総合型選抜とはどんな入試なのか?徹底解説!
総合型選抜とは?
【2026年度最新版】
総合型選抜は「好き」が武器になる入試。
総合型選抜とは、学力試験の点数だけでは測れない「人物像」や「将来の志」を重視し、大学が受験生を多面的に評価する入試制度です。
2020年度から従来のAO入試が改称され、「総合型選抜」として正式に制度化されました。
評価方法は大学ごとに異なりますが、志望理由書、活動報告書、面接、小論文、プレゼンテーションなどが組み合わされ、アドミッションポリシーに基づいて合否が決定されます。
2025年現在、国公立大学でも導入が進み、総合型選抜の実施校数や採用人数は年々増加傾向にあります。特に、早期に進路を定めたい高校生や、学校外での活動実績をアピールしたい受験生にとって、総合型選抜は有力な選択肢のひとつとなっています。
総合型選抜の導入が進んだことにより、ほとんどの受験生にとって合格の可能性を最大限に引き出すチャンスが増えました。
学力や評定平均だけでなく、あなたの個性や人間としての総合的な能力が評価される入試が令和時代のスタンダードになったのです。
また選考方法などに「学校推薦型選抜」との共通点も多いですが、総合型選抜では学校長の推薦が基本的に不要であることが大きな違いです。

総合型選抜の実施率
全国の大学で広がる導入状況【最新版データあり】
総合型選抜は、全国の大学で着実に導入が進んでいる入試方式です。文部科学省の「令和5年度学校基本調査」によると、全国の私立大学の約9割、国公立大学の約6割が総合型選抜を実施しており、非常に重要な選考ルートとなっています。
令和6年度(2024年度)、令和7年度(2025年度)もこの傾向が更に進んでおり、令和8年度(2026年度)も導入が広がる見込みです。
特に私立大学では導入率が非常に高く、入学者全体の3割以上が総合型選抜で合格しているケースも見られます。一方、国公立大学でも年々採用校が増加しており、地域貢献型や探究活動重視型など、特色ある選抜方式が展開されています。
このように、「総合型選抜とは何か?」を理解するだけでなく、「どれくらいの大学が実施しているのか?」を把握することは、志望校選びにおいて極めて重要です。
実施年度 | 国立 | 公立 | 私立 | 計 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
大学数 | 学部数 | 入学者数 | 大学数 | 学部数 | 入学者数 | 大学数 | 学部数 | 入学者数 | 大学数 | 学部数 | 入学者数 | |
令和 3年度 | 63 (76.8%) | 250 (62.5%) | 5,342 (5.5%) | 38 (40.0%) | 76 (36.2%) | 1,287 (3.8%) | 542 (90.8%) | 1,654 (87.9%) | 71,292 (14.7%) | 643 (83.1%) | 1,980 (79.5%) | 77,921 (12.7%) |
令和 4年度 | 64 (78.0%) | 243 (61.8%) | 5,439 (5.6%) | 38 (40.0%) | 76 (36.5%) | 1,294 (3.8%) | 550 (91.4%) | 1,708 (89.5%) | 78,175 (15.7%) | 652 (83.7%) | 2,027 (80.8%) | 84,908 (13.5%) |
令和 5年度 | 64 (78.0%) | 247 (62.2%) | 5,744 (5.9%) | 40 (41.7%) | 81 (38.4%) | 1,455 (4.1%) | 558 (92.4%) | 1,773 (91.1%) | 85,204 (17.3%) | 662 (84.7%) | 2,101 (82.2%) | 92,393 (14.8%) |
(出典)文部科学省「令和5年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」
総合型選抜で重視される評価項目
総合型選抜では、「学力の3要素(知識・技能/思考力・判断力・表現力/主体性・多様性・協働性)」をバランスよく評価することが文部科学省により定められています。これに基づき、大学ごとに異なる選考が行われますが、共通して以下のような評価項目が重視されています。
評価項目 | 内容の概要 |
---|---|
志望理由書 | 志望動機の明確さ、大学の教育方針との合致度 |
活動報告書・ポートフォリオ | 部活動・ボランティア・探究活動などの実績や過程 |
面接(個別・集団) | コミュニケーション能力、主体性、将来への展望 |
小論文・課題文 | 思考力・表現力、論理的な構成力 |
プレゼンテーション | 発信力や協働性、課題解決へのアプローチ力 |
