字の上手さを競うための練習ではありません。読み手が迷わない大きさで、誤字や脱字なく書ける状態を目指します。記入欄やページ番号、受験番号欄など、所定用紙の注意を一つずつ確認し、記入しない欄へ書き込まないようにしてください。
志願理由書は、経験の整理・文章確認・学部との接続を分担します
自分でできること
実際の経験から生まれた疑問、調べたこと、学びたい内容を下書きにします。例えば、制作で解決できなかった点を一つ選びます。ただし、本人には学部紹介の書き写しと自分の理由の違いが見えにくいことがあります。経験が読み手に伝わるか学校で確認します。
学校の先生に頼めること
事実の誤り、文章の重複、意味が通らない箇所、所定用紙の記入漏れを確認してもらえます。ただし、全ての大学の教育内容を細かく比べる時間があるとは限りません。文章は整っても、なぜ情報連携学部かが説明できない場合は、学部との接続を見直します。
プロに頼ったほうがよいこと
大学が求める学生像と本人の経験を照らし、作品資料や面接まで一貫する志願理由の構成を点検してもらえます。ただし、本人にない経験や考えを加えることはできません。添削が表現の変更だけに止まる場合に、問いと学修計画の関係を相談します。
情報連携学部らしい学修計画|技術と他者との協力を結びつける
学部名の「連携」は、単に人と仲良くするという意味で終わりません。学部は、数学や情報技術の基礎を持ち、異なる専門性や背景を持つ人と協力して課題に取り組むことを重視しています。志願理由では、技術への関心と、他者と学ぶ姿勢を結びつけましょう。
数学・プログラミング・伝える力を土台にする
学部の公式カリキュラムでは、1・2年次にプログラミング、数理、コミュニケーションを集中的に学ぶ構成が示されています。技術の名前だけに注目せず、なぜ数学や伝える力も必要なのかを、自分の課題から考えてみてください。
例えば、分析結果を作っても、何を比べた数字なのか説明できなければ、相手は判断に使えません。動くアプリを作っても、使い方が伝わらなければ利用されません。技術を使う場面を想像すると、基礎学力と表現する力を一緒に学ぶ意味が見えてきます。
現在の苦手を隠す必要はありませんが、「数学が苦手なので触れたくない」という状態では学部の学びとずれます。どの単元を復習しているか、どのように理解を確かめているかを、行動として示せるようにしましょう。
科目群は、目的から組み合わせを考える
学部は、コンピュータ・システム、コンピュータ・ソフトウェア、ユーザ・エクスペリエンス、データサイエンス、ICT社会応用、ビジネス構築、コミュニティ形成という科目群を設けています。名称を全て暗記するより、自分の関心に関係する学びを比較してください。
例えば、地域の困りごとを情報で整理したいなら、地域の状況を理解する学びと、データを扱う学びの両方を検討できます。使いやすいサービスを作りたいなら、ソフトウェアの設計と、利用する人の体験を考える学びの関係を調べます。
ただし、組み合わせを考えただけで、具体的な授業内容まで分かったとはいえません。公式の科目例や教育方針を読み、何を身につけるための学びかを確認します。教員名だけを挙げて、その研究内容を説明できない状態は避けてください。
チーム実習で、何を持ち寄りたいかを考える
公式には3年次の情報連携チーム実習が示されています。異なる専門性を持つ人と一緒に課題へ取り組む学びです。志願理由では「チームで活動したい」だけでなく、自分が何を持ち寄り、他者から何を学びたいかを考えましょう。
例えば、制作が得意なら、利用者の立場から意見を出す人と協力すると、作るものの方向が変わるかもしれません。調査が得意なら、開発を進める人に何を伝えると判断しやすいかを考えられます。自分の強みと不足を両方理解することが、協力の計画につながります。
この学修計画は、入学後の選択を固定する宣言ではありません。現時点の関心から、なぜこの学部の学びを必要とするのかを説明する材料です。公式の学部カリキュラムを読み、自分の経験と対応する部分を短くまとめてください。
学修計画は、科目名より学ぶ必要性を説明できるか確かめます
自分でできること