これらの評価項目は単体ではなく、「アドミッションポリシー」に基づいて総合的に判断されます。たとえば、探究型入試を採用する大学では、研究テーマの深さや継続性が重視されることもあります。
さらに、学校外での活動や自己学習の内容が選考の鍵を握ることが多いため、一般選抜とは異なり「何を学んできたか」だけでなく「どう学んできたか」「何を成し遂げたか」「将来実現したいことは何か」が問われるのが総合型選抜の特徴です。
総合型選抜で重要視されるアドミッションポリシーとは
アドミッションポリシー(入学者受入れの方針)は、各大学や学部・学科が「どのような学生に入学してほしいか」を明示した指針です。これは、大学の教育理念やカリキュラムポリシー、ディプロマポリシーと連動し、求める学生像や入学者選抜の基本方針を示しています。
文部科学省は、大学教育の質の保証と向上を目的として、各大学に「三つのポリシー」(アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシー)の策定と公表を求めています。これにより、大学は自らの教育方針を明確にし、受験生は大学の求める人物像を理解しやすくなっています。
総合型選抜においては、アドミッションポリシーが特に重要です。この入試方式では、学力試験の結果だけでなく、志望理由書や面接・小論文などを通じて、受験生が大学の求める人物像にどれだけ合致しているかが評価されます。そのため、アドミッションポリシーを理解し、自身の経験や志望動機をそれに照らし合わせて表現することが、合格への鍵となります。
例えば、ある大学のアドミッションポリシーでは、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を求めると明記されています。 このような方針を踏まえ、受験生は自身の学校生活や課外活動での協働経験を具体的に示すことで、大学の求める人物像に合致していることをアピールできます。また、同じ大学でも学部・学科ごとにアドミッションポリシーの内容は異なる場合がありますので注意しましょう。
総合型選抜を受験する際は、志望する大学や学部・学科のアドミッションポリシーをよく読み、自身の経験や志望動機がどのようにそれに合致しているかを明確に伝えることが求められます。これにより、大学側に自分が適した学生であることを効果的にアピールできます。
実際のアドミッションポリシーをいくつかご紹介します。
大学名 | 学部・学科名 | アドミッションポリシー |
---|---|---|
明治大学 | 理工学部 電気電子生命学科 | ・生命、環境、エネルギー分野での技術革新に強い関心を持ち、将来その分野で活躍したいと希望する者 ・目的意識を持って積極的に勉学し、友人から信頼される自主自立した明朗でバイタリティのある人材 ・数学、理科、外国語について、高等学校段階の基礎的な知識と応用問題にも適応できる十分な学習能力を身に付けている者 |
青山学院大学 | 文学部 英米文学科 | ・英語圏の言語・文学・文化・コミュニケーション、および英語教育学に興味・関心・好奇心を持つ者 ・物事を多面的かつ論理的に考察し、自分の考えをわかりやすく表現し、伝えることができる者 ・異なる文化や価値観を理解し、共生を通じて社会に貢献する意欲を持つ者 |
中央大学 | 文学部 | ・日本と世界各地の言語、文学、文化、歴史、社会に広く関心を寄せる人 ・人間の思考や行動、人間関係や社会構造について深く探究する意欲をもつ人 ・鋭い感性と幅広い教養を身に付けたいと考える人 ・論理的な思考力、柔軟な発想力、的確な表現力を養いたいと考える人 |
法政大学 | 経済学部 | 知識・理解・技能[API] (1)高等学校で学んだ主要教科・科目について、教科書レベルの知識をもっている (2)自身の考えを日本語で他者にわかりやすく文章表現することができる。 思考力・判断力・表現力[APII] (1)課題解決のために知識・技能を多面的、総合的に活用できる (2)その考察をまとめることができる 関心・意欲・態度[APIII] (1)世の中の現状を経済という観点から考えることに関心をもち、それを学修や行動に移すことができる (2)知的好奇心をもって、入学までに培った基礎学力をさらに広げ・深めていこうとする向上心をもっている (3)経済学を中心に、政策、法律、歴史、科学、思想、文学、言語などの幅広い分野にわたる教養を身に着け、それらを経済学の専門知識と結びつけて自分の世界を広げていく (4)論理的思考を修得しようとする (5)留学、スポーツ、文化的活動、ボランティア活動、資格取得など、大学内外、国内外における学びのフィールドを有機的に結び付けて、自分の学びをデザインしていく行動力をもっている (6)高い倫理観をもっている |
大学・学部ごと、多岐にわたるアドミッションポリシーがあることを理解していただけましたか?
大学側が求める学生像・人材像を深く理解しないまま、受験に臨むことがないようにしましょう。
総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜の違い
以下は、各入試方式の主な特徴を比較した一覧表です
比較項目 | 総合型選抜 | 学校推薦型選抜 | 一般選抜 |
---|---|---|---|
主な評価要素 | 志望理由書・面接・課外活動・小論文など | 調査書・推薦書・面接・小論文など | 学力試験(マーク式・記述式) |
出願資格 | 大学が定める条件(評定や活動実績など) | 学校長の推薦・一定の評定平均(例:4.0以上) | 誰でも可(条件なし) |
入試時期 | 主に9〜11月 | 主に11〜12月 | 主に1〜3月(共通テスト+個別試験) |
併願可否 | 併願可(大学により異なる) | 原則不可(専願が基本) | 併願可 |
受験準備の方向性 | 自己分析・実績づくり・書類対策・面接練習 | 調査書重視+大学ごとの対策 | 学力試験対策が中心 |
向いている人 | 自分の将来像が明確な人/経験を活かしたい人 | 学力+学校生活を堅実にこなした人 | 学力に自信がある人 |
総合型選抜は「主体的に学ぶ力」を重視
上記の比較からわかるように、総合型選抜は他の入試方式に比べて“人物評価”や“意欲・ビジョン”を中心に見るのが大きな特徴です。これは「偏差値」では測れない、その人自身の軸や成長性を大学が重視しているからです。
学校推薦型選抜との違い
総合型選抜と学校推薦型選抜での一番大きな違いは、総合型選抜は高校の推薦を必要としないことです。
また、学校推薦型選抜では出願条件として評定平均が定められていることが多いですが、総合型選抜は大学・学部によって必要としない場合もあります。
ただし、評定平均の出願条件がないとはいえ、出願時には必ず調査書を提出する必要があるため、評定平均が最終的な合格・不合格に関係がないとは言い切れません。
学校推薦型選抜の入試内容は小論文と面接が中心ですが、総合型選抜では志望理由書や小論文・面接以外にも、グループディスカッションやスポーツの実技試験など、大学・学部ごとに独自の入試を取り入れる傾向にあります。
一般選抜との違い
一般選抜は基本的に、学力検査の得点・結果で合格・不合格が決まります。
また一般選抜の入試は1月から3月にかけて実施されます。
総合型選抜は9月からスタートする大学が多く、一般選抜に比べて早くスタートします。
総合型選抜の出願条件と評価ポイント
総合型選抜では、大学・学部によって出願条件や選考方法が異なります。しかし、すべての大学に共通して言えるのは、学力だけでなく“人物”を多面的に評価するという点です。
では、大学は受験生のどんな力を見て、どんな基準で合否を判断しているのでしょうか?
このセクションでは、総合型選抜で重視される「5つの力」と、それを裏づける出願条件について、わかりやすく解説していきます。
総合型選抜の主な出願条件
多くの大学で求められる基本的な出願条件には以下のようなものがあります
・活動実績や探究活動
高校外での実績も対象になる
・志望理由書・自己推薦書の提出
・小論文・課題レポートなどの提出
・面接やプレゼンテーションへの参加
・評定平均値(高校の成績)
3.5〜4.0以上が求められるケースが多い
・出欠状況
欠席が少ないことが好まれる
出願要件は大学・学部によって異なるため、志望校の公式サイトで必ず確認することが重要です。
総合型選抜で
大学が見ている「5つの力」
文部科学省が総合型選抜で評価すべきと定めている「学力の3要素」と、近年重視されている2つの視点を統合し、以下の「5つの力」が選抜の基準になります。
① 学習基盤力(知識・技能)
- 高校での学習内容をきちんと身につけているか
- 評定平均や提出課題から評価される
② 思考力・判断力・表現力
- 自分の考えを論理的に構成し、伝えられるか
- 小論文や面接で問われる
③ 主体性・探究心
- 自ら課題を見つけ、掘り下げて取り組んだ経験があるか
- 探究活動・ボランティア・部活などが評価対象に
④ 多様性・協働性
- 他者との関わりの中で学んだことがあるか
- 学校内外でのチーム活動やリーダー経験などから見られる
⑤ 将来ビジョンの具体性
- 「なぜこの大学なのか?」「将来どうしたいのか?」が明確か
- 志望理由書や面接で判断される
受験生が総合型選抜で
合格するためにできる準備とは?