公式の教育方針や科目群を読み、自分の不足と関係する学びを対応させます。例えば、データを集めた経験から分析方法を調べます。ただし、名称だけでは授業内容を理解したことになりません。説明できない科目は公式情報へ戻り、基礎知識を先生に質問します。
学校の先生に頼めること
数学や情報の基礎が、本人の関心とどう結びつくかを相談できます。ただし、大学の最新の授業内容や教員の担当まで学校で確定できるわけではありません。大学の情報を本人が用意し、自分の理解に無理がないかを確認してもらいましょう。
プロに頼ったほうがよいこと
経験、学びたい分野、入学後の行動がつながるか、他者と協力する計画が具体的かを点検してもらえます。ただし、履修や研究室への所属を保証することはできません。科目名を並べても何を身につけたいか説明できない場合に、計画の組み立てを相談します。
口頭試問の対策|答えが出る前の考え方も伝える
口頭試問とは、質問に対して口頭で答え、理解を確かめる試験です。情報連携学部では、型によって扱う内容が異なります。面接の礼儀だけを練習して終わらせず、数学やプログラミング、作品の仕組みを言葉で説明する時間を作りましょう。
コンピュータ・サイエンス型は作品と数学、情報技術を結ぶ
コンピュータ・サイエンス型の要項では、事前審査や発表に関する質疑に加え、志望動機、高校での数学の学習度合い、AI技術をはじめとする情報通信技術等について質問するとされています。一部で筆記用具を使用する場合もあります。
準備としては、自分の作品の機能を数学的な考え方へつなげて説明する練習が考えられます。例えば、並べ替える、条件に合うものを探す、数を集計するなど、作品の中で何をしているかを整理します。専門知識を大きく見せるより、実際に使った考え方を正確に話しましょう。
情報技術の話題についても、名前を知っているだけでは説明になりません。何をする技術か、どんな場面で使えるか、どのような注意点があるかを短く整理します。自分の理解を超える言葉を連続させず、分からない部分は分からないと区別してください。
MOOCs型は、学習した範囲を別の聞かれ方で説明する
MOOCs型では、事前審査の学習範囲が口頭試問の対象です。練習では、同じ内容を「何が起きるか」「なぜそうなるか」「条件を変えるとどうなるか」という別の聞かれ方で説明してみましょう。ここで挙げる問いは練習用で、実際の出題を予告するものではありません。
例えば、プログラムの結果を説明したあとに、入力の一部を変えた場合を考えます。数学なら、使った関係がどの条件で成り立つかを確認します。答えの形を覚えるだけではなく、条件と処理の関係を理解しているかを確かめる練習になります。
先生や家族に聞き手になってもらう場合は、正解を教えてもらうだけでなく、説明が分かりにくかった場所を伝えてもらいます。「ここで急に式が変わった」「この言葉の意味が分からなかった」という指摘が、説明を直す手がかりになります。
分からない質問では、分かっている条件から整理する
答えがすぐに出ないとき、黙ってしまう人も、思いついた言葉を次々に話す人もいます。練習では、まず質問の意味を確認し、分かっていることと、考える必要があることを分けるようにしましょう。聞き取れなかった場合は、確認してから答えます。
計算や処理を途中で間違えたと気づいたら、その場所を示して修正します。誤りを隠すより、自分で見直す手順を練習するほうが、説明の一貫性を保てます。ただし、試験中にどの程度の補助が得られるかは想定せず、自力で考える練習を中心にしてください。
面接・口頭試問は、答えの暗記より説明が止まる原因を分けます
自分でできること
提出した書類を読み、理由、根拠、条件を変えた場合を声に出して説明します。例えば、質問されたことに一文で答えてから理由を補います。ただし、想定した質問だけでは練習が偏ります。同じ説明を繰り返すだけになったら、学校で初見の質問を頼みます。
学校の先生に頼めること
基本的な受け答え、質問に答えているか、数学の説明の正確さを確認してもらえます。ただし、作品の技術や各型の選考を一度に見ることは難しい場合があります。基礎知識は分かっているのに追加質問で崩れるなら、型に応じた練習を検討します。
プロに頼ったほうがよいこと
書類、作品、学習範囲を組み合わせた模擬面接で、理解不足と説明不足を分けて指摘してもらえます。ただし、模擬面接の評価は大学の合否判定ではありません。練習後に何を直すべきか分からない場合に、具体的な質問と回答を示して改善を相談します。