これらの力は、テストの点数のように一夜で身につくものではありません。だからこそ、早期の準備と継続的な自己分析・活動の記録が鍵になります。
「受験勉強」とは異なる軸での“学びの証明”が求められる総合型選抜においては、日常の中の学びをどう蓄積し、表現するかが合否を分けます。
ここまでで「大学が何を見ているか」が分かりました。
次は、実際に高校1〜3年生の間でいつ・何をすればよいか?
年間スケジュールと準備の進め方を解説します。
総合型選抜の流れとスケジュール
【高1〜高3】

総合型選抜は、一般入試のように「試験直前の追い込みでなんとかなる」タイプの入試ではありません。
むしろ高1・高2からの準備が合否に直結するため、早めに全体像を把握して、逆算して行動することが大切です。
ここでは、高校1年〜3年の流れに沿って、総合型選抜で合格を目指すためにやるべきことを時期別に整理します。
【高1】興味の「種」をまく時期
・学内外の活動に積極的に参加
探究活動・部活動・ボランティアなどの経験が「エピソードの源」に
・自分の得意・苦手や関心分野を探る
授業・課外学習・日常生活の中で「なぜ面白いと思ったか」を記録する
・日々の学校生活を大切にする
出欠・提出物・授業態度も調査書に影響
📝 ポイント:この時期の経験や感情が、後の志望理由書に深みを与えます。
【高2】方向性を固める&記録を蓄積する時期
・「なぜこの大学・学部か」を考え始める
オープンキャンパス参加や大学HPの研究、志望分野の本を読む
・活動のログを残す
活動記録、探究の成果、感想などをノートやアプリで記録
・書類対策の下地を作る
志望理由書や自己PRで使えそうな実績や経験を棚卸し
📝 ポイント:学校推薦型と併願したい場合、評定平均の維持も重要です。
【高3】アウトプットと仕上げの時期(春〜秋)
春〜夏(6月ごろまで)
・志望理由書の原型作成
WHY(なぜその大学?)→ WHAT(何を学びたい?)→ HOW(どのように?)の構成で下書き
・小論文・面接練習のスタート
よくあるテーマで練習し、第三者のフィードバックを受ける
夏〜秋(7月〜10月)
・書類完成、最終チェック
志望校を深く理解している塾教師に見てもらうと精度が上がる
・模擬面接、プレゼン対策の実践
話す内容と話し方、両面を磨く
📝 ポイント:夏までに書類とスキルを整えるのが理想です。
スケジュールを「自分ごと」に変えるには
ここで紹介したスケジュールは、あくまでモデルケースです。
ただし、「自分は今どこにいて、次に何をすべきか」を把握する指針として非常に有効です。
今が高1でも高3でも、今日から始められる一歩があります。
次のセクションでは、いよいよ具体的な対策方法に入っていきます。
総合型選抜の実践的対策
いつから、何を、どう進める?