公式の評価から準備を点検|「条件・理解・証拠・説明」の四つで見る
準備が進んでいるかを、勉強時間や文章の長さだけで判断しないようにしましょう。公式の出願条件、事前審査、本試験の内容をもとに、条件、理解、証拠、説明の四つで点検すると、不足が具体的になります。この点検は合格判定ではなく、学習と書類作成の順番を考えるためのものです。
条件は、本人の努力で直せるものと確認が必要なものを分ける
条件の欄には、大学入学資格、専願の意思、型に応じた事前審査、必要な公開作品などを書きます。確認済みか、未確認かを分け、未確認の項目には確認先を添えましょう。自分で判断できない条件を、気持ちの強さで埋めることはできません。
例えば、学校の課題に関係する作品の扱いが不明な場合は、発表練習より先に対象条件を確認します。審査の申込が終了している場合も、書類を完成させれば受験できるわけではありません。努力する順番を間違えないために、条件を先に整理します。
理解は、資料なしで短く説明して確認する
理解の欄では、数学の考え方、プログラムの処理、自分が選んだ技術の意味などを確認します。教材を開けば分かる状態と、本人だけで説明できる状態を分けてください。説明できない項目を具体的に書くことで、次の学習内容が決まります。
例えば、「数学が苦手」では広すぎます。「確率で全体の場合の数を決められない」「数列の式が何を表すか説明できない」と書き直します。プログラミングでも、「繰り返しの中で値が変わる順番を追えない」と具体化すれば、短い例で復習できます。
証拠は、実際に行ったことと確認できるものを対応させる
証拠の欄には、公開作品、作業記録、調べた資料、学習の記録など、本人の説明を支えるものを書きます。全てを大学へ提出するという意味ではありません。提出が必要なものと、自分の説明を確かめるための手元資料は分けます。
「利用者に好評だった」と書くなら、誰にどのように確認したのかを説明できる必要があります。反応を聞いていない場合は、好評と断定しません。成果の数字がないことを無理に補わず、観察できたことや、今後確かめる方法を具体的にしてください。
説明は、書類と口頭で同じ事実を伝えられるかを見る
説明の欄では、志願理由、作品資料、面接で話す内容が一致しているかを確認します。同じ言葉を繰り返す必要はありませんが、行ったことや考えた理由が変わってはいけません。書類で強く書きすぎた表現は、口頭で正確に説明できる範囲へ戻します。
四つの欄を確認したら、その週に直す項目を選びます。条件の未確認があれば先に確認し、理解の不足があれば学習へ戻り、証拠が整理されていなければ記録をまとめ、説明が曖昧なら模擬面接を行います。全てを「面接が不安」でまとめないことが改善の入口です。
高1・高2の準備|評定と基礎学習を止めず、小さく試す
早く準備を始めるほど、作品を作り直す時間、数学を学び直す時間、学部の学びを調べる時間を確保できます。情報連携学部では、活動の肩書きを増やすことだけを優先せず、基礎学力と自分で学ぶ習慣を育てましょう。高校の授業も、入試の準備につながります。
高校1年で優先したい準備|学習の記録と小さな制作を続ける
高1では、数学の授業で分からないところをためないことと、興味を持ったことを小さく試す習慣を作ります。プログラミングを始める場合も、大きなサービスを一度に作ろうとせず、入力して結果を出す短い処理から理解を積み上げましょう。
制作の記録には、作ったものの名前だけでなく、なぜ作ったか、どこで止まったか、何を調べたかを書きます。後から志願理由を考えるとき、完成画面だけでは思い出せない判断が材料になります。結果が出た日だけでなく、考え方が変わった日も残してください。
例えば、最初の案では使いにくいと分かり、入力の方法を変えたなら、その理由を書きます。失敗を特別な物語にする必要はありません。事実をそのまま整理することで、学び直しや改善の過程が見えるようになります。
高校2年で優先したい準備|学部の特徴と自分の問いを結びつける
高2では、大学名だけでなく、学部でどのような学習が行われるかを調べます。数学やプログラミング、他者との協力が必要な理由を、自分の経験と結びつけて説明してみてください。公式の教育方針を読んだあと、自分が共感した点と不足する点を分けます。
作品がある場合は、本人だけでなく、初めて見る人にも説明してみましょう。説明が伝わらなかった場所は、技術の理解不足なのか、言葉の選び方の問題なのかを分けます。第三者の反応を受けて直す経験は、発表や口頭試問の準備にもつながります。
MOOCs型を考える場合は、受験年度の教材が案内されたら内容を確認できるよう、学部サイトを見る時期を決めておきます。前年度の情報は準備の参考にとどめ、日程や範囲をそのまま使わないでください。公開前でも、高校数学の復習や基礎的な説明練習は進められます。
定期試験の学習と受験準備を別物にしない
学校の成績を維持する学習は、調査書を整えるためだけのものではありません。数学の概念を理解する、文章を正確に読む、考えを短く書くといった力は、入試の準備にも必要です。推薦を目指すから普段の学習を減らす、という判断は避けましょう。
週の計画では、学校の課題、数学の復習、制作や指定教材、学部研究の時間を分けます。全ての日に全てを入れる必要はありません。取り組んだ内容が記録に残り、次の週に不足を調整できる形にしてください。長時間の予定だけを作るより、続けられる学習の単位を決めます。
高3の準備|出願までの残り時間を、手続と学習に配分する
高3になってから準備を始めると、事前審査の締切までに学ぶ範囲や作品を整える時間が限られます。短期間で全てを埋められると考えず、最初に現在の条件と期限を確認してください。新しい活動を増やす前に、すでにある経験と不足を点検します。
春は受験年度の情報と、未習範囲を確認する
春の段階では、受験年度の要項が出ているかを確認し、まだ出ていなければ公開後に再確認する予定を入れます。同時に、数学の未習範囲や、プログラミングの理解が止まっている場所を整理しましょう。情報が出るまで学習を止める必要はありません。
コンピュータ・サイエンス型を考える場合は、作品が条件に合うかを確認します。公開や説明資料の準備を夏にまとめて始めると、見直しの時間が減ります。本人が作った範囲、参考にしたもの、動作条件を早く整理しておくことが重要です。
夏は事前審査と本出願を並行して準備する
2027年度のコンピュータ・サイエンス型では、事前審査の結果が本出願期間中に出ます。結果を見てから全ての書類を取り寄せる計画では、余裕がありません。結果に関係なく準備できる調査書の依頼や志願理由の下書きは、先に進めます。
MOOCs型でも、事前審査で基準を満たしたあとに面接の準備が必要です。審査に向けて学んだ内容を、そのまま口頭説明の練習へつなげましょう。間違えた問題の答えだけを覚え直すのではなく、考え方を説明できるかを確認します。
秋は、終了済みの期限と残る手続を分ける
2026年10月18日時点で新たに情報を調べる場合、コンピュータ・サイエンス型の事前審査申込と、特別スカラシップ型の公表済み書類提出期間は終了しています。日程が過ぎた方式を、記事の対策だけで受験可能にすることはできません。
MOOCs型については、残る第4回の事前審査に向けた手続と学習状況を確認します。期日が残っていることと、学習準備が整っていることは別です。指定教材、数学の範囲、本人の説明力を点検し、必要な準備量を具体的に把握してください。
準備計画は、残る期間に対して学習量を具体化します
自分でできること
各作業を調べる、学ぶ、書く、話すに分け、終えた証拠を残します。例えば、教材のページ数だけでなく説明できた内容を記録します。ただし、自分では必要時間を短く見積もりがちです。未習範囲や提出物が予定から遅れたら、学校の予定も含めて見直します。
学校の先生に頼めること
授業の進み方、定期試験、学校行事と受験準備の両立を相談できます。ただし、本人の制作や家庭での学習状況は共有しなければ分かりません。作業一覧と未完成のものを持参し、先生に依頼する期限と本人が取り組む期限を分けましょう。
プロに頼ったほうがよいこと
事前審査から本試験までの学習と書類の優先順位を点検してもらえます。ただし、短い期間で不足を全て補えると保証はできません。作業を減らす判断ができず、作品、数学、書類が同時に止まっている場合に、条件と現状をもとに順番を相談します。