総合型選抜で合格を勝ち取るには、思いつきや勢いではなく、計画的な準備と戦略的な行動が欠かせません。
このセクションでは、高校1年から3年までの時期ごとに、何を、どのように進めればよいかを具体的に紹介します。
「今、自分は何をすべきか?」が明確になるはずです。
【高1~高2】テーマ探しと自己発見
活動履歴を作る(探究活動・地域活動・校外学習)
総合型選抜では、「何をやったか」ではなく「なぜやったか」「何を得たか」が問われます。
探究学習や地域貢献活動、校外プログラム(例:課題解決型コンテスト、大学の公開講座など)への参加を通じて、“自分だけの経験”を積み上げていきましょう。
自分の興味を深堀りするノート術
日々の出来事や学びの中で感じたことを、ノートやアプリにメモしていきます。
「なぜ面白かったか」「なぜ不快だったか」「将来にどうつながりそうか」など、感情と理由を言語化するクセをつけましょう。
→ この記録が志望理由書や面接で語るエピソードの“タネ”になります。
オープンキャンパスや大学パンフで志望動機の種を探す
まだ志望校が決まっていなくてもOK。まずは「自分が惹かれる学びとは?」を探すところから。
大学のパンフレットやWebサイト、オープンキャンパスでの体験が、「なぜこの大学か?」を語る材料になります。
【高2冬】志望理由書の原型をつくる
使える「エピソード」の棚卸し方法
これまでの活動から、「人に話したくなる経験」「心が動いた瞬間」を5つずつ書き出してみましょう。
→ それぞれに「なぜ?」「何を学んだ?」「それを大学でどう活かしたい?」を問いかけていくことで、内容が深まります。
説得力ある志望理由の構成テンプレート
書くときの基本構成はこの順序が鉄板です
1. WHY:なぜこの大学・学部なのか?
2. WHAT:そこで何を学び、どんな課題に向き合いたいのか?
3. HOW:そのためにこれまで何をしてきて、どう学びを活かすか?
→ この型に沿って、自分の過去・現在・未来をひとつのストーリーとして構築します。
【高3春】小論文・面接の練習スタート
小論文でよく出るテーマと構成パターン
よく出題されるテーマ
- 社会問題(少子化・格差・AIと人間など)
- 教育・地域・国際問題
- 志望分野に関連する時事トピック
構成例(PREP法)
- P(主張):私は〇〇だと考える
- R(理由):なぜなら〜だから
- E(具体例):たとえば〜という事例がある
- P(まとめ):よって〇〇であるべきだ
自己PR・志望理由・高校生活を語る「3分スピーチ」対策
「あなた自身を3分で紹介してください」という面接の定番対策。
話す内容は原稿にまとめた後、録音して聞く or 家族・友人に話すことで改善点が見つかります。
模擬面接の頻度とフィードバックの活かし方
最初は緊張して当たり前。
定期的に模擬面接を行い、録画やフィードバックを通じて表現力と内容の質を高めていきましょう。
【高3夏~秋】出願・最終準備フェーズ
書類の完成度チェックリスト
- 誤字脱字はないか?
- 論理に飛躍はないか?
- 「この大学でなければならない理由」が書かれているか?
- 「自分らしさ」が伝わるか?
→ 最低でも3人以上(学校・塾・家族など)に見てもらいましょう。
面接想定問答集の活用法
「なぜこの学部?」「他大学ではダメな理由は?」「最近気になるニュースは?」など、王道質問に答える訓練を積むことで、本番に強くなります。
緊張に強くなるための「直前対策ワーク」
- 深呼吸とルーティン化(手を握る→開くなど)
- 原稿を見ずに語る練習
- 「うまく話せなかった時の対処法」をあらかじめ決めておく
対策のコツは「ストーリーの積み重ね」
総合型選抜は、単なる受験テクニックではなく、あなた自身の経験や価値観を伝える入試です。
だからこそ、1日でも早く、あなたの“らしさ”を見つめ直すことが合格への近道になります。
次は、学校・塾・独学、それぞれどんなメリットがあるか?を比較しながら、効果的な学習戦略を見ていきましょう。
【塾・学校・独学】
総合型選抜のベストな学習戦略は?