学校で進めることと、専門的な助言を求めること
受験準備を全て一人で抱える必要はありません。一方、他者に文章や作品を作ってもらえばよいというものでもありません。本人の理解を確かめる入試だからこそ、自分が行う学習、学校に依頼すること、専門的な助言が役立つ部分を分けましょう。
学校には、学習と証明書の準備を早く相談する
学校で進めやすいのは、調査書の発行手続、定期試験の学習、数学の基礎の質問、志願理由の下書き確認、面接の基本的な受け答えなどです。先生へ相談するときは、大学の要項の該当箇所と、自分の困っている点を一緒に示します。
例えば、数学の口頭説明で止まる場合は、問題と途中式を持参して「この式を使う理由が説明できない」と伝えます。志願理由なら、「経験は書けたが大学での学びへつながらない」と具体的に相談します。相談内容を絞るほど、次に直すことが明確になります。
証明書の発行には学校側の手続があります。自分の清書が終わるまで依頼を待たず、必要な書類名と期限を早めに伝えましょう。学校の休業日や担当者の予定もあるため、本人の予定だけで発行日を決めないことが大切です。
専門的な支援は、評価内容とのつながりを確認するために使う
学部の選考内容を踏まえた志願理由の構成、作品説明と学修計画のつながり、口頭試問での説明の弱点などは、入試に詳しい指導者の助言が役立つ部分です。文章をきれいにするだけでなく、何が本人の理解として伝わるかを確認してもらいましょう。
模擬面接では、良かった・悪かったという感想だけで終わらせず、説明が途切れた場所や、根拠が弱かった表現を記録します。例えば、「技術名を挙げたが使う理由を答えられなかった」という指摘があれば、用語の暗記より、その選択理由の整理へ戻ります。
複数の大学や方式を検討している場合も、専願条件を含めて出願の順番を確認します。合格後の入学確約を無視した組み方はできません。外部の助言を受けても、大学の公式条件を最終確認する役割は本人に残ります。
代筆や代作ではなく、本人が説明を直す
志願理由や作品を他者が完成させ、本人が内容を十分に理解しないまま提出すると、面接で説明がつながらなくなります。助言を受けたら、自分で書き直し、何を変えたかを説明してください。添削後の文章をそのまま覚えることを目的にしないようにしましょう。
プログラムの修正を教わった場合も同じです。どの部分が間違っていて、どう直すと何が変わるかを本人が理解する必要があります。支援を受けるほど、自分が説明できる範囲を確認することが大切です。知識を補うことと、本人の作業を置き換えることを混同しないでください。
出願書類の準備|四つの基本書類と郵送を確認する
作品や学習に集中していると、出願書類は最後にそろえればよいと考えがちです。しかし、書類の不足や期限の誤りがあると、準備した内容を選考で見てもらえません。書類の作成、外部への依頼、印刷、郵送を別の作業として計画してください。
共通する基本書類は、志願票・調査書等・志願理由書・受験証明書です
三つの型の個別要項に示される基本書類は、志願票、調査書等、所定の志願理由書、事前適性審査受験証明書です。高卒認定などの区分では、調査書に代わる所定の書類が必要になります。自分の資格区分の指示を確認しましょう。
事前適性審査受験証明書は、基準を満たした場合に発行されるものをA4で印刷します。単に審査を受けたことを示す連絡や、申込完了のメールと取り違えないでください。特別スカラシップ型では、その型の事前審査の証明書が必要です。
志願理由書は、最新の所定用紙を使います。特別の指示がない所定用紙はA4縦・片面で印刷するよう、大学の案内に記載されています。印刷時にページの端が切れていないか、縮小しすぎていないか、実際の紙で確認してください。
調査書と写真は、発行・撮影時期にも注意する
高校卒業などの区分で提出する調査書は、出願時点から3か月以内に学校長が作成した厳封のものです。成績証明書だけでは受理されないという注意があります。封を開けて確認するのではなく、必要な書類の名称と発行時期を学校へ伝えます。
志願票の顔写真は、出願時点から3か月以内に撮影した縦4cm・横3cmのカラー写真などの条件があります。光沢仕上げで、普通紙への印刷は認められていません。要項の写真例を確認して、顔がはっきり分かるものを準備します。