総合型選抜の対策は、一般入試のように「参考書と過去問をひたすら解く」という形式には当てはまりません。
志望理由書、小論文、面接… すべてが“表現力”と“経験”に基づいた対策であるため、「誰と・どこで・どう学ぶか」が成果に大きく影響します。
ここでは、「学校」「塾」「独学」の3つの方法について、それぞれの特徴・メリット・デメリットを比較しながら、自分に合った対策スタイルを考えていきましょう。
学校での対策
メリット
- 担任や進路指導の先生からのサポートが受けられる
- 願書提出や成績管理との連携がしやすい
- 調査書や推薦書などの書類対応もスムーズ
デメリット
- 志望理由書や小論文の添削が十分に受けられないことも
- 学校ごとに総合型選抜への対応温度差がある
- 面接練習の頻度や質にばらつきがある
📝 学校はあくまで“学習の基盤”。主体的に動けるかどうかが鍵です。
塾・予備校(通学型・オンライン型)
メリット
- 志望理由書・小論文・面接の添削指導が受けられる
- 最新の入試情報や大学別の傾向に詳しい
- 模擬面接など、実戦練習が豊富
デメリット
- 費用がかかる
- 塾との相性(教師・方針)が合わないと効果が出ない事も
📝 「志望校への合格に向けて必要な対策」に意識を向けましょう。
特にオンライン塾は地域を問わず質の高い指導を受けられる手段として注目されています。
独学での対策
メリット
- コストがかからない
- 自分のペースで準備できる
- 一人でじっくり考える時間が持てる(深掘りに向いている)
デメリット
- 客観的なフィードバックを受けにくい
- 書類や面接での「ズレ」に気づきづらい
- モチベーションの維持が難しい
- 必要な対策に絞ることが出来ず非効率
📝 独学には「振り返りノート」「模擬面接の録音・録画」「SNSや記事で成功例を分析する」など、自己チェックの工夫が重要です。
大切なのは、自分にとって「合格に最も近い学び方」を選ぶことです。
仲のいい友人と同じ塾に通うことや、少しでも費用を抑えたい。という気持ちはよくわかります。
ですがその結果、志望校へ合格することが出来なければ本末転倒です。
総合型選抜
リアルなケースから学ぶ受験戦略
「実際、どんな準備をした人が受かったの?」
「失敗した人は、何が足りなかったの?」
総合型選抜は“自分らしさ”や“どんな未来を描きたいか”が問われる入試だからこそ、他の人の体験がとても参考になります。
ここでは、実際の受験生の成功・失敗ケースをもとに、そこから学べるポイントと、今日からできる対策を紹介します。
成功例①「探究活動の深掘り」で合格につながったケース
志望校
国際系学部(私立)
高校時代の活動
地元商店街の活性化に関する探究プロジェクト
対策ポイント
・活動の背景・課題設定・仮説検証・振り返りまでを一貫して記録
・レポートとしてまとめ、面接でプレゼン形式で発表
・「地域課題×グローバル視点」という切り口が学部とマッチ
教訓
活動の“深さ”と“志望学部との接続点”が説得力を生んだ
成功例②「志望理由の独自性」で差がついたケース
志望校
教育学部(国立)
書類内容
・小学生の頃に受けた特別支援教育の影響から教育分野を志望
・現場の教員にインタビューした内容を志望理由書に反映
・教育実習ボランティアにも参加
教訓
「自分だから書ける」志望理由書は、評価者の心を動かす
失敗例①「活動は豊富でも、整理できなかった」ケース
志望校
経済学部(私立)
つまずきポイント
・ボランティア、部活、留学など多くの経験はあったが、話がバラバラ
・志望理由書に「この大学で学ぶ意味」が伝わらず
・面接で「何が軸なのか?」と質問されて答えられなかった
教訓
「経験量」よりも「一貫性」や「言語化力」が重要
失敗例②「対策の開始が遅すぎた」ケース
志望校
心理学系学部(私立)
つまずきポイント
・高3夏から対策開始。活動実績が薄く書けることが少なかった
・書類や小論文を詰め込んだものの、深みが出なかった
・面接も“受け身”で終始してしまい、印象が薄く不合格
教訓
「早期準備」と「試行錯誤の蓄積」が最大の武器になる
先輩たちの反省から活かすべきポイント
成功の共通点 | 失敗の共通点 |
---|---|
志望理由が「自分だけのストーリー」になっている | 話が分散し、主張が伝わらない |
経験と学部の接続が明確 | 志望動機が表面的/場当たり的 |
対策を早く始め、客観視しながら改善 | 対策が後手に回り、精度不足 |
今日からできること
- 自分の過去の活動を「なぜ?」「どう思った?」「どう活かす?」で整理してみる
- 学びたいことと過去の経験をどうつなげるかをノートに書き出す
- 他人の言葉で書いていないか?「これは自分の物語か?」と問い直す
次のセクションでは、総合型選抜に関してよくある誤解や不安にひとつひとつ答えていきます。
自分の選択に自信を持つためにも、最後まで読み進めてみてください。
総合型選抜
よくある誤解&不安に答えるQ&A
総合型選抜について情報を集めていると、誰もが一度はぶつかるのが「これって本当に大丈夫?」「こんな自分でも受けられるの?」という不安や疑問です。
ここでは、受験生・保護者の方からよく寄せられる質問と、それに対する答えをQ&A形式でまとめました。
検索ニーズの多いワードも含めて、具体的に解消していきます。
Q. 学校の成績があまりよくないけど、総合型選抜は受けられますか?
A:受けられる大学もありますが、評定平均は確認必須です。
総合型選抜は人物評価が中心ですが、文部科学省の方針で「高校での学習成果」も重要視されています。
多くの大学で評定平均3.5〜4.0以上が目安になっているため、志望校の出願条件を必ずチェックしましょう。
とはいえ、実績や志望理由が非常に優れていれば、成績以外の部分で評価されることもあります。
Q. 活動実績があまりないけど、志望理由だけで戦える?
A:可能ですが、「深さ」と「説得力」がカギです。
派手な実績や受賞歴がなくても、「なぜそれを学びたいか」「どんな経験からそれを思ったのか」を丁寧に掘り下げることで、高評価につながります。
たとえば、身近な体験(家族との会話、学校生活の中の違和感など)から志望理由を組み立てることも十分可能です。
Q. 結局、推薦入試と総合型選抜の違いって何?
A:推薦は学校推薦、総合型は“自己推薦”です。
特徴 | 学校推薦型選抜 | 総合型選抜 |
---|---|---|
推薦の出どころ | 高校(担任や校長の推薦) | 自己推薦(自分の意志で出願) |
評定条件 | 原則あり(例:4.0以上) | 大学によって異なる |
出願人数 | 限定される | 自由に出願できる(併願可の場合も) |
評価要素 | 成績・推薦書・面接 | 書類・面接・小論文・活動実績 など |
Q. 面接が苦手でも受けられる?
A:苦手でもOK。むしろ“準備すれば確実に伸ばせる”分野です。
総合型選抜の面接は、「人前でうまく話せるか」ではなく、“自分の言葉で語れているか”が最も重視されます。
台本を丸暗記するよりも、話す内容の本質を整理し、自然に伝える練習を重ねることで、誰でも上達できます。
Q. 総合型選抜って、簡単なんじゃないの?
A:決して“楽”な入試ではありません。
筆記試験がないケースが多いため、誤解されがちですが、自分を深く見つめて表現する力、計画的な準備が求められる入試です。
むしろ早期から準備しないと、出願すら間に合わないこともあります。
迷ったら“今の自分”を信じて一歩進めばいい
不安があるのは当然です。ですが、総合型選抜は「誰にでもチャンスがある入試」です。
大事なのは、「やってみよう」と思った瞬間から動くこと。
次のセクションでは、記事全体のまとめとして、進路を考える上で大切にしてほしい視点をお伝えします。
まとめ | 総合型選抜を知ることは、自分の進路を考える第一歩
総合型選抜は、単に「学力試験がないから楽」という入試ではありません。
それはむしろ、「あなたがどんな人で、何を学び、どんな未来を描いているのか」を問う、最も“自分らしさ”が問われる入試形式です。
この記事では以下のポイントを解説してきました
- 総合型選抜とは何か?旧AO入試との違い
- 一般・推薦との違いと、自分に合う入試方式の見極め方
- 高1〜高3の時期別準備スケジュール
- 志望理由書、小論文、面接などの実践的な対策
- 学校・塾・独学の使い分け
- 成功・失敗例から学ぶ受験戦略
- よくある不安や誤解へのQ&A
ここまで読んでくださったあなたは、もう「総合型選抜って何?」という状態から一歩進み、自分ごととして選択肢を検討できる位置に立っています。
最後に伝えたいこと
進路選択は人生の大きな節目です。
でも、総合型選抜を通じて自分と向き合い、「なぜ学びたいのか?」「どんな未来をつくりたいのか?」を考えることは、大学受験を超えて、これからの人生にもつながる大切な経験になります。
今すぐ、すべてが整っている必要はありません。
まずは、あなたの「なぜ?」を見つめるところから始めてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