写真は入学後の学生証にも使用されると案内されています。出願直前に手元の写真を切って使うのではなく、サイズや背景、撮影時期を確認しましょう。調査書も写真も、本文の内容とは別の形式条件として確認することが大切です。
登録・支払い・郵送の三つがそろって出願になります
大学への出願は、インターネット登録、入学検定料の支払い、出願書類の郵送が必要です。インターネット登録だけで完了ではありません。検定料は35000円で、別途手数料等がかかります。支払方法や手数料は、出願時の案内で確認してください。
郵送は、角2封筒に宛名ラベルを貼り、郵便局の窓口から簡易書留・速達で行います。出願期間内の消印が有効で、志願票は折り曲げずに封入します。最後の日の深夜まで登録できても、そのあと郵送の手続ができるとは限りません。
提出後は大学からの確認連絡に対応できるようにします。電話やマイページへの連絡を確認し、受付状況を見てください。発送した証拠を保存し、提出した書類の控えも手元に残すと、問い合わせがあった場合に内容を確認しやすくなります。
提出書類は、本人の照合と学校発行の確認を分担します
自分でできること
年度、型、資格区分に合う書類を一覧にし、記入、印刷、支払い、郵送を確認します。例えば、審査の申込メールと受験証明書を区別します。ただし、厳封書類を本人が開けて点検してはいけません。発行内容に疑問があれば、開封せず学校へ問い合わせます。
学校の先生に頼めること
調査書の発行や校内手続、学校で証明できる事項を確認してもらえます。ただし、事前審査の証明書や大学の受付状況を学校が代わりに保証するものではありません。発行時期や書類名が条件と合わない疑いがあれば、要項の該当箇所を添えて確認します。
プロに頼ったほうがよいこと
提出書類全体の内容のずれや、出願までに残る作業を第三者の目で点検してもらえます。ただし、証明書の発行や出願資格の最終判断は大学・学校の役割です。文章は完成しても書類の組み合わせや手順に不安がある場合に、確認項目の整理を頼みます。
本試験当日の準備|赤羽台とオンライン審査を混同しない
事前適性審査をオンラインで受けたため、本試験も自宅から受けられると思い込まないようにしましょう。三つの型の個別要項では、本試験の会場は赤羽台キャンパスです。集合は9時、説明は9時から9時20分、その後に各試験が始まります。
受験票で日時と会場を確認する
事前審査の案内と、本試験の受験票は別に管理します。受験票が印刷できる予定日になったら、氏名、受験する型、試験日、会場を確認してください。会場は学部によって違うため、他学部の記事で見た白山キャンパスへ向かわないよう注意します。
交通経路は、最寄り駅だけでなく、駅から試験会場までの移動も確認します。初めて行く場所では、改札や出口の違いで迷うことがあります。家庭で移動を相談するときは、集合時刻に合わせた乗車予定と、遅れが生じた場合の確認方法を整理しておきましょう。
当日は、受験票と筆記用具など、大学が指定する持ち物を確認します。コンピュータ・サイエンス型のパソコン持参条件を、MOOCs型やスカラシップ型へ勝手に広げないでください。型ごとの案内を基準に準備します。
パソコンを使う型は、普段の環境で最後まで通す
コンピュータ・サイエンス型では、持参するパソコンで発表練習を行います。別の端末でだけ練習していると、画面の比率や文字の大きさ、接続方法が変わることがあります。会場で必要になる周辺機器も含め、同じ構成で確認してください。
発表用の資料を開くまでの操作も練習します。起動後に更新が始まる、資料の保存先が分からない、電源ケーブルを忘れるといった問題は、内容の良し悪しとは別に起こります。前日に荷物を一つずつ確認し、当日の操作を複雑にしないことが大切です。
通信が必要な作品の場合は、試験で使える環境について大学の案内を確認します。会場に必ず自分の想定するネット接続があるとは限りません。不明点を自己判断で補わず、事前に確認し、認められた条件の中で発表を準備してください。
直前は、新しい内容を増やすより食い違いを直す
直前に新しい技術や大きな主張を加えると、書類や発表との説明がずれることがあります。提出した内容を読み直し、活動の事実、数学の理解、作品の仕組み、志願理由が一致しているかを確認しましょう。
例えば、志願理由書には地域の課題を書いたのに、面接では急に別の分野だけを話すと、関心のつながりが伝わりにくくなります。関心が変わった場合にも、どのような学習で考えが深まったのかを説明できるようにします。新しさより、本人の考えの筋道を優先してください。
よくある落とし穴|実績・申込・奨学金の読み違いを防ぐ
準備の不足は、勉強時間だけが原因ではありません。制度の読み違い、手続の思い込み、説明の誇張でも起こります。最後に、自分がどの落とし穴に近いかを確かめてください。気づいた段階で、条件の確認や練習の方法へ戻りましょう。
落とし穴1:完成した作品があれば、対象条件も満たすと思う
作品が完成していても、コンピュータ・サイエンス型の条件に合うとは限りません。学校やスクールの課題作品なのか、個人として開発したものなのか、GitHubで公開しているかを確認します。入賞歴があるから、これらの条件が省略できるわけではありません。
見た目の良さだけで作品を選ぶと、自分が考えた部分を説明しにくい場合もあります。制作の目的、本人が行った作業、使った外部の素材や部品を整理してください。説明できる範囲を広げるための学習と、出願条件を確認する作業を分けることが重要です。
落とし穴2:事前審査の申込を、大学への出願だと思う
エントリー、審査申込、事前審査、本出願は別の手続です。特に、事前適性審査受験証明書が発行されたあと、本出願の登録・支払い・郵送が必要な点に注意してください。申込完了の画面を保存するだけでなく、何の申込かも記録します。
予定表には、「AO申込」のような短い表記だけでなく、「MOOCs第4回事前審査申込」「大学12月実施出願書類郵送」のように作業名を書きます。本人と保護者が同じ表を見れば、どの手続が残っているかを共有しやすくなります。
落とし穴3:事前審査に通ったら、学習を終える
学部は、本試験でも事前審査の学習範囲を確認すると案内しています。審査後に数学やプログラミングから離れると、説明が曖昧になる可能性があります。短時間でも、学んだ内容を自分で再現し、声に出して説明する時間を続けましょう。
復習では、同じ問題を見て答えを思い出すだけでなく、条件を変える、別の例を作る、考え方を説明するという確認を加えます。口頭試問は、答案の数字だけでは伝わらない理解を言葉にする準備が必要です。
落とし穴4:奨学金の最大額を、全員の確定額として計画する
スカラシップの「最大」という言葉を落とすと、支援内容の理解が変わります。初年度の給付額は入試結果によって決まり、その後も継続と金額の審査があります。家庭の費用計画では、確定している納付と、審査によって変わる給付を分けて考えます。
また、奨学金を受けたいという希望だけを志願理由の中心にしないようにしましょう。どの学びへ取り組み、どのような活動を発展させたいかを具体化することが先です。経済的な支援と、学部で何を学ぶかの説明を、それぞれ正確に整理してください。
よくある質問|未経験・評定・小論文の不安を整理する
制度名を見ただけでは、自分に必要な準備が分かりにくいことがあります。ここでは、公式に確認できる条件と、それを受けた準備の考え方をまとめます。自分の状況に関係する項目から確認し、必要な節へ戻ってください。
プログラミング未経験なら出願できませんか
MOOCs型の公式案内では、現時点で本格的なプログラミング経験がある必要はないとされています。ただし、大学の教材を使って自分で学習し、事前適性審査の基準を満たす必要があります。未経験であることと、準備が不要であることは違います。
コンピュータ・サイエンス型は、自作ソフトウェアの公開が出願条件です。同じAO型推薦入試でも条件が異なるため、未経験者向けの説明を全ての型に広げないようにしましょう。自分が希望する型の条件から確認してください。
評定の数値条件がなければ、数学の成績は気にしなくてよいですか
三つの型の個別資格には一律の評定数値が記載されていませんが、調査書と書類選考があり、数学の理解も重要です。評定が不要、参考程度と説明することはできません。普段の学習を維持し、特に数学の理解不足を早く補いましょう。
学校の成績と口頭で説明する力は、全く同じものではありません。定期試験で解けた問題も、なぜその考え方を使うのか説明できるかを確認してください。成績を保つ学習に、理解を言葉にする練習を加えることが役立ちます。
小論文の対策は必須ですか
2027年度要項に掲載された情報連携学部の三つの型の本試験には、独立した小論文の試験科目は示されていません。他学部のAO対策をそのまま移し、小論文だけを大量に練習するのではなく、希望する型の作品説明、学習、面接へ時間を配分しましょう。
ただし、文章で考えを整理する力は志願理由書や発表資料に必要です。短い文章で課題、理由、改善案をまとめる練習は役立ちます。試験としての小論文の有無と、文章で説明する力の必要性を分けて考えてください。
MOOCs型は複数回受けられますか
事前審査は複数回の受験が可能と案内されています。また、大学の本試験としてのMOOCs型は10月と12月に実施し、各回に出願できるとされています。ただし、専願であることや、それぞれの出願条件は変わりません。
次の回があることを前提に、最初の準備を軽くしないようにしましょう。各回の結果を受けて、どの理解が不足したかを見直し、必要な学習を続けます。実際に次の回へ進む際は、その時点の案内と条件を確認してください。
志願理由書は何字書けばよいですか
情報連携学部の個別要項では、所定用紙を使い本人が黒ボールペンで自筆記入することが示されています。ここで確認した資料に一律の字数指定はありません。他学部の字数や、受験記にある独自の目安を公式条件として扱わないでください。
文章を作る際は、最新の用紙と案内を確認してから、経験、学びたい内容、入学後の行動が伝わる量へ整えます。字数を埋めるために同じ志望動機を繰り返すより、必要な理由と具体例を残すことが大切です。
小論文の有無を確かめ、文章練習の目的をずらさないようにします
自分でできること
当該年度の型別の試験科目を読み、志願理由や作品説明に必要な短文を練習します。例えば、課題、理由、改善案を別々に書きます。ただし、他学部の小論文条件を持ち込まないよう注意が必要です。要項の方式名が一致しているか、学校でも照合します。
学校の先生に頼めること
文章の意味や根拠と結論の関係を確認してもらえます。ただし、独立した小論文がない方式で、長い小論文の演習だけを続けると必要な準備が後回しになります。先生には型別の選考内容を渡し、志願理由書など実際の提出物を中心に相談しましょう。
プロに頼ったほうがよいこと
文章練習を提出書類や口頭説明につなげ、何に時間を使うかを点検してもらえます。ただし、公表されていない試験を必須として追加することはできません。対策が増えすぎて指定教材や作品の説明が進まない場合に、公式の選考内容から準備を整理します。
情報連携学部の受験準備を、型の条件と学習の優先順位から始める
東洋大学情報連携学部のAO型推薦入試では、型を選び、事前適性審査の基準を満たし、大学の本出願と本試験へ進みます。コンピュータ・サイエンス型は自作作品の条件と説明、MOOCs型は指定教材と数学の理解、特別スカラシップ型は幅広い適性と学習のつながりが準備の中心です。
最初に行うことは、受験年度と希望する型を明記し、条件、締切、現在の材料、足りない準備を一枚に整理することです。例えば、作品はあるが公開条件を確認していない、数学Bの一部が未習、志願理由の大学で学ぶ部分が曖昧というように、不足を具体的に書きます。
そのうえで、学校へ依頼する書類、本人が進める学習、第三者と確認する説明を分けましょう。準備を早く始めれば、条件の確認や作り直し、学び直しに使える時間が増えます。提出物の見た目を整える前に、本人が理解し、正確に説明できる内容を積み上げてください。
マナビライトの受験相談では、受験方式の検討や対策の進め方を相談できます。現在の学習状況や作品、志願理由の下書きを整理しておくと、どこから取り組むべきかを具体的に考えやすくなります。大学への確認が必要な資格判断は、公式の案内と分けて整理します。
- 希望する型の出願条件と期限を整理し、未確認の項目を明確にします。
- 作品の説明、数学・プログラミングの理解、志願理由のつながりを点検します。
- 事前審査と本試験へ向けて、学習・書類・模擬面接の準備順を考えます。
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